Date : 2018.12.07
Writer : 森 祥子
「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を」という理念を掲げ、不動産業界の変革に取り組むGAテクノロジーズ。その改革は、社内で日常的に行われている業務改善が礎となっているようだ。リアルとテクノロジー、セールスとエンジニアが理想的な形で融合した同社の働き方を、それぞれの立場から語ってもらう。
テクノロジーの力で不動産業界を変えていく
──GAテクノロジーズさんの事業について教えてください。

株式会社GA technologies
AI Strategy Center
R&D Team
General Manager
稲本 浩久 氏
稲本浩久氏(以下、稲本氏):AIを活用した中古不動産流通ポータルサイト「Renosy(リノシー)」を中心に、物件探しからリノベーション、資産活用、購入後の管理など、不動産の入口から出口まで一生寄り添うようなスタイルでサービスを提供しています。最近では、一口1万円からのクラウドファンディングサービスも開始。今までにない不動産との新しい付き合い方を提案しています。
そのベースになっているのが、テクノロジーの力で不動産業界のイノベーションを起こすReTech(リーテック)の発想。不動産会社でありながら、自社にAI戦略やブロックチェーン戦略に特化した専門部署を持っているという点も当社の特長です。

AIを活用した中古不動産流通プラットホーム、「Renosy(リノシー」。
家探しからリノベーション、資産活用、購入後の管理までを
トータルでサポートする中古不動産ポータルサービス
──その中で、おふたりはどのような業務を担当されているのでしょう。
稲本氏:私はAI戦略部門で、主にAIを活用した業務改善を担当しています。当部署には、ほかに長期的な技術の獲得やブランド価値の向上を含めた3つのミッションがありますが、なかでも業務改善ツールの開発には力を入れていますね。
根岸直希氏(以下、根岸氏):僕が所属しているチームは、不動産売買を行っています。仲介業者様から物件をご紹介いただいて交渉するっていう、リアルの部分ですね。それをサポートしてくれるのが、稲本さんのチームが開発した「Tech Supplier(テックサプライヤー)」というツールです。
──Tech Supplierを使うと、どんなことができるのですか。
稲本氏:「マイソク」と呼ばれる図面入りチラシを自動で読み取ってデータベース化し、優良物件のスクリーニングや物件レコメンドにより、不動産の仕入れ業務にかかる時間を大幅に削減します。マイソクは各社フォーマットがバラバラで、モノによってはFAXを繰り返して劣化していたりするので読み取りが困難とされ、デジタル化が遅れていた部分なんです。しかも、それが毎月5000~6000枚も届けられるため、人力でチェックするには限界があるし、物件選びも担当者の勘と経験まかせになりがちで質の均一化を図れない。そこをデータベース化することで、業務の効率改善と質の担保を両立できるというわけです。

不動産の世界では、このような資料が毎月5000~6000枚届く
根岸氏:メールで届くマイソクは自動でそのまま、FAXで送られてきたものもクリックひとつで読み取りを開始し、間取りや面積、築年数、販売・賃貸価格、管理費・修繕積立金などの項目がデータベース化されます。さらに、これまでの仕入れ事例をもとにAIによるレコメンド機能も付いているので、どれを買うべきかが瞬時にわかる。入社後日の浅いメンバーでも、ベテランの先輩と同じように自信を持って判断することができるんです。
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