すべての教育の場からアクセスできる「学び」のプラットフォームを最高の仕事のために、プロは道具を選ぶべき

このコンテンツで読めること 教え方改革・学び方改革・働き方改革

人口減少による地方の過疎化や教員の不足。授業や課外活動による教員の長時間労働化。AI やロボティクスが実用化される社会に向けた教育の改革。様々な課題を抱える文教分野に対し、日本マイクロソフトは Microsoft 365 Education や Microsoft Azure 等のソリューションによる課題解決策を提案している。今回、「子どもの学び方改革」「先生の教え方改革」「学校での働き方改革」の3つをテーマに、日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 統括本部長の中井陽子氏に話を伺った。

未来に生きる「 Future-ready skills 」を育成

新学習指導要領の施行など、文教分野の環境変化に対して感じる課題は何でしょうか。

中井:テクノロジーの進化と共に社会が変化していく中で、国内外で活躍できる学生を育てていくことは教育の大きなテーマだと考えています。PCやスマートフォン等で誰もが世界中の情報にアクセスできるようになった今、ICT を活用した「子どもの学び方改革」「先生の教え方改革」は欠かせないものになっていくでしょう。また同時に、ICT 環境の整備により、授業の準備等の負担を軽減する「学校での働き方改革」を進めていくことが重要だと考えています。実際に文部科学省も「学校における働き方改革特別部会」を設置して、学校での働き方改革に取り組んでいます。
3つの改革を通して質の高い教育を実現していき、優秀な人材を生み出していくことは、日本の国力を豊かにすることにつながっていくことです。教育は未来への最大の投資。人こそが国にとって、地域にとって、貴重な資源という考え方が私達文教チームの根底にあります。質の高い教育によって生徒や学生が伸びていくことは、将来的な地域の活性化にもつながるものです。新しいビジネスの世界で価値のある仕事につき、活躍し、最終的に地域に戻ってきて、地方創生に貢献していく。それが豊かな未来を創る理想のサイクルではないでしょうか。

日本マイクロソフト株式会社 中井陽子氏

そうしたビジョンに対してマイクロソフトだからこそできる提案とは?

中井:IoT、ビッグデータ、AI、ロボティクス等のテクノロジーが進化していく中で、10年後、20年後、子どもたちが生きていく世界は大きく変わっていくでしょう。労働で人間が担っている部分がオートメーション化されていく経済社会において、人間としての価値を出していくことを考えた教育メソッドを提供してきたいと考えています。
そういった時代背景に対して、当社が全世界規模で進めている教育コンセプトが、「 6C 」をキーワードにした「 Future-ready skills 」の育成です。テクノロジーの進化と共に変化し続けるビジネスの世界において、6つのスキルを活用することで価値ある仕事をすることができ、企業の枠を超えて活躍ができる人材の育成を目指しています。

マイクロソフトが提唱する6つの Future-ready skills

One Way のコミュニケーションから、
One to Many のコミュニケーションへ

Future Ready Skills にもある「協働する力」や「コミュニケーション力」を伸ばしていくためには、どのような教育環境が必要でしょうか。

中井:従来型の授業をして、テストをして、理解度をはかるという教育も教科等によっては意義があるものだと思います。一方、ICT 機器を用いて考えを共有しながらチームでディスカッションしていき、1つのプランとして発表する。フィードバックを受け、より良いものにブラッシュアップしていく、という「協働学習」のプロセスから得られるものは大きいでしょう。2020年度には10年ぶりに小学校の学習指導要領が改定されますが、今後は主体的に学ぶ姿勢と協働作業の能力がより求められるようになっていきます。Microsoft 365 Education とWindows PC の活用で、協働作業を実現できるプラットフォームを提供し、子どもたちの学びを深めるサポートをすることが当社の役割であると考えています。

日本マイクロソフトが提供する学びのプラットホーム
日本マイクロソフトでは「子どもの学び方」「先生の教え方」「学校での働き方」それぞれの視点から、学びを支援するソリューションを用意。

Microsoft 365 Education を活用した学び方の具体例をご紹介ください。

中井:「子どもの学び方改革」「先生の教え方改革」という視点ですと、多人数がチャットベースでコミュニケーションできる「 Microsoft Teams 」によるグループワークは非常に評価が高いですね。クラウド上で数人の班をつくり、理科の実験・観察等の学習のテーマに対して、生徒一人ひとりが自由に発表していきます。生徒がアップロードしたコンテンツに対して先生がコメントをすると、班の生徒全員がそのやりとりを共有できます。他の生徒の考えや先生のリアクションを見ることで理解が深まり、考えを広げていくことができるのです。生徒の提出物に対して、先生が点数をつけて赤ペンでコメントをして返すという One Way のコミュニケーションに比べて、One to Many のコミュニケーションは、生徒の数だけ学習の幅が広がっていくというメリットがあります。
また東京都渋谷区の富士見丘学園様の事例では、中学校の新入生を対象に、1 人 1 台の 2 in 1 タブレットを用意し、教師の方が Microsoft 365 の「 OneNote クラスノートブック」や「 SharePoint Online 」を使って授業のインタラクティブ性を高める取り組みを進められています。

教育コンテンツのクラウド化で、教材準備に
かかる時間を短縮

「学校での働き方改革」という側面からはどういったメリットがありますか?

