いよいよ5G活用が現実ゾーンへ
5G Tokyo Bay Summit 2018から見えたワクワク感

 2020年のサービス開始に向け、NTTドコモは“5Gで変わる社会”を念頭に置きながら5Gの研究開発に取り組んでいる。「ワイヤレス・テクノロジー・パーク」にてNTTドコモが主催した「5G Tokyo Bay Summit 2018」では各パートナーとの協創が数多く展示され、心躍る未来を体感することができた。5G活用を前提としたテクノロジー、その現在地点を探る。
 豊富なアセットを用いてスポーツ産業の市場拡大に貢献する――こうしたビジョンのもと、NTTドコモは2017年7月に「スポーツ&ライブビジネス推進室」を新設し、次々とユニークな取り組みを展開している。今回紹介するのは北欧のIT大国、ラトビアが誇るベンチャーとの協業。そこには、スポーツの未来を切り拓こうとする力強い思いがあった。

驚きのソニー製コンセプトカー、コマツは千葉にあるブルドーザーを遠隔操作

 5G Tokyo Bay Summit 2018で注目を集めた5G活用ソリューションを紹介していこう。最も目立つ位置に配置されていたのが、ソニー製のコンセプトカー。「5Gニューコンセプトカート」と名付けられたそれは、“走るスマートフォン”をイメージしたもの。4Kの超高感度のカメラを4台搭載、走りながら360度に渡って高精細な映像を撮影し、リアルタイムで車内の4Kディスプレイに映し出す。

ソニーとのコラボによる5Gニューコンセプトカート。運転席がなく、乗車スペースだけを用意している。今回のデモは違ったが、ゆくゆくは遠隔運転も目指したいという(左)。車内の4Kディスプレイに高精細な映像が表示される(右)

 5G は4K映像の転送に利用されているが、この手法が確立されれば遠隔地で撮影した4K映像をリアルタイムで飛ばして表示することができる。さらにその先には遠隔運転にもトライしたいという。そもそもカート自体にハンドルがなく、他者による運転を想定して作られている。参考出展とは言えソニー製のコンセプトカーに驚くとともに、5Gが境界領域の架け橋になっていることを実感させられる体験でもあった。

 NTTドコモ 5Gイノベーション推進室 室長の中村武宏氏は「これまで付き合いの深かった産業分野だけではなく、建設、設計、自動車など5Gが活躍する分野は非常に多岐に渡ります。『ドコモ5Gオープンパートナープログラム』も好調で、法人ビジネス部門も盛り上がっています。いろんな可能性を持った企業や要素技術を発見し、うまく橋渡ししていきたいですね」と語る。

NTTドコモの中村氏

 これまでにない分野の象徴として際立っていたのが、建設機械大手のコマツだ。同社が披露したデモは、5G回線を利用し、千葉県千葉市美浜区にある「コマツIoTセンタ 東京」に配置した無人ブルドーザーを、東京都江東区有明の東京ビッグサイトから遠隔制御するというもの。

5Gを活用したブルドーザーの遠隔操作の様子。手元のジョイスティックで画面を見ながら制御する(左)。ブルドーザー頭部に設置した四角いボックスが5G端末(右)

 東京ビッグサイトとIoTセンタ間は直線距離で26 km離れており、この区間は光ファイバーの専用線で結び、IoTセンタの現場内を5G接続している。しかし目の前のディスプレイで遅延なくブルドーザーが動く様子を目の当たりにすると、一気に未来の世界へ足を踏み入れた気分になる。

 この遠隔操作にICTを活用したコマツのソリューション「スマートコンストラクション」を組み合わせ、建設現場の人材不足解消や労働技術の平準化を図るのが狙いだ。高い視認性を確保するため、ブルドーザーの頭部に4台のカメラを設置しているのだが、コマツ担当者は「映像と制御信号の伝達の遅延性が、操作する上で重要」と話す。そこで大容量・低遅延の通信である5Gに着目し、早くからドコモと一緒に実証実験に取り組んできた。この日のデモを見る限り、実用化に向けて順調に進んでいると思われる。

 双方向コンテンツ配信分野の先進的なクラウドコンピューティング技術を主力とするユビタスは、初参加組ながらインパクトを残した。同社の「クラウドゲーミング」は、何百ミリ秒の遅延も許されないシビアなオンラインゲームの世界で高い評価を得ているソリューション。この環境で培った経験を応用し、独自開発のミドルウエアとGPUサーバーの組み合わせにより、ネットワーク上のソフトウエアやデバイスを低遅延で遠隔操作することに成功した。

ユビタス セールスバイスプレジデントの春日伸弥氏

 「ゲームの世界で鍛えられたノウハウと5Gをかけ合わせ、IoTやさまざまな遠隔操作の中で活用してほしいと考えました。回線が超高速・大容量・低遅延でも、“中間”がボトルネックになってしまっては意味がありませんから。

 映像表示はVRのHMDでもスマホでもPCでも、どんな端末でも対応可能です。GPUサーバーで処理するため、かなり重いデータでも端末のスペックに依存しません。加えてどんな処理をすればいいのかといった知見も数多く蓄積しています。その点も当社のアドバンテージです」(同社セールスバイスプレジデントの春日伸弥氏)

 ユビタスには、未来協創Labを運営するドコモ・イノベーションビレッジの母体、NTTドコモ・ベンチャーズが出資している。先に紹介したクレッセントのように、5Gを通じてまた強力な協創が生まれることを期待したい。

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