なぜクラウド時代にタワー型サーバーが使われ続けるのか 中堅・中小企業の悩みを救うタワー型サーバーの最新事情

中堅・中小企業がタワー型サーバーを使い続ける理由とは?

森側2019年1月に「日経 xTECH Active」では「タワー型サーバーに関する調査」を実施しました(日経 xTECH Active リサーチ Special)。その調査結果を見ると、非常に興味深いことが浮かび上がってきました。クラウド時代といわれながらも、日本ではまだ社内にタワー型サーバーを設置したオンプレミスの活用が根強いこと。そして用途の約35%がファイルサーバーで、稼働OSで最も多いのが「Windows Server 2008 R2 or それ以前のWindows Server OS」であることなどです。

日本マイクロソフト株式会社 マーケティング&オペレーションズ部門 クラウド&エンタープライズビジネス本部 プロダクトマネージャー 佐藤 壮一氏
日本マイクロソフト株式会社 マーケティング&オペレーションズ部門 クラウド&エンタープライズビジネス本部 プロダクトマネージャー 佐藤 壮一氏

渡辺グローバル市場の中でも特に日本は、従業員100人以下の中堅・中小規模のお客様がタワー型サーバーを多く活用されています。拡張性や静音性が高く、ラックの無いオフィスなどへの設置にも適しているからでしょう。業務ソフトや会計ソフトなどのクラウドサービスの利用が拡大していく中で、ファイルサーバーやデータベースサーバーなどの用途では、引き続きオンプレミス環境での運用が求められるということは、サーバーやファイルを手元において管理することのメリットが大きい用途があり、中堅・中小規模のお客様においても、クラウドとオンプレミスを使い分けるハイブリッド型の利用方法が定着してきているからだと思います。

佐藤通信環境にもよりますが、社内LANに比べるとどうしてもクラウドはレイテンシーが遅くなりがちです。さらに、使い慣れたユーザーインタフェースでファイルが開ける使い勝手の良さ、既存アプリケーションとの連携が容易である点などから、ファイルサーバーをオンプレミスに置きたいというお客様の思いには納得感があります。

渡辺ただし、ファイルサーバーはデータが着実に増えていくので、ディスク容量の圧迫やバックアップデータの増大、利用頻度の低いファイルをどう管理するかなど、管理面での課題が多く残されています。お客様もこの点にかなり悩んでいらっしゃいます。

森側Windows Server 2008/2008 R2といったサーバーOSが、サポート終了を間近に控えていることも心配要因の1つですね。先ほどの調査結果から見ると、まだまだ多くの企業が古いサーバーOSを使い続けていることが分かります。

佐藤10年以上の長期にわたって利用していただいたWindows Server 2008/2008 R2と、クライアントOSのWindows 7が2020年1月14日にサポート終了となります。また、2019年7月にはデータベースアプリケーションのMicrosoft SQL Server 2008/2008 R2もサポート終了となり、セキュリティ更新プログラムの提供を含むすべてのサポートが行われなくなります。

こうした古いシステムを利用し続けていると、セキュリティホールを利用したサイバー攻撃を受けたり、障害が発生しても迅速に対応したりすることができません。国からも2020年を前に、サイバーセキュリティ対策をより一層強化することが求められています。とはいえ現実的には、更新の必要性を認識しながらも、人員不足やコストなどの問題から移行作業に着手されていないお客様も少なくありません。

渡辺加えて国内では、2019年5月に元号が変わり、10月には消費税が10%にアップされる予定です。これらの大きなイベントに対応するため、様々なITシステムが影響を受けます。OSの更新に合わせ、タワー型サーバーといったハードウエアそのものも、最新OSのアーキテクチャに最適化された製品へ移行することが必要になっているわけです。


Windows Server 2008/2008 R2のサポート終了で考えるポイント

森側IT担当者は、ファイルサーバーの課題解決とサーバーOS、ハードウエアの移行を同時に検討しなければなりませんね。

Dell EMC(デル株式会社) 製品本部&プランニング部長 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 渡辺 浩二氏
Dell EMC(デル株式会社) 製品本部&プランニング部長 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 渡辺 浩二氏

