政令市・中核市CIOフォーラム 変わる自治体 突破を拓くテクノロジー

CRMの技術とノウハウを活かし住民ファーストの行政サービスを実現

ICTを活用した地方自治体の電子化ニーズが高まっている。広く普及したスマートフォンで行政情報の入手や電子申請が可能になれば、住民の利便性は大きく向上する。自治体業務の効率化という点でもメリットは大きい。一方、数多くの個人情報を管理する自治体には厳格なセキュリティが求められる。住民ニーズを直ちに形にする俊敏性や簡素な操作性も重要な要件だ。これを実現するのが、セールスフォース・ドットコムのクラウド型CRMソリューションである。先進自治体ではこれを活用した“住民ファースト”の行政サービスがすでに始まっている。

CRMの「C」はシチズン

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株式会社セールスフォース・ドットコム
執行役員
公共・公益営業本部
公共営業部長
小暮 剛史氏

国が進めるデジタル・ガバメントへの対応に加え、2016年12月に施行された「官民データ活用推進基本法」に則った活動をする上でも、自治体におけるデジタル化の取り組みは必須となっている。
 自治体のデジタル化を推進する上で考慮すべき事項は「セキュリティ」である。自治体は厳格な管理が求められる住民情報を数多く扱っており、情報の流出・紛失は絶対にあってはならない。これが新しい技術やサービスへの対応を慎重にさせる理由だ。業務は各課や政策分野ごとに進められるため、システムやデータがサイロ化し、組織間連携が取りにくいことも対応を難しくするケースも多い。また、運用上の課題もある。自治体のICT担当者は他業務と兼任になっているケースが少なくない。新たなシステムを導入すると、その運用管理の負担が重くのしかかる。
 こうした課題解決に向けて、セールスフォース・ドットコムが提供するのが「地方自治体向けクラウドソリューション」である。グローバルで広く利用されている企業向けCRMソリューションをベースに開発した、地方自治体と住民との接点を強化するクラウドサービスだ。
 「CRMソリューションの『C』は顧客や消費者を表すCustomer(カスタマー)のことですが、自治体に置き換えれば住民を表すCitizen(シチズン)に該当します。顧客でも住民でもサービスの受け手であるエンドユーザーという点では同じ。CRMソリューションで培った技術・ノウハウは、自治体業務にマッチした住民向けサービスの開発・提供にも活かせます」と語るのは、同社の小暮剛史氏。
 多様な機能を網羅したプラットフォームをサービスとして利用できることは、システムやデータのサイロ化を脱し、部門の壁を超えた情報連携を加速できるという。
「社会的関心が高まっている介護・子育てに関する情報やサービスの提供、防災情報の共有、観光振興や地方創生に向けた地域活性化支援などに活用すれば、住民とのエンゲージメントを強化できます」(小暮氏)。
 あらゆる関連情報を1つのプラットフォームに集約できるため、職員の業務生産性の向上も期待できる。しかも、クラウドサービスなので、インフラの導入や保守の手間は不要だ。サービスとしてすぐに利用を開始でき、運用管理に人とコストを割かずに済む。

LGWAN対応したクラウドソリューションを提供

高い安全性・信頼性も大きな強みである。地方自治体向けクラウドソリューションは、総合行政ネットワーク「LGWAN」経由でサービスを提供する。さらに「インターネットと分離した環境で利用できるため、外部からのサイバー攻撃や情報流出のリスクが極めて低い」と小暮氏は続ける。
 またサービスの基盤となるデータセンターは東京と関西にあり、国内のお客様にデータを国内に格納する選択肢を提供する。総務省が推進する地域情報プラットフォームにも準拠し、異なる情報システム間でのシームレスなデータのやり取りも可能だ。「行政・民間を問わず地域の様々なサービスとも連携でき、柔軟性・拡張性も高い」(小暮氏)。
 高い安全性・信頼性も大きな強みとして、セールスフォース・ドットコムのCRMソリューションは、世界の政府機関や自治体で数多くの採用実績がある。もちろん、国内でも活用が進んでいる。内閣府が実現した「ぴったりサービス」もその1つだ。これはマイナンバー制度に基づくオンラインサービス「マイナポータル」に関連し新たに提供する電子申請サービス。日本全国1741の地方公共団体が提供する電子申請サービスを横断的に検索し、比較しながら申請することができる。まずは行政サービスとしてニーズの高い「子育て分野」のサービスを2017年7月に開始した。俊敏性の高いSalesforceのプラットフォームを活用することで、開発着手からわずか6カ月という短期間で稼働を開始できたという。今後は順次サービスを拡大していく予定だ。

住民生活総合支援アプリ「i-Blend」

機能コンポーネントを組み合わせるだけのノンコーディングで、様々な生活総合支援アプリを構築することが可能だ。アプリの追加・改修も容易に行えるため、市民の声を反映してサービスを継続的に進化させていくことができる

生活総合支援アプリで住民サービスを向上

セールスフォース・ドットコムのCRMソリューションは、サービスの開発・提供も容易に行える。両備システムズがセールスフォース ・ドットコムが提供するビジネスアプリのマーケットプレイスSalesforce AppExchange上で提供する住民生活総合支援アプリ「i-Blend」もその1つだ。「用意されている機能コンポーネントを組み合わせることで“作らずに作る”アプリ開発が可能です。介護、子育て、防災など幅広い機能コンポーネントを活用することで、自治体職員が容易かつスピーディに住民生活総合支援アプリを作成・改変できるのです」と小暮氏はメリットを強調した。
 地方自治体ではi-Blendを活用した取り組みが進んでいる。例えば、茨城県守谷市は公式市民生活総合支援アプリ「Morinfo(もりんふぉ)」を実現。スマートフォンのカメラとGPS機能を活用し、市民が発見した道路の陥没や公園遊具の故障などを報告できるレポート投稿、県が実施する子育て応援パスポート事業のサービスをアプリで代用できる機能などのほか、ゴミの回収日情報や防災情報、教育情報の配信などに活用している。
 大阪府寝屋川市は市公式アプリ「もっと寝屋川」を実現。市が運営する一時預かり保育施設の予約サービス、電子母子手帳、観光情報の発信、防災・防犯の支援機能などを提供している。市民目線のサービスは好評を博し、稼働からわずか1カ月で当初目標の3分の1近い3000ダウンロード超を突破したという。
 地域情報プラットフォームに準拠した地方自治体向けクラウドソリューションは自治体同士の連携強化にも大きな効果を発揮する。「ある自治体での成功モデルを元に、他の自治体でも同様のサービスを展開することも弊社プラットフォームを活用すれば容易に行えます。こうした活動が広がりを見せれば、住民サービスの向上に向けた自治体の取り組みが全国規模で広がっていくでしょう」と小暮氏は話す。今後は自治体職員を対象にしたユーザー会を作り、自治体同士の連携強化に貢献することも考えているという。

【お問い合わせ】
株式会社セールスフォース・ドットコム
https://www.salesforce.com/jp/
TEL:0120-733-257

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