中井:労働力人口の減少による先生の不足、地方の過疎化が現実化していく中で、Microsoft 365 Education やMicrosoft Azure 等は課題解決につながるソリューションであると自負しております。例えば、評価の高い先生の授業を録画してクラウド上で公開すれば、どこの学校からでもアクセスが可能です。そういった教育コンテンツを蓄積していくことで、先生個人で授業の準備をする時間を効率化できますし、生徒にとってもよりレベルの高い教育を受けるチャンスにつながっていくでしょう。実際に、デジタルコンテンツ化された算数の教材等を用いることで、教材準備にかかる時間が大きく短縮されたという事例もあります。

大学等の研究機関でも Microsoft Azure の活用は広がっていますね。

中井:日本のような自然災害が多い地域では、知の集結である研究データをセキュアな状況に置くことはマストだと考えています。Microsoft Azure は国のガイドラインに準拠しており、高いセキュリティのもとで研究開発が行えるほか、データセンターも分散されているため、大きな災害が起きた際にも安心です。また、重要な研究データをクラウド化することで、今まで研究室の中に限られていた作業を家からでも出張先からも、どこからでも行うことができるようになったことは、大学で働く方々からも好評を得ています。

学びのグローバライゼーションに対してもマイクロソフトのソリューションは有用でしょうか?

中井:国内だけでなく海外に情報を提供していく基盤としても、セキュアなクラウドは欠かせないものとなってきています。また、以前は海外の大学に留学して語学のスキルを獲得するという流れもありましたが、現在はSkype for Business を用いてリアルタイムに海外の学生とディスカッションできる機会等も増えてきています。ICT環境を整えることで、海外の教育コンテンツを輸入したり、国内から海外の授業に参加することも可能になります。

ICT の活用で教育機関の壁や国境を超えた質の高い学びが可能になると話す中井氏
ICT の活用で教育機関の壁や国境を超えた質の高い学びが可能になると話す中井氏。

先生同士が教え合い、学び合うコミュニティを広げていく

教師が授業に ICT を効果的に取り入れていくための支援体制はありますか?

中井:マイクロソフトのソリューションを活用した学習を広めていくための支援プログラムとして、マイクロソフト認定教育イノベーター( Microsoft Innovative Educator:以下MIE )があります。MIEでは、PowerPoint によるプレゼンテーションやプログラミング等の様々なトレーニングコースを受けることが可能です。現在、日本国内で約2万人の先生がトレーニングを受けており、ICT教育の広まりと共に増加していっています。
また、MIE で実績を上げることで、先生に教える先生である MIE Expert に認定される制度もあります。先生の中の先生、という感じですね。国内では110名程の先生が認定されており、世界60以上の国の MIE Expert とオンライン上等で情報交換や教育コンテンツの共有をしています。今年、シンガポールで開催された MIE Expert のミーティングに日本からも数名の方が参加されました。

グローバルレベルで情報交換ができるのは素晴らしいですね。国内でもそういったコミュニティは広がっているのでしょうか。

中井:2020年から小学校でプログラミングが必修化されますが、プログラミングを専門分野とする先生がMinecraft(マインクラフト)を用いて行った授業がコンテンツ化され、クラウド上で共有されています。公開されたコンテンツを先生方が個々にブラッシュアップし、授業で展開するという流れも特徴的です。ICT の活用で、地域や年代を超えて先生同士が教え合い、学び合うことで新しい教育のスタイルが生まれていく。そういった教育の場づくりにも積極的に貢献していければと願っております。

マイクロソフトがグローバルで展開する教師のコミュニティである MIE
マイクロソフトがグローバルで展開する教師のコミュニティである MIE。現在日本では約2万3000名が参加。マイクロソフトでは今後、日本での登録者数を2022年までに10万名まで拡大したい考えだ。

世代を超えて、最高の学びが得られる
教育ソリューションを提供していく

今後の展望をお聞かせください。

中井:学校に限らず、学びの場がもっと多様化していくべきだと考えています。例えば、私のような働く世代でも「新しいことを学んでいきたい」という意欲は常にあるものですし、学ぶことがモチベーションとなり、人間として成長し続ける原動力になっていくものではないでしょうか。シームレスで場所を選ばない学びの環境というものが、日本のグローバライゼーションを加速させていくと考えています。今後は学校だけではなく、図書館・美術館・博物館等のすべての教育の場・学びの場からアクセスできる「学び」のプラットフォームを構築し、最高の学びが得られる教育ソリューションを提供できるよう取り組んでいきたいと思います。

デジタル時代の「学び」のプラットフォームのあるべき姿について語ってくれた中井氏
デジタル時代の「学び」のプラットフォームのあるべき姿について語ってくれた中井氏。

関連リンク

日本マイクロソフトの教育ソリューション
https://www.microsoft.com/ja-jp/education
Microsoft 365 Education
https://www.microsoft.com/ja-jp/education/buy-license/microsoft365/default.aspx
マイクロソフト認定教育イノベーター( MIE )
https://education.microsoft.com/microsoft-innovative-educator-programs/mie
導入事例:学校法人富士見丘学園様
https://customers.microsoft.com/ja-jp/story/fujimigaoka
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