渡辺そこでDell EMCはマイクロソフトと共に、そうしたお悩みを解決するソリューションを提供しています。最新の
Windows Server 2019を搭載した第14世代Dell EMC PowerEdgeサーバーと、Microsoft Azureのクラウドストレージを組み合わせた「ファイルサーバーのハイブリッド化」です。最新OSではオンプレミスのファイルサーバーとクラウドストレージが持つメリットを統合したハイブリッドファイルサーバー機能が提供されています。この機能を活用すると、増え続けるデータはAzure上のクラウドストレージで管理しつつ、オンプレミスのファイルサーバーと常に同期した運用が行えます。

佐藤具体的には、Azureが提供するファイル共有サービスとオンプレミスを同期する「Azure File Sync」というサービスを使います。よく利用するファイルはオンプレミスのサーバー上にキャッシュされるため、今まで通りの使い勝手で素早いアクセスが可能です。また滅多にアクセスしないファイルはAzure上に配置され、オンプレミスのサーバーのストレージを圧迫することがありません(図1)。

オンプレミスのストレージにキャッシュしておくファイルデータの割合やフォルダの選択は自由に設定していただけます。まさにオンプレミスとクラウドのいいとこ取りを実現できる解決策といえるでしょう。

図1 Azure File Syncの利用イメージ(Azure File Sync)

図1 Azure File Syncの利用イメージ(Azure File Sync)

Azure File Syncでオンプレミスとクラウドのハイブリッドファイルサーバーが構築できる。単独拠点はもちろん、拠点が複数に分かれていても、ファイルサーバーをクラウドストレージと同期し、大容量・高性能・コストパフォーマンスの両立が可能となる


オンプレミスとクラウドのいいとこ取りで生まれるメリット

日経BP総研 イノベーションICTラボ 上席研究員 ビジネスAIセンター長 森側 真一
日経BP総研 イノベーションICTラボ 上席研究員 ビジネスAIセンター長 森側 真一

森側クラウドかオンプレミスかの二者択一ではなく、双方のメリットを享受できるわけですね。しかも最新OSに移行すればセキュリティの強化も図れる。

渡辺その通りです。Windows Server 2019の標準機能であるWindows Defenderでは、ウイルス対策やアラートの可視化、不審なアプリやドライバーの実行抑止、パスワード情報の隔離などをトータルに実現しています。それに加えてPowerEdgeサーバーは、サイバー攻撃への「防御・検知・復旧」それぞれの観点で、ハードウエア、ファームウエア、BIOSに対するエンド・ツー・エンドのセキュリティ機能を提供する「サイバー レジリエント アーキテクチャ」を実装しています。この二重の防御体制で、お客様のサイバーセキュリティ対策を強化できる点も大きなメリットとなります。

森側ファイルサーバーと同様に、タワー型サーバーの用途として多かったデータベースサーバーも、Microsoft SQL Server 2008/2008 R2のサポート終了への対応策が必要になりますね。

渡辺OSの移行に合わせて、データベースの高速化を図りたいというニーズも増えています。データベースサーバーはデータ量が増加すればするほど、読み出しや書き込み、バッチ処理などの時間がかかり、ユーザーにストレスを与えるだけでなく、業務に支障をきたす可能性も高くなります。特に古いサーバーは、HDDのパフォーマンスとCPU性能が処理性能の大きなボトルネックとなっています。こうした課題の解決のため、Dell EMCではWindows Server 2019とMicrosoft SQL Serverのバージョンアップに合わせて、最新の第14世代PowerEdgeサーバーへの移行をお勧めしています。新しいOSに最適化された高性能なCPUと高速なSSDを備えたサーバー環境へ移行するだけで、アプリケーションやプログラムを変更することなく、データベース性能が向上する可能性が高いからです。かつては短寿命・高価格・低容量がネックとなっていたSSDですが、ここ数年の大幅な技術の進歩で長寿命化・低価格化・大容量化が進んでいます。簡単にデータベースの高速化を