日経 xTECH Special

包括的なソリューションでプラントのDX化を実現する|AVEVA

最適な保全計画を提案する「リスクベースメンテナンス」

 DXの一環として、アヴィバが力を入れている領域がアセットマネジメントである。

 この領域に20年以上の実績とノウハウを持つアヴィバは、定期的なメンテナンスを行う「予防保全」、機器や装置の状態からメンテナンスを判断する「状態基準保全」、および、リアルタイムに収集したデータから早期に異常を予測する「予知保全」のすべてのレベルに対してソリューションを提供している(図3)。

ForTii®Ace:型番一覧表
図3│予防保全、状態基準保全、予知保全、リスクベースメンテナンスの4階層で、設備や機器に最適となるメンテナンスを提案

 このうち予知保全のソリューションが「AvantisPRiSM」である。正常時のデータからデータモデルを構築し、装置から得られるリアルタイムデータとモデルから得られる予測値との間に乖離が生じた場合にアラートを出力する機能を備える。

 AvantisPRiSMを導入した米国の電力会社Duke Energyは、発電タービンの回転翼のひび割れの早期検知によって、約4億円もの損失の回避に成功。同社ではタービン以外にも1万を超えるPRiSMモデル(=検知箇所)を構築し、日々の健全性の維持に活用している。

 さらに、アヴィバが先進的な手法として提案するのが、図3の三角形の頂点に位置づけられる「リスクベースメンテナンス」だ。アヴィバがカバーする広い範囲から想定されるさまざまなリスクを論理的に分析し、次の補修の計画を定量的に解析、最適な保全計画を導き出す。

 アヴィバが2019年6月に買収したMaxGripのテクノロジーをベースにしており、アンダーメンテナンスやオーバーメンテナンスを排除することで、リスクとメンテナンスコストとの最適なポイントを見つけられる、これまでにない新しいソリューションである(図4)。

 ポンプやバルブなどプラントを構成する何千から何万という設備それぞれを対象に、「予想される故障モード」「予想される頻度」「予備部品などの在庫状況」「保全要因の人数」「故障の際の生産計画への影響」「故障時の機会損失コスト」など14項目をアセスメントによって定量化し、機器の重要性の度合いに応じて、予防保全、状態基準保全、予知保全などから最も適した保全方法を選択するコンサルティングサービスで、全体の保全計画の最適化とメンテナンスコストの最小化を実現していく。

 状態基準保全や予知保全のソリューションにおいて、リスクとコストの最適解を提案するコンサルテーションも併せて提供するのは、国内でも例を見ないアヴィバならではの新しい価値と言えるだろう。

図4
図4│アンダーメンテナンスやオーバーメンテナンスを回避し、コストとリスクの最適点を提案する、アヴィバ独自のリスクベースメンテナンス

設備や機器の稼働率を高めて資産価値を最大化

 日本国内には老朽化が進んでいるプラントも多く、新規建設や大規模更新が難しい状況では既存の環境を効率的にメンテナンスしていくことが重要だ。こうした考えは各企業の経営層にも広がり始めていて、効率的な運用とメンテナンスを行うためにIT化やデジタル化を推進しようという機運が高まりを見せつつある。

 アセットマネジメントの事例の一つが前述のADNOCだ。既存の設備や機器に1000万以上のタグ(センサー)を付加してデータを収集し、アヴィバのアセットマネジメント・ソリューションによってメンテナンスの効率化を実現。実際にコンプレッサーだけで700基以上の稼動寿命の延長に成功している。

 また、ドイツに本社を置く総合化学メーカーのBASFも、アヴィバのアセットマネジメント・ソリューションを導入した一社だ。ARにより、スマートフォンやスマートグラスに機器や設備のメンテナンス手順を示すなど、さまざまな効率化を実現した。

 国内において、オイル&ガス、造船、製鉄などの重厚分野は、ようやく一部がデジタル化されてきたものの、他の業種に比べると導入比率はまだ低いとされている。市場の変化のスピードがますます加速する現在、デジタル化を進めることで、生産効率のさらなる向上と利益の最大化が期待できる。

 アヴィバは、グローバルでの豊富な実績と、旧アヴィバと旧シュナイダーエレクトリックのソフトウエア部門が持っていた幅広いソリューション・ポートフォリオを活用し、顧客の資産価値を最大化する最適なアセットマネジメントを提案・提供するとともに、引いては、DXの実現を支援していく。

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