渋谷とスマホが生み出す今までにないeスポーツ
盤石な5Gが新たなエンタメを後方支援! 東京・渋谷を舞台に開催されたeスポーツイベント「DIG INTO GOOD GAMES SHIBUYA TRYOUT」では、スマートフォンとeスポーツ、そして5Gの融合が試された。当日の模様と関係者の発言を通して、eスポーツが秘めるパワーをたっぷりとお届けしよう。
 東京・渋谷を舞台に開催されたeスポーツイベント「DIG INTO GOOD GAMES SHIBUYA TRYOUT」では、スマートフォンとeスポーツ、そして5Gの融合が試された。当日の模様と関係者の発言を通して、eスポーツが秘めるパワーをたっぷりとお届けしよう。

「TRYOUT」と冠してさまざまなことにチャレンジ

  2018年3月に東京・豊洲でローンチパーティを開催したeスポーツイベント「DIG INTO GOOD GAMES(DIGG)」。その第2弾となる「DIG INTO GOOD GAMES SHIBUYA TRYOUT」が、2018年10月7日に東京・渋谷で開催された。

 今回のイベントには、ローンチパーティとは異なる2つの特徴がある。ひとつは「SHIBUYA TRYOUT」と銘打ち、渋谷駅の南側に今年9月に開業したばかりの複合施設・渋谷ストリームを会場に選んだこと。もうひとつは、eスポーツの主流であるパソコンやPlayStation 4(PS4)をはじめとする家庭用ゲーム機ではなく、スマートフォンのゲームタイトル「FORTNITE」を採用したことだ。誰もが気軽に参加できる環境を作ることで、若い世代はもちろん、より幅広いユーザーへのアプローチを意識していることが見て取れる。

DIG INTO GOOD GAMES SHIBUYA TRYOUTの様子

 DIGGの実行委員会メンバーであるNTTドコモは、前回のローンチパーティに続いて参画。とくに今回は、オンラインでリアルタイムに通信しながら遊ぶゲームタイトルが採用されていることから、イベント運営のみならずインフラ周りの充実したサポートでも大きな役割を担った。

 イベントにはモデルの成田まいさんに同行してもらい、さまざまな関係者にインタビューを敢行した。まず最初にNTTドコモ コンシューマビジネス推進部デジタルコンテンツサービス・ゲームビジネス担当の瀬崎隆明氏、同じくNTTドコモ 無線アクセスネットワーク部Wi-Fi企画・Wi-Fiビジネス担当の玉城博之氏に、イベントの狙いやNTTドコモの役割について聞いた。

イベントに同行したモデルの成田まいさん。会場ではバンダイナムコエンターテインメントの「ブラック・クローバー カルテットナイツ」のデモも行われた




イベントレポート
の動画はこちら。



――今回のイベントの意義を教えてください。

瀬崎氏 「TRYOUT」には「試験興行」という意味がありますが、今回はさまざまなチャレンジに取り組んでいるのが特徴です。例えば若者が多く集まる象徴的な街である渋谷で、スマートフォンのみのeスポーツ大会を実施するという点が挙げられます。それ以外には、イベントを有料で開催したのも重要なポイントでしょう。他のイベントも含めて、これまではさまざまな問題から有料開催はそんなにありませんでしたが、「まずは1回やってみよう」ということでチャレンジしてみました。

NTTドコモの瀬崎氏

 参加者が自分のスマートフォンを使って参加できる点にも注目してほしいですね。最近は市民マラソンがとても人気ですが、それと同じイメージで日頃から利用しているアイテムをそのまま使って気軽に試合へ参加できるような仕組みを用意できれば、イベントと参加者の関係性がもっと身近になり、接点もぐんと増えていくと感じています。

――NTTドコモとして新たに取り組んだことは何でしょうか。

玉城氏 今回はスマートフォンのゲームタイトルを採用したことから、アプリのダウンロード時に発生する大容量通信と、ゲーム対戦時における快適な通信を滞りなく提供する必要がありました。その対策として、5Gを組み合わせたWi-Fiの環境を用意しました。これは、次世代ネットワークとゲームの相性を検証している側面もあります。

 もうひとつ、無料の共通ID「dアカウント」をWi-Fi接続の認証に採用しています。これにより、NTTドコモの回線契約をお持ちでない方にも幅広くNTTドコモの安全なWi-Fiサービスをご利用いただく事が可能となります。DIGGのようなイベントであれば、Wi-Fiに接続した来場者に対し特典を提供するなどのサービスが考えられます。

NTTドコモの玉城氏

――eスポーツには、今後どのようなネットワークが必要になっていくと思いますか。

玉城氏 各プレイヤーの画面表示にタイムラグを生じさせないことに必要な「低遅延」、バトルロワイヤルのように同時に大人数が参加するゲームを可能とする「多接続」、必要な通信速度を確保しながら途切れることのない「安定性」を実現するネットワークが必要だと考えています。

現地に設置された5G無線基地局

――なるほど。では今後、eスポーツはどのように成長していくべきでしょうか。

瀬崎氏 さまざまな人やサービス、企業が一緒になって取り組んでいくことが必要です。そもそもNTTドコモはコミュニケーションをサポートする企業ですから、そこに注目してより豊かなコミュニケーションを提供できるようなモノやサービスに対して、積極的に協力していきたいですね。

 例えば今回はリラックスソファの「Yogibo Japan」やゲームシーンをサポートする「GRAPHT」などが協賛企業として参加してくれました。自宅のクッションでくつろぎながら、カッコいいヘッドホンをしてスマホゲームを家族や友だちと一緒に楽しむ。そういったライフスタイルはとても魅力的です。もしかしたら今後は食品メーカーなどのeスポーツとはあまり関連性のない企業とのコラボもあるかもしれません。NTTドコモとして何ができるのか――そういったところを今後のイベントなどを通じて見つけていきたいと思います。

