日経 xTECH Special

リモートワーク導入による
業務時間の“延長”

株式会社ビジネスバンクグループ
ALL-IN事業部
CTO
牧 俊男

―― 起業しよう、事業を拡げていこうという方たちに向けてのサービスを展開している貴社はリモートワークを積極的に活用していると伺いました。導入した経緯を教えて頂けますか?

牧氏創業当初、島根にも事業所があった時期があり、会議はビデオ会議でやることが多かったので、リモートワークを始めやすい土壌はもともとあったと思います。

成田氏システムを作るエンジニアたちは特にリモートワークをすることが多いのですが、可能にしているのが『Jira』というアプリだと思います。1つのシステムを作る工程がそれぞれ1つのチケットとして管理され、それを開くとどんな作業が必要なのかが表示されるため仕事の見える化ができます。これに『Slack』というチャットアプリと『Zoom』というオンラインミーティングツールを組み合わせたことでよりリモートワークがしやすくなりました。

―― 具体的にはどんな活用法なのでしょうか?

牧氏『Slack』はいろいろなチャンネルを作ることができるので、分報チャンネル(個々人が現在やっている作業や作業が進まない要因を自由に書き連ねるメンバー全員に公開されている個人用のチャンネル)でリアルタイムに情報を書き込み、メンバー間の情報共有に利用したり、あるいは自分の備忘録として使用するケースもあったり。チームのメンバー全員が見ることができるので、もしヘルプが欲しい時はメンバーに伝えることもできるし、それを見て手が空いていれば助けに行くこともできる。またはその分野が得意という人がいれば、代わりにやるという具合にチームで行動が取れるようになります。基本的な報告手段として『Slack』を活用していて、全員への連絡用チャンネルを使って“今日は自宅で作業します”と書いてもらえば、リモートワークOKというルールで運用しています。

成田氏もちろんすべてをフルリモートにはしないようにはしています。先ほどの会議もそうですが、完全にフルリモートにしてしまうと、その人がどういう人となりなのか、仕事に対してどのような想いを持っているのかがわからなくなってしまいます。なので、会社全体で共有するために月初会議という月が替わるごとに行う会議を毎月行い、必ず顔を合わせるようにしています。

―― リモートワークを導入するにあたり、チームで慣れるまでに苦労した点はありましたか?

牧氏リモートワーク自体は私が入社する前から行われていましたが、当初は社員それぞれのリモートワークに対する期待値にズレがありました。チームの仕事量のトータルが見えていないためか、ついつい仕事をやり過ぎちゃうというケースが起こりました。

―― リモートワークにすると、逆に仕事をやり過ぎてしまうものですか?

牧氏会社に来ていないと周りは自分が仕事をしているかがわからないので「何か見える成果を出さなければならない!」というプレッシャーを感じてしまうことが多くて、ついついやり過ぎるという人が多かったです。そこで一つ一つのタスクをきちんと見積もり、2週間にチームでする仕事の総量が一定になるように工夫しました。

以前までは社員ごとの感覚でタスクの見積もりを行っており、1つのタスクは一人の担当者が解決まで遂行するという進め方をしていました。例えばある社員が「3日で終わる仕事だ」と見積もったら、それで結論付けて、その人が責任をもって3日後に完了させる仕事としていました。しかし、そのようなときは「もし3日後に終わらなかったらその人の問題」という感じになりますよね?個人の作業で閉じてしまっているので、誰も助けてあげることができないし、そもそもどこまでが完成しているかもわからない。そのため、ただやり遂げるのを待つということになってしまう。これだと効率が悪いので、今ではチーム全員で仕事の時間を見積もり、全ての作業を完了させるためにチームの総力で解決する仕組みに変えました。先ほど紹介した『Slack』を使用することでお互いのコミュニケーションが取りやすい環境が構築されたのでここ半年はそうした課題はなくなりつつあります。

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