「働き方改革」を「働く場所変更」で終わらせないための仕組み〜導入企業の生産性を平均で約40%も向上させた「Asana(アサナ)」とは〜

効率や生産性を高める働き方改革の実現は待ったなしの状況にある。だが本当に仕事の進め方、やり方を変革するソリューションは存在するのだろうか。市場にはプロジェクト管理やタスク管理、PDCAを回すためのツールは多数存在するものの、真の意味で仕事のやり方を変革できるソリューションがあるかといわれれば疑問符が付く。こうした状況のなか、グローバルに評価が高まっているのが、ワークマネジメントプラットフォーム「Asana」だ。日本でも急速に普及が進むAsanaについて、Asana Japanの田村 元氏に、日経BP総研の桔梗原 富夫が話を聞いた(本文内敬称略)。

効率や生産性を高める働き方改革の実現は待ったなしの状況にある。だが本当に仕事の進め方、やり方を変革するソリューションは存在するのだろうか。市場にはプロジェクト管理やタスク管理、PDCAを回すためのツールは多数存在するものの、真の意味で仕事のやり方を変革できるソリューションがあるかといわれれば疑問符が付く。こうした状況のなか、グローバルに評価が高まっているのが、ワークマネジメントプラットフォーム「Asana」だ。日本でも急速に普及が進むAsanaについて、Asana Japanの田村 元氏に、日経BP総研の桔梗原 富夫が話を聞いた(本文内敬称略)。

あらゆる仕事の生産性を高めるワークマネジメントプラットフォーム

桔梗原早速ですが、Asana(アサナ)とはどのような企業なのか、簡単にお聞かせください。

田村Asanaは、Facebookの共同創業者であるダスティン・モスコビッツが、Facebookを去ったあと様々なテーマでの企業を検討したのちに、歴史上のどんなブレイクスルーも優秀な人たちがチームになって成し遂げたものであることに着目し、「世界中のあらゆるチームのコラボレーションを円滑にすることで、人類の繁栄に貢献する」というミッションを掲げて2008年に設立した企業です。業務効率や生産性を高めることを目的としたツール「Asana」を2012年から提供しています。顧客数は既に全世界で13万社以上を数えます。現在も毎月1万社の新規顧客を獲得しており、Airbnb、Dropbox、Slack、Uberといった話題の企業でもお使いいただいています。

Asana Japan株式会社 代表取締役カントリーマネージャー 田村 元氏

桔梗原 それだけ世界中で注目を集めているAsanaですが、いわゆるプロジェクト管理ツールという位置付けでよいのでしょうか。

田村少し異なります。チームにおけるプロジェクト管理に必要な機能をオールインワンで提供していることは確かですが、様々なアプリケーションと連携し、企業や組織内のあらゆる仕事を、すべてAsana上で行うことができるというのが最大の特長です。そのため当社ではAsanaを「ワークマネジメントプラットフォーム」と位置付けています。

桔梗原日本法人の設立に先行して、2018年にAsanaの日本語版をリリースしました。日本市場の手応えはいかがでしょうか。

田村おかげさまで順調に推移しています。実は日本語版がまだ存在しなかった2013〜14年ごろから日本には英語版のAsanaを有料プランでお使いいただいていたお客様が多くいらっしゃっていて、現在日本では既に800社を超えるお客様にAsanaの有料プランをお使いいただいています。日本のお客様にはAsanaを使いたいというニーズがかなり以前からあったのです。

桔梗原今回、本格的に日本市場に参入した理由は、どこにあるのでしょう。

田村日本企業の生産性を、働く人々に無理のないやり方で高めることを通じて、再び強い日本にカムバックすることに貢献したいと考えているからです。ご存じのように、日本の労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟国36カ国中、20位以下という低い位置にあります。先進7カ国の中では最下位で、この状況が20年以上続いています。

一方で労働人口や世帯数は減少の一途であり、このまま放っておけば国としての力が徐々に失われていってしまう。ただし逆説的に幸いともいえるのは、「労働生産性が低い」ということは、それを改善すれば「まだまだ成長できる余地がある」ともいえるわけです。「時短しましょう」「ムダな会議を止めましょう」という“かけ声”は20年も30年も前から言われてきましが、それだけではなかなか人の動きは変われなかったことも一方で現実です。やはり何かしら仕事のやり方を変える“道具立て”が必要です。

