日経 xTECH Special

社会のデジタルシフトが加速する中で、中小企業のビジネスにも様々な可能性が広がっている。前編に続いて日経BP総研の桔梗原富夫に、中小企業のデジタルシフトがもたらすメリットを尋ねた。

デジタルシフトに踏み切れない
中小企業が抱える課題

今や、IT環境を自社ですべて整えなければならない時代ではない。社内にIT管理者がいなくても、サーバーの構築・運用をしなくても、ベンダーなど外部リソースの力を借りれば簡単にシステムを活用できる。

これについて桔梗原は、「IT投資と業績には相関関係があるという調査結果も出ていますから、中小企業が真っ先に取り組むべきは、IT武装、つまりネットワークやクラウドサービス、SNSといったデジタルの積極的な活用にほかなりません。中小企業ならではの俊敏性や機動力を生かしながら、事業改革を推進できる時代になったのです」と説明する。

ではなぜ、企業規模が小さくなるほどデジタルシフトの推進が後手になってしまうのだろうか。

「IT導入の課題としては、①コストが負担できない、②導入の効果が分からない、③従業員がITを使いこなせない、④業務内容に合ったIT技術や製品がない(分からない)、⑤旗振りできる人材がいないという点が挙がっていますが※1、これについてはデジタルシフトも同様と考えていいでしょう」

サステナブルな企業を目指すのであれば、経営者にはこれらを踏まえた上で意思決定の速度が求められる。とはいえ経営者は必ずしも技術に精通する必要はないと桔梗原は言う。

「経営者に必要なのは、デジタルシフトの重要性を認識し、陣頭指揮して推進するという強い覚悟や意識変革です。そのためには、最新のITで何ができるようになっているのか、ビジネスをどう変えられるのかを把握しておけばいい。大切なのは、IT(デジタル)でできることはIT(デジタル)に任せて、人にしかできないことを増やしていくこと。これが少数精鋭の中小企業が目指すべき姿だと思います」

IT導入の効果がうまく得られた理由

※図版出典:中小企業庁「中小企業白書 2018年版」/三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」(2017年12月)

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