ITモダナイゼーションSummit 2019

デジタル時代におけるメインフレームの
戦略的モダナイゼーション
~「2025年の崖」飛び越えるか、正しく降りるか~

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
インテリジェントソフトウェア エンジニアリング サービスグループ
アソシエイト・ディレクター
中野 恭秀

アクセンチュアは年次で発表しているテクノロジービジョンにおいて、2019年のトレンドのひとつとして「“DARQ”の力」を挙げた。DARQとは、Distributed Ledgers(分散型台帳技術)、Artificial Intelligence(人工知能)、Extended Reality(拡張現実)、Quantum Computing(量子コンピューティング)の技術をさしている。今後主流となるDARQの世界に適用するためには、ITモダナイゼーションは避けて通れない。

SMAC+DARQの世界に適用するため
ITモダナイゼーションは必須

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
インテリジェントソフトウェア エンジニアリング サービスグループ
アソシエイト・ディレクター
中野 恭秀

現在の主流であるSMAC(Social、Mobile、Analytics、Cloud)は、顧客体験をより深めるためにデジタルを活用する。それがDARQの世界になると、顧客を没入させるようなより深い体験へと進化し、2025年ごろには当たり前になるという。アクセンチュアの中野氏は、「ITモダナイゼーションは、レガシーの刷新だけでなく、目の前に迫るSMAC+DARQの世界に適用するために必要です」と指摘する。

テクノロジーの観点からみると、メインフレームはピークを過ぎ衰退期に入っている。一方でDARQの技術は、今後指数関数的な進化が予想される。そして、それがより明確になるのが2025年だ。「それが2025年の崖の理由です。壁ならば事前に察知し対応策を検討できますが、崖は突然くるので対応できません。システム部門が事前に手当てをしようと思っても、経営層が安定運用できているからとレガシーを放置すると、DARQに対応できなくなり崖から落ちてしまうのです」(中野氏)。

基幹系とデジタル系を両輪とし
ユーザー企業主導でDXを実現すべき

また、デジタルの世界は事業のライフサイクルが短いという特徴がある。製造業のような従来型ビジネスは、先行有利型で、よいものを作って大量生産システムを構築し、供給ルートを確立してシェアをとれば、成功が約束される。一方、デジタルの世界は競争が激しく、トライ&ラーニングで修正しながら、ごく一部の勝者のみが生き残る世界だ。中野氏は、このギャップについて「レガシーシステムの保守をしている方から見ると、そんな流行り廃りの激しいところに、長年安定稼働させてきた大切な基幹系業務を持っていけないと思われるでしょう。そこで、レガシー系は長いスパンで、デジタル系は短いスパンでというように、ライフサイクルを考えたインフラ設計が重要になります。これを車の両輪のように両立させながら全体を最適化する必要があります」と警鐘を鳴らす。

では、2025年には実際にメインフレームは消滅しているのだろうか。現在のメインフレーム市場を見ると、世界トップ10の保険会社のすべて、世界トップ100の銀行の92社、トップ25の航空会社のうち23社がメインフレームを利用しており、メインフレーム=古いという図式は必ずしもあてはまらない。しかし、メインフレームは、扱えるデータ量、処理スピードなどに限界がある。また、2010年以降フォーチュン500の企業のうち151社が消えているのも事実だ。「時代の流れを見ながら、その業界で生き残っていくためにどうすべきかを常に考えなければなりません。アクセンチュアは、そういう見方で分析し、DX実現をご支援していきます」と中野氏。

そこで重要になるのが、「守りを攻めに変える」ことだ。中野氏は、「これからは、CDO(Chief Data/Digital Officer)が重要になります。デジタルトランスフォーメーション(DX)は、CDOのもとユーザー企業が主導しなければなりません。日本のITプロフェッショナルの勤務先は、ベンダー7割、ユーザー企業3割ですが、これを逆転させる必要があります」と語る。

レガシー刷新の支援体制を整備するとともに
日本向けエコシステムでDX実現を強力にサポート

システム構造を転換するアプローチはいろいろあるが、重要なのはレガシーシステムを深く理解し、そのうえで構造転換のための絵姿を的確に描くことだ。レガシーには重要なSoR(System of Record)が残っており、取引先との連携など多くの個別仕様が組み込まれているので、簡単には捨てられない。しかも、レガシーマイグレーションには、これまで2000年問題、2007年問題(団塊の世代大量離職)の2つの波があり、現在まで残っているのは、その2つの波を潜り抜けた移行が難しいシステムだ。アクセンチュアは、この現状を理解し、レガシーシステム刷新に向けて支援体制を強化。20年以上レガシーシステムのオープン化に取り組んできたカルテック・エスキューブから知的財産譲渡を受け、20以上のプログラム言語に対応した変換ツールやノウハウを、アクセンチュアの力で拡大適用すべく体制を整えた。

中野氏は、カルテック・エスキューブのソリューションを活用し、唯一残ったメインフレームから脱却した事例を紹介。Javaで構築していた他のシステムと連携するため、COBOL to COBOLではなく、COBOL to Javaのリライトを、変換後のソースコードの保守性も担保したうえで実行した事例である。

その他にも、アクセンチュアは、ITモダナイゼーションを支える取り組みを進めている。アクセンチュアの大連デリバリー・センターでは、20~30代の若手約100名が、日本の保険会社のCOBOLアプリケーションの保守業務を担当。既存システムを活かしながら、最新技術を導入し、メインフレームモダナイゼーションをサポートしている。また、フィリピンには、オープン系COBOLのグローバルスタンダードであるマイクロフォーカスが認める、グローバルで最大規模のCOBOLファクトリーを持つ。

アクセンチュアの提供価値は、コンサルティング力、アセット、要員スケールだ。そのうえで、現存するモダナイゼーションが困難なレガシーシステムの刷新をより確実なものとするため、経験豊富なパートナーと強力なエコシステムを構築している。パートナーはグローバルリーダーだけでなく、日本固有のレガシーを深く理解する日本のベンダーにも及ぶ。最後に中野氏は、「アクセンチュアは、多くのパートナーと協力し、レガシーをリスペクトし深く理解しながら、DX実現に取り組んでいます。過去最大の投資をし、非常に難しいDXのための技術を日々蓄積しています」と語った。

お問い合わせ

アクセンチュア株式会社

www.accenture.com/jp

メールでのお問い合わせはこちら >> Info.Tokyo@accenture.com

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