デジタルプロフェッショナルが選ぶデバイス

その PC はあなたの時間を奪っていないか?

ビジネスの必須ツールである PC が故障したり、動きが遅くなったりすれば仕事の生産性は大きく落ちる。だが果たしてどれくらいの影響があるのか? マイクロソフトが実施した最新の調査( Teck Aisle Aug 2018 )によれば、4年前の PC は最新の PC と比べ年間129時間ものロスが発生するという。そして 2020年1月14日には Windows 7 の延長サポートが終了する。今こそ最新のデバイスを手に入れ、仕事を変えるチャンスだ。そのアプローチを調査データから紐解いていこう。

アジア圏を対象とした マーケット調査から
浮き彫りになる日本の実態

2018年8月にマイクロソフトがアジア圏で従業員数1,000名以下の SMB 企業2,156社(日本は355社)に対してリサーチした調査結果によれば、企業の85%が4年以上前の PC を所有しており、所有する全 PC 中、実に41%が4年以上経過した古いデバイス、となっている。また、PC の平均買い替え年数は5.4年との回答が得られた。(図1)

企業における PC 買い替えサイクルが5年というのは、特段驚くことではないのは確かだ。だが、国別の状況を精査していくと、その印象が変わってくる。

図1:SMB(従業員1,000名未満法人)のPCマーケット事情

調査データをドリルダウンし、アジア近隣諸国と比較してみよう。4年以上経過した古い PC が企業の全所有 PC に占める割合では、インド20%、オーストラリア37%、インドネシア38%、韓国38%と続く。そして日本は40%で、最も高い割合を占めている。(図2)

また、PC 買い替えの期間では、韓国が最も長く5.52年。インド4.46年、オーストラリア4.75年、インドネシア5.12年、となっており、日本の5.4年は韓国に続き2番目に長いことになる。

興味深いのが、PC 買い替えを検討していると回答する企業は全体の66%と高いものの、実に60%が「 PC買い替えに関する基準がない、あっても遵守できていない」と回答している点だ(図1)。この辺りに日本の中堅中小企業においても PC 買い替えが進まない、進められない理由があるのではないだろうか。

図2:SMB保有PC アジア各国比較

古い PC を利用し続けるデメリットは
生産性とコストに現れる

では、古いPCを利用し続けるといったいどんなデメリットがあるのか? まずは生産性の観点から見ていこう。

購入から4年以上が経過した PC は、4年未満の PC と比較すると故障率が約3.4倍、修理コストは1.5倍にも上る。そして、古い PC は新しい PC に比べパフォーマンスが劣ることに加えて、修理期間中に使えないことも換算すると、年間で約129時間もの時間をロスする。これは新しい PC と比較すると2.4倍の生産性の喪失となる。(図3)

日々の業務効率化が叫ばれる中、人的リソースの限られる SMB にとってこの数字は致命的とも思える。さらには、日々の仕事の生産性という観点からも、自分の PC が故障して交換を余儀なくされたり、不調で思うように業務が進められないストレスはかなりの懸念材料と言えるだろう。

一方で、コストの観点からはどうだろうか? 試算によれば、4年以上前の古い PC を所有することは、年間349,983円程度のコスト増につながる。これは、新しい PC が2台以上購入できる額に等しい。

生産性だけでなく、コストの観点から見ても、もはや古い PC を所有し続けることはマイナス要素でしかないと言えるだろう。

図3:古いPC利用のデメリット-生産性・コスト面

Windows 7 のセキュリティ更新プログラム
提供が2020年1月で終了

古いPCを利用し続けるデメリットはこれだけに留まらない。セキュリティの観点からもかなり深刻な事態をもたらすことは明らかだ。SMB の16%が過去1年以内に、データの盗用を含むセキュリティ関連の被害を経験している。これは報告された数値で、報告外の被害を含めると実態としては46%以上とされる。

SMB のセキュリティ上の懸念事項トップ5は以下の通りだ(図4)。これらのうち、人的要因は別としても、OS、デバイスなどの環境を最新に保つことで防止できる事項は多い。2020年1月の Windows 7 延長サポート終了以降はセキュリティ更新プログラムの提供が行われなくなることを踏まえると、もはや躊躇している状況ではないと言えるだろう。

図4:セキュリティ上の懸念事項 TOP5

企業ユース PCの 買い替えを後押しする
最大要因はパフォーマンス

それでは、PC を買い替える際に、検討すべき優先順位は何だろうか? ここでは興味深い回答が得られた。(図5)

セキュリティが予想通り61%と高い結果だが、パフォーマンスが70%とそれを上回っているのだ。PC はほぼ社員全員が使用し、日々の業務に直結するデバイスであるだけに、業務効率、生産性の観点から決断する企業が多いのは、社員の立場から見ても納得の結果ではないだろうか。

労働人口が減少し働き方改革が叫ばれる中、古い PC から新しい PC への買い替えは、生産性の向上、コスト削減、セキュリティの堅持に加えて、仕事のモチベーションを高める効果ももたらす、企業の成長のために欠かせない「戦略的投資」と考えるべきだ。

「 PC は会社が与えてくれるもの」という認識が一般的だとは思うが、経営層は現場で使われる IT にまで関心が行き届かなかったり、情報システム部門は新たなシステム開発などに忙殺され、社員の生産性に直結する PC の刷新になかなか手が回らない場合もある。であればこそ、Windows 7 の延長サポート終了まで2年を切った今、業務効率を高める最新デバイスへの買い替えを自分事として捉え、PC 調達を担当する部署や情報システム部門などにも積極的に働きかけていくべきだろう。

図5:SMBの新PC導入要因 TOP3
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