 続いては、イベントの企画・運営をサポートした渋谷未来デザイン 理事/プロジェクトデザイナーの金山淳吾氏、実況・解説を担当したトンピ?さん、ゲストとして登場したプロゲーミングストリーマー集団「父ノ背中」のけんきさんとはつめさんの声を紹介しよう。

――実際に携わってみて、eスポーツにどのような魅力を感じましたか。

金山氏 とても大きな可能性を秘めています。例えば、障害者と健常者が同じスポーツを一緒にプレイすることはとても難しいですが、eスポーツであれば技術次第で誰もが同じ土俵で勝負できると思います。eスポーツが世代を超えるコンテンツであるのはもちろん、障害と健常という視点で見ると、ダイバーシティ&インクルージョンというキーワードにすごくマッチしている産業なのではないでしょうか。

愛娘と一緒に参加した渋谷未来デザインの金山淳吾氏

 また、eスポーツのカルチャーが育っていくと、選手だけでなくそれをマネージメントするチームや監督、チームサポーターもどんどん増えてくるでしょう。さらにその影響で新しいゲームを生み出すゲームクリエイターやゲームプロデューサーが生まれたりと、多様な職業の選択肢を提供できる環境が広がっていくのではないかと思っています。

――ゲーム実況のプロから見て、eスポーツはこれからどのように盛り上がっていくと思いますか。

トンピ?さん 現状のeスポーツは、ゲームを作ったりイベントを運営したりする「パブリッシャー」、プロゲーマーなどとしてゲームをプレイする「プレーヤー」、イベント会場や動画などでゲームを観戦する「ビューワー」の三角関係で成り立っています。この三角関係の軸を上手く活かしながら、より連携力を強めていくことでeスポーツはもっと成長していくと思っています。

 最近は多くの大会が開催されているものの、プレーヤー個人にまで深掘りされている状況にあるとはいえません。企業なり観客なりがプレーヤーにまで興味を持つようになると、サッカーや野球と同様にプレーヤーが名前入りのユニフォームを着るようになり、誰と誰が戦っていてその人を応援するという構図もできてくるでしょう。そういった部分を今後どんどん強化してくと、eスポーツがもっと広がっていくと思います。

 サッカーのメッシやネイマールと同じぐらいの知名度を誇るスタープレーヤーが、ぜひ日本のeスポーツ業界から出てきてほしい。そのためにもeスポーツを観戦する際にはゲームの映像だけでなく、プレーヤーにも注目しながら見てもらえるとうれしいです。

eスポーツの未来と夢を語るトンピ?氏

――プロゲーマーの視点から、スマホゲームでのeスポーツの可能性をどのように感じていますか。

けんきさん 大きなアドバンテージは、何と言ってもデバイスの「普及率」です。これまでのeスポーツはパソコンや据え置きのゲーム機が主なデバイスでしたが、スマートフォンは日本人の8割近くが持っていると言われるほど普及しています。既存のゲーム市場の何十倍あるいは何百倍にもなるといわれているだけに、スマートフォンがeスポーツに入ってくることは、ユーザーも同様の規模で拡大することを意味しています。これは非常に大きなチャンスだと思います。

「父ノ背中」に所属するけんきさん(左)とはつめさん(右)

 一方、スマートフォンでゲームをプレイする場合には操作性にどうしても限界があり、そこがひとつ課題だと思っています。しかし、逆にスマートフォンに向いているジャンルもあります。例えば最近注目されている「マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ」(以下MOBA)は、そのジャンルのひとつです。MOBAのゲームは直感的に画面をタッチする操作がもっともしやすいことから、スマホ版eスポーツとして今後どんどん伸びていくのではないでしょうか。

――eスポーツはどうやって楽しむのがお勧めですか?

はつめさん まずは、自分のお気に入りのプレーヤーを見つけることでしょうか。「好きなキャラクターを使っているから」「プレーヤーの顔が好きだから」など、きっかけは何でもかまいません。お気に入りのプレーヤーを見つけたら、その人のプレーを楽しむのはもちろん、その人が成長していく過程も楽しめるのではないかと思います。最初はあまり勝てなかったプレーヤーが、自分が応援し始めてから初めて大会で優勝したり、あるいは負けて悔しがっていたりと、プレーヤーのストーリーを一緒になって追いかけられるとeスポーツはなおさら面白くなってきます。

――今後、NTTドコモにどんなことを期待しますか。

金山氏 DIGGを定期的に開催されるビッグイベントに成長させてほしいですね。渋谷に来る人たちは若い世代が多いですが、ファッションが好きだったり音楽が好きだったりと、クリエイティブ感度がとても高い人たちが多いと感じています。そこで次回以降は、ファッションや音楽、あるいはデジタルエンターテインメントなどとeスポーツを組み合わせ、参加選手を応援するファンをサポートするような仕組みを作ってもらえることを期待しています。そしていつの日か渋谷が「eスポーツの聖地」と呼ばれるようになれば、こんなにうれしいことはありません。

トンピ?さん やはり「インフラ整備」でしょう。最近のスマホアクションゲームはリアルタイムで友だちと一緒にプレイするものも増えており、バトルでのラグ発生がしばしばあります。とくに、電波の届きにくい地下鉄などではなかなかスムーズに遊べません。そういった環境でのインフラ整備をしっかり強化してもらい、地下鉄でもスムーズにFORTNITEが楽しめるようになると、自分としては非常にうれしいですね。

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