Asanaはまさにその道具になり得るツールだと考えています。その価値に気付き、英語版のころからAsanaを活用されている日本企業がたくさんあるということは、現状を何とか変えたいと悩んでいる企業が数多くあることを意味しています。そこで、より多くの日本企業のお役に立ちたいと考え、本格的な市場参入を図ったのです。

Asana Japan株式会社 代表取締役カントリーマネージャー 田村 元氏

桔梗原日本企業の業務には、具体的にどのような点に問題があるとお考えですか。

田村一概には言えませんが、例えばメールのやりとりで仕事を進めようとすると、CCに含まれる人がどんどん増えてしまう。自分宛に来ているTOだけを見ていればいいかと思うと、後で“CCで入れておきましたよね”と言われ、慌てて受信箱から探し出すことも少なくないはずです。また、延々と続くメールはいつしかタイトルと内容が全くかけ離れてしまうことも珍しくありません。どのメールが自分の仕事にどう関係しているのか、判断することで手一杯になっていたら、ストレスがたまるばかりで仕事が進みません。外部との通信手段としてはあり得ますが、メールベースで仕事を進めることが果たして正しいのかどうかを考えると、やはり疑問が出てくる。そういう疑問を感じてらっしゃる方がAsanaを使い始めているのです。Asanaでは明確に、誰がどの仕事をやるのかを決定し、その期限も含めて必要な関係者全員で管理・共有し、自分の仕事に集中できます。

桔梗原働き方改革にも寄与するツールとなるのでしょうか。

田村「新しい仕事のやり方に変える」という意味ではそうです。ただし日本で一般的に論じられている「働き方改革」のツールとは実現したい事が違います。

例えば日本では、リモートワークが働き方改革の1つの代表例のように語られていますが、我々から見ると、あれは「働く場所変更」にすぎません。働く場所がオフィスから自宅やカフェに変わってはいますが、仕事のやり方そのものは本質的には変化していないわけです。RPAもリピータブルで再現性の高い仕事をデジタルに肩代わりさせる意味で有効なツールです。しかしながらその空いた時間で「人はどうよりよく働くべきか」という問題は依然として未解決のまま残っているのです。だからこそ、本当の意味での働き方改革に貢献するツールが強く求められているわけです。Asanaは既に導入企業の生産性を平均で約40%向上させていますし、日本でもそれを証明したいと考えています。

自分が今、何をなすべきかが一目瞭然に分かる

桔梗原Asanaのツールとしての特徴や強みについてお聞かせください。

田村AsanaはWebベースのSaaSアプリケーションとして提供されるほか、iOSやAndroidなどのスマホアプリとしても提供されている、場所や端末を選ばす使うことのできるツールです。Asanaを社内公用ツールにすることで、社内のコミュニケーションからメールをなくし、すべての業務をAsana上で完結することができます。

基本的な構造としては、組織内にプロジェクトを登録し、各プロジェクトの中でタスクを管理する仕組みとなっています。各タスクについて誰がいつまでにやるのかを社外のメンバーも含めて明確に割り当てることができ、自分のタスク以外の情報に惑わされることがありません。タスクの一覧はExcelに近い見た目の「リスト形式」や、ホワイトボードに付箋を貼ったような見た目の「かんばん形式」の両方で確認でき、自分やプロジェクトメンバーがどのような順番でタスクをこなしていくのかを一目で判断できます。また、全く同じ情報をガントチャートに近い「タイムライン形式」で表示することもでき、納期ベースでもタスクを確認できます。期限や順番に変更があればマウス操作で簡単に組み替えることができ、すべてのスケジュールが自動的に変更されます。

例えば「ブログで告知」というタスクがあったとします。このタスクをクリックすると、そこでやるべき内容や必要なファイル、問い合わせのチャット履歴などが表示され、それらを見ながら漏れなく効率的に仕事を進めることができます。繰り返し行うようなタスクはテンプレート化して再利用することも簡単です。

桔梗原ファイル管理やチャットなどのツールも用意されているのですか。

田村仕事を行うプラットフォームとして機能は備わっていますが、他社の専門ツールと組み合わせて利用することが容易にできます。というのも、Asanaはオンラインストレージやコミュニケーションアプリなどを中心に100以上のアプリと連携できるからです。大きなファイルを扱いたいならBoxでもGoogleドライブでもSharePointでもかまいませんし、Slackでチャットをしてもいいわけです。Asanaは特別なトレーニングがなくても誰でもすぐに使い始めることができます。使いやすく優しいユーザー・インターフェースで自分の仕事を遂行し、その進捗状況をそのまま全員がリアルタイムで共有し把握できるため、目標に向かって効率的に仕事に取り組むことができるのです。

タスク管理およびタイムラインの画面

Asanaは、チームのタスクやデッドラインを見える化し、「目標に向かって何をするべきか」を明確にできるのが特長。ビジュアルに計画を作成し、ステップごとに進捗を確認、共有でき、計画変更にも柔軟に対応することができる

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日本企業の競争力を、かつてのように高めていきたい

桔梗原日本での導入事例をご紹介いただけますか。

田村ソフトバンク、リコー、NTTデータなどでは、日本語版がリリースされる前からご活用いただいています。最近では日本経済新聞社、日本航空、全日本空輸などに導入していただきました。

またサイバーエージェントでは、ブログサービス「アメブロ」の顧客ロイヤルティ向上プロジェクトなどで利用されています。ここでは以前、カスタマーサクセスチームから上がってきたバグや機能改善案にプロダクトチームが順次対応していましたが、少なからず対応漏れが出てしまうことにお悩みでした。そこで同一チームで一気通貫の対応を図ろうと、Asanaを活用したプロセスに切り替えたのです。バグの対応要否をチーム全員でAsanaを見ながら優先順位を付けるようにした結果、今まで多かった見落としがぐんと減った上に、対応スピードと品質が大幅に向上したと、非常に高い評価をいただいています。

またこれは海外の事例になりますが、ある企業のグローバルなマーケティングチームは以前、米国・欧州・アジア・日本など分散した拠点間での進捗管理を、メールとExcelベースで行っていました。当時は進捗管理のExcelを作るだけの業務に30名が携わっていましたが、Asanaの導入によって、すべてがリアルタイムに自動化・可視化され、より生産性の高い業務に人員を配置することができたのです。

桔梗原海外だけでなく日本国内でもAsanaの評価が高まっているわけですね。

田村最初はトライアル的に特定部門だけでご導入いただいた企業でも、非常に速いペースでユーザー数が増えていくのを実感しています。「これはいい、ぜひ全社的なツールとして使おう」という判断です。各社それぞれで工夫した使い方があり、日本でも活発なコミュニティ活動を通じて、新たな使い方やベストプラクティスの情報交換が行われています。当然、欧米とは違ったユニークな発想や、日本の商習慣に立脚した新たな使い方なども出てくると期待しています。我々も情報収集に力を入れ、グローバルなAsanaコミュニティで共有できる形にしていきたいと思います。

桔梗原今後はどのような事業展開を行っていきますか。

田村1人でも多くのお客様にAsanaを使っていただけるよう、まずはAsanaを活用した新しい仕事のやり方やメリットを周知していくことから始めていきます。AsanaはWeb経由でご購入いただけますが、経験値の高い人に導入を手伝ってほしいというお客様もいらっしゃいますので、パートナーさん経由での提供にも力を入れていきます。

一度Asanaをお試しいただければ、その良さや使いやすさを間違いなく評価していただけますので、無理に売り込もうとは考えていません。我々が目指すのは、Asanaを一部門だけでなく全社的なワークマネジメントの基盤としてご活用いただくことで、より効率的に生産性の高い業務ができるお手伝いをすること。そして日本企業の競争力を、かつてのように高めていくことにあります。そうしたカスタマーサクセスを目指した事業活動を、これから積極的に進めていきたいと思います。

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