ITインフラSummit 2019

エンタープライズ企業がコスト減とともに
「OLD」から「NEW」への移行を実現していくための
インフラ戦略とは?

アクセンチュア
テクノロジー コンサルティング本部
インテリジェントクラウド アンド インフラストラクチャー グループ
マネジング・ディレクター
戸賀 慶

「ITインフラSummit 2019 夏」のソリューション講演に登壇したアクセンチュアの戸賀氏は、「大規模向け“OLDからNEWへ移りながらコストを減らす”ソリューションの紹介」と題し、インフラの課題や解決策などを話した。

増大するITインフラ担当者の負担を
アウトソーシングの有効活用で軽減

アクセンチュア
テクノロジー コンサルティング本部
インテリジェントクラウド アンド
インフラストラクチャー グループ
マネジング・ディレクター
戸賀 慶

講演冒頭で「ITインフラ担当者の皆様、大変じゃないですか?」と問いかけた戸賀氏。ITインフラおよびそれらを支えるインフラエンジニアの現状と課題を総務省などの各種調査データ、アクセンチュアの当事者としての現場感覚などを交えつつ解説した。

まずはITインフラのマーケットが縮小しているデータを示した後、その主な原因としてクラウドの台頭を挙げた。「クラウドは国内では2013年からの5年間で24%増え、2017年時点で約57%の企業が使用するなど、利用が加速しています。提供範囲はアプリケーションのレイヤーまで広がり、サービス種類も増えています」(戸賀氏)。

次にクラウド台頭によってもたらされた大きな変化がITインフラエンジニアのスキル変化であると指摘した。「サーバーもネットワークもデータベースも、オンプレミスの場合は適切な機器の選定やサイジング、設定、チューニングなどのスキルが求められました。クラウドでは、各種サービスを把握し、それらの中から自社に最適なものを選び、最適な形で組み合わせられるスキルが求められます」と述べた。

ITインフラ最適化のアプローチについても、オンプレミスは要件定義から設計、構築、テスト、運用という流れであるのに対し、「要件を満たすサービスを選定した後、サービス仕様に基づいた利用・構築・テスト・切り替えと、継続的なSLA評価と見直しのサイクルを回します。選定と調整が基本になります」と比較した。

それらを踏まえ戸賀氏は「単純に“組み合わせ”といっても実際には困難です」と現状を指摘した。例えばAWSは主要サービスが165を超えるなど、クラウドサービス群は把握できないほど膨大な数に上り、なおかつ日々追加・改善されており、選定は難しいのが現実。その上、常にコスト圧力に晒されている。さらには、「New IT」のキャッチアップや人材シフトも欠かせない。

「このような実情のなか、ITコストの継続的な削減や運用費の平準化の要望に応えつつ、売上向上に大きく貢献するITの実現、最新技術の獲得と人材育成を同時に行うには、もはや自社だけでは限界です。アウトソーシングを有効活用して効率的に実施することが得策と言えるでしょう」(戸賀氏)

なお、アクセンチュアでは「New IT」を「デジタルエコノミーにおけるビジネスの変化のスピードへの対応に必須となるアジリティ(俊敏性)を備えたテクノロジー」と定義している。クラウドやIoTなどの新しいテクノロジー、DevOpsなどの最新の開発手法、次世代の開発方法論の3つが支える。

アウトソーシングで運用コスト削減
原資を確保し戦略的投資を推進

続けて戸賀氏は、アクセンチュアのアウトソーシングサービスを紹介した。「運用標準化・オートメーション化により運用コストを大幅削減」、「プロダクトに中立な立場から徹底的なIT合理化・高度化が可能」、「最新ITトレンドに基づくIT戦略策定・推進支援」といった3つの特長を強みに、コスト削減からIT変革までをワンストップでサポートする。

「お客様は短期施策として、当社のインフラ運用アウトソーシング導入によって運用コストを削減することで、戦略的投資に向けた原資の確保が可能となります。中長期的な施策として、その原資によって戦略的投資を行い、クラウド/デジタル環境の構築をはじめIT高度化を推進し、将来のビジネスを支えるインフラ高度化を実現します」と説明した戸賀氏。あわせて、IT変革への道のりの一例として、簡易診断スケジュールやシステムディーデリジェンスなど、各レイヤーの各フェーズにおけるサンプルもいくつか紹介した。

そして戸賀氏はアクセンチュアアウトソーシングサービスのフィナンシャルモデルの例を提示した。(A)現行運用を継続した場合の想定コスト、(B)アクセンチュアへの支払いベースの運用コスト、(C)実発生ベースの運用コストという3つの時系列グラフで構成されたモデルである。

「(A)と(B)の差額がアウトソーシングによるコスト削減効果です。この効果はアウトソーシング期間が長期になるほど大きくなります。一方、(B)と(C)の差に着目すると、最初に引継ぎコストが発生し、損益分岐点を超えて回収した後に、New ITに対応する原資が生まれる結果となります」(戸賀氏)

加えて戸賀氏は同モデルのアウトソーシングによるコスト削減効果とNew ITへの対応をより詳しく解説した。前者はI「オフショア領域の拡大」とⅡ「運用メンバーの効率アップおよびマルチスキル化」、Ⅲ「オートメーション化による自律運用推進」の3施策を軸とする。

「ⅠとⅡによって業務量あたりのコストを削減し、Ⅲによって業務量そのものを削減することで、トータルでコストを削減します」と説明した戸賀氏。New ITへの対応については、短期施策と中長期施策それぞれの具体例を挙げ、運用変革によるコスト削減、それによって捻出した原資をもととした継続的な戦略施策立案・推進のイメージを示した。

続けて、大手サービス・クレジット企業向け事例を紹介した。基幹/全社システムは従来、サービスとクレジットと共通システムでサイロ化しており、運用はそれぞれ別の業者にアウトソーシングしていたなど、非効率な開発・運用でコストが高止まりし、戦略投資に回せる予算はほぼゼロであった。

「そこで、運用のアウトソーシングをアクセンチュアに一本化し、オートメーション化やオフショア領域を8割に拡大などの効率化を実施しました。その結果、開発費は10~15%、運用費(労務)は35%、運用費(設備)は26%削減が可能となりました。それによって得た戦略的投資の原資を用いて、基盤のクラウド化やアプリのクラウドネイティブ化によるアジリティ向上、開発運用連携強化による開発サイクル迅速化などを推進しています」(戸賀氏)

講演の最後に戸賀氏は「ITインフラ担当者はいろいろ背負わされ、かつ、コスト削減への要求などで窮屈なものです。アウトソーシング有効活用などでブレイクし、少しでも前に進み、ともに明るい未来に変革していきましょう」と締めくくった。

※:システムが業務部門ごとに個別最適化されており、バラバラになっている状態

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