仮想デスクトップ×働き方改革

リモートPCアレイが可能にする
テレワークRPAによる働き方改革

Anywhere, any device(どこからでも、どのようなデバイスからでも)——。オフィス外での柔軟な働き方を可能にするテレワークは、働き方改革が目指す「長時間労働の是正」「柔軟な働き方がしやすい環境整備」「病気の治療、子育て・介護などと仕事の両立」の実現を後押しするものといえる。また、作業負荷の軽減策として多くの企業が注目しているのが、事務作業をソフトウエアロボットで自動化するロボティクスプロセスオートメーション(RPA)。働き方改革推進で重要な役割を果たすこの2つの取り組みを強力にサポートするのが、アセンテックのリモートPCアレイだ。

導入・運用が容易なリモートPCアレイ

アセンテック株式会社 取締役副社長 課長 松浦 崇氏
アセンテック株式会社
取締役副社長
松浦 崇
 「働き方改革に取り組む企業が増えたこともあって、仮想デスクトップ基盤(VDI)の国内市場は急速に大きくなっています」

 VDIソリューションの専業ベンダー、アセンテックの松浦 崇氏は、VDI市場の状況をこのようにまとめる。アセンテックは、1998年より20年以上にわたってVDIにかかわる様々なソリューションを取り扱ってきた。2016年10月には、本社やデータセンターに複数のPC機能を1筐体に集約し、遠隔地から利用するソリューション「リモートPCアレイ」を発表した。

 リモートPCアレイの最大の特徴は、サーバーを必要とする従来のVDIソリューションよりも導入・運用のハードルが低いという点にある。「ハードウエア構成がシンプルで、サーバー仮想化用のハイパーバイザーも不要。イニシャルコストは一般的なVDIの約半分で済みます」と松浦氏。取り扱い方法はPCとほぼ同じなので、従来のPC管理者でも運用が可能だ。

 2016年10月に発表された「リモートPCアレイ100」は、業界標準の19インチラック用の筐体に20台の“PCカートリッジ”を収めた形態になっている。筐体の高さは1U(ラックユニット)に抑えられているので、既存ラックの空きスペースに収容するのも容易だ。設計・開発・製造を担当したのは、アセンテックと協業関係にある台湾のAtrust Computer Corp.だ。

1Uの筐体に30台のリモートPCを収容可能

 最初のリリースから約2年が経った2019年1月17日、このリモートPCアレイ100の仕様を上下に拡張した「リモートPCアレイ200」と「リモートPCアレイ50」の2モデルが新たに発表された(写真)。  リモートPCアレイ200での仕様拡張のポイントは、1Uの筐体内に収容できるPCカートリッジの数を30台に増やしたこと。その背景について松浦氏は、「大規模導入を予定されているお客様から『もっと集約率が高いものを』という声がとても多かった」と説明する。単純計算では、40U級ラックに約1000ユーザーのリモートPCを収容可能。従業員数が多い企業でも設置に要するスペースを心配することなく導入できる。

Atrust Computer Corp. 創業者 CEO HT Cho氏
Atrust Computer Corp.
創業者 CEO
HT Cho
 ただ、その分、技術面のハードルは高かった。「筐体当たりの消費電力を550W以下に抑えるという目標をクリアしなければならず、30台のPCカートリッジが発する大熱量を筐体外に排出するのにも苦労しました」と振り返るのは、Atrust Computer Corp.のHT Cho氏。新たに設計・開発したPCカートリッジでは基板を2枚重ねに変更したが、高さは従前とほぼ同じに抑えているという。また、熱対策としては、プロセッサーを含む部品のすべてに低消費電力型のものを採用し、ヒートシンクにも排熱効率が高いものを選んだ。

 そのほかのハードウエア仕様は、リモートPCアレイ100のものを受け継いでいる。PCカートリッジ以外に内蔵されているのは、KVMスイッチ×1(キーボード・ディスプレイ・マウスとの接続用)、イーサネット×1(1Gb/s)、Atrust Chassis Manager(管理モジュール)、ファン×6(ホットスワップ対応)、電源×2(各550W・冗長化構成・ホットスワップ対応)の各コンポーネント。PCカートリッジもホットスワップ対応なので、障害が発生した場合も業務を止めることなく交換できる。

RPAや小規模VDIには5台構成のモデルが最適

 一方、下位モデルのリモートPCアレイ50は、小規模用途に的を絞ったコンパクトな仕様が売り物だ。

 「こちらの企画を立ち上げるきっかけとなったのは、事務作業をソフトウエアロボットで自動化するRPAでした」と松浦氏。ソフトウエアロボットを稼働させるための基盤としてリモートPCアレイを検討していた顧客から、「リモートPCアレイ100では大きすぎるので、PCカートリッジを5個程度にしたものを売ってほしい」と要請されたことで、RPA向けという製品カテゴリーを市場が求めていると気付いたのだという。

 リモートPCアレイ50はオフィスのデスクやキャビネットにも置ける小型の縦型筐体(幅69mm×奥行き241mm×高さ256.4mm)になっていて、内蔵されているPCカートリッジは5台のみ。ノートPCと同じように、電源はACアダプターから供給する方式だ。このモデルも、設計・開発・製造はAtrust Computer Corp.が担当。Cho氏は、「リモートPCアレイ200の設計・開発で得られたノウハウと知見を適用することで、5カ月で完成させることができました」と語る。

 なお、リモートPCアレイ50は、事務作業の自動化で働き方を改革するための“RPA推奨モデル”に位置付けられているが、小規模VDIのための基盤としても使用できる。支店/営業所単位での働き方改革や、従業員が少ないスタートアップ企業でのテレワークに最適な選択肢となることだろう。

監視などの管理はネットワーク経由でできる

 以上の3モデル構成のリモートPCアレイは、専門のIT技術者でなくても容易に運用管理できるように工夫されている。ハードウエアの動作状況は、筐体内部のAtrust Chassis Managerが常時自動的に取得する仕組み。状況の監視や設定変更は、専用の管理アプリを組み込んだPCからネットワーク経由で行えるようになっている(画面)。“現場”で運用管理の作業をする場合は、KVMスイッチにキーボード・ディスプレイ・マウスをつなぐやり方でも可能だ。  実績も多い。「リモートPCアレイ100で、既に70社1万ユーザー以上の導入実績があります」と松浦氏は話す。

 アセンテックのこれまでのVDIビジネスと同様、リモートPCアレイもパートナー企業経由で企業・団体に提供されていく。RPAについては、主要なクライアント型RPAツール(WinActorやUiPathなど)での動作も確認済み。RPAソリューションとしては、RPAベンダーと共同でマーケティング・販売が進められていくことになりそうだ。

 「VDIとRPAの2つの側面で、リモートPCアレイは必ず役立つはずです」と松浦氏は意気込みを語る。難しく捉えられがちだったVDIとRPAの活用法をよりシンプルに提供するリモートPCアレイは、働き方改革をいっそう推進させる役割を担いそうだ。
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