日経 xTECH Special

人手不足や生産性の低下といった課題は、地方の中堅・中小企業ほど深刻だ。これらを解決する有効策のひとつが「働き方改革」の推進である。普段使っているパソコンを最新機種に入れ替えることが、その大きなきっかけになるという。インテルのマーケティングに携わる飯田真吾氏にお話を伺った。

積極的なIT投資は
人手不足解消にもつながる

インテル
マーケティング本部
クライアント・コンピューティング・グループ
飯田真吾

少子・高齢化による“人手不足”は、大企業よりも中堅・中小企業、都市部よりも地方の企業のほうが深刻だ。「人が採れない」という現実は、地方の中堅・中小企業の経営者にとって、事業の存続を脅かしかねない重大な課題となっている。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」(図1)によると、29人以下の中小企業による有効求人数は2009年の335万人から2014年には655万人と5年間でほぼ倍増している。規模の小さな企業ほど、人材獲得に苦しんでいることは明らかだ。

図1 規模別有効求人数の推移

※図版出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」

しかも多くの中堅・中小企業は、人手不足だけでなく、生産性の伸び悩みにも苦しんでいる。図2は、従業員1人当たりの付加価値額の推移を、製造業・非製造業のそれぞれについて企業規模別で見たものだが、中小企業の付加価値額は大企業のそれを著しく下回り、横ばいが続いていることがわかる。その分、大企業と中小企業の生産性の差は、さらに大きく開いている。

図2 企業規模別従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)の推移

※図版資料:財務省「法人企業統計調査年報」
(注)
1.ここでいう大企業とは資本金10億円以上、中小企業とは資本金1億円未満の企業とする。
2.平成18年度調査以前は付加価値額=営業純益(営業利益-支払利息等)+役員給与+従業員給与+福利厚生費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課とし、平成19年度調査以降はこれに役員賞与、及び従業員賞与を加えたものとする。

生産性が伸び悩むのは、中小企業があまり積極的にIT投資を行ってこなかったことにも原因がありそうだ。ITの導入によってどのような業務改善効果が得られるのかが実感できず、「IT投資はコスト」と認識している企業も多いようである(図3)。

図3 IT化の障害・制約

※図版出典:商工中金「中小企業のIT活用に関する調査(2017年7月調査)」
(注)
1.2003年8月調査の回答割合は記載省略。
2.2003年8月調査は、「ITの活用・導入に対する課題・問題」として、3項目以内の複数回答として設問している。
3.2003年8月調査および2007年11月調査では「資金面の確保」(03年5.4%、07年5.3%)の選択肢が、2007年11月調査では「ITの活用に互換性が無く非効率」(7.7%)の選択肢があった。

しかし、「IT投資によって業務の効率化や省力化を図れば、少ない従業員数でもより多くの仕事を回せるようになります。人手不足に苦しんでいる地方の企業や中堅・中小企業ほど、投資のメリットは大きいと考えられます」と語るのは、インテルの飯田真吾氏である。

飯田氏は、「求職者が就職先を選ぶ際も、『IT投資を積極的に行っている企業かどうか?』という点は重要な判断材料になっているようです。働きやすさを決定づける要因のひとつであるからです」と語る。

「人手不足」という企業の存続にかかわる課題を抜本的に解決できるのなら、それだけでもIT投資は「意義のある投資」と言えるのではないだろうか。

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