日経 xTECH Special

X線CTでも全数検査が可能

ZEISS VoluMax

 研究開発のラボなどで検査するのに適したZEISS METROTOMに対し、もう一つのX線CTソリューションのZEISS VoluMaxは生産ラインの中に組み込んで検査できる装置だ。JIMTOF2018のブースのステージではその特徴を生かした事例として、自動車のシリンダーヘッドの全数検査のケースを紹介した。

 アルミ鋳造で作るシリンダーヘッドには、シリンダーの脇に冷却水を流す溝が切り込まれている。その切り込みの加工が不十分で、位置がずれていたり、切粉などの異物が入り込んでいたりすると、十分な冷却性能を発揮できないため不良品となってしまう。しかし、不良品が発覚するのは後工程に移ってからであり、そこに至るまでの工程で行った作業が無駄になることもある。それを防ぐためにも、次の工程に流す前に全数検査を行うのが有効なのだ。

 ラインに組み込めるZEISS VoluMaxは約90秒でスキャンを行い、合否判定に必要なデータを提供するため、ラインのタクトタイムに影響を与えることなく全数検査を行うことができる。これにより、検査に合格したワークだけ次の加工を行うようになるため、生産効率の向上を図ることができるのだ。

カールツァイス マネジャー竹田 和博氏に聞いた/カールツァイスが支持される理由

竹田氏
カールツァイス マネジャー
竹田和博

 カールツァイスがこうしたソリューションを提供できるのは、ZEISS METROTOMやZEISS VoluMaxという装置を製造しているからだけではありません。測定の対象や用途によって装置の最適な設定など使い方は変わってくるので、共通化されたノウハウは存在しない。個々のケースに最適化したノウハウは、X線CTを10年近く手がけてきたカールツァイスにしかなく、それが装置を使いこなすために必要となってくるのです。

 装置というハードウエアとそれを使いこなしていくノウハウの両方を持ち合わせていることが、弊社のソリューションが製造業で広く支持される理由だと考えています。

データ管理はスマホ対応に

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 同社はX線CT装置の他に、マルチセンサ測定機の「ZEISS O-INSPECT」や非接触式の三次元デジタイザの「ZEISS COMET」、測定データ管理システムの「ZEISS PiWeb」や表面形状解析システムの「ZEISS SmartProof 5」も展示。

 ZEISS O-INSPECTには回転しながらスキャンする機能が追加され、ZEISS PiWebではスマホなどにも対応したクラウド版を参考出展した。顕微鏡の技術を応用したZEISS SmartProof 5は、今回のJIMTOF2018のテーマの一つである金属3Dプリンターの活用で、素材の分析に応用できることを紹介するなど、製造業のトレンドを踏まえて同社のソリューションも進化していることをアピールした。

ペーター氏
Carl Zeiss Industrielle Messtechnik GmbH
社長 兼 CEO
ヨッヘン・ペーター

 また、ブースにはCarl Zeiss Industrielle Messtechnik GmbH 社長 兼 CEO ヨッヘン・ペーター氏も立ち、実際にブースを見回り、来場者に自らソリューションを紹介する光景も見られた。

 他にも日経 xTECH Specialにて会場のみに公開された特設サイトをタブレットで見せたり、VR(Virtual Reality)を使って映像を流したりと来場者の足を止めるような展示もしていたカールツァイスブース。

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 JIMTOF2018は過去最大の来場者を集めるなど、高精度のものづくりに対する製造業の関心は依然として高く、工作機械業界も高いレベルでの機能競争を繰り広げている。しかし高精度のものづくりは、加工自体だけでなく加工後の検査も高いレベルを追い求めなければ実現しない。高い検査精度を追い求める製造業の関心を引きつけたことが、JIMTOF2018でのカールツァイスブースの活況の背景にあるのだろう。

工作機械業界を支えるカールツァイスの測定機を一挙掲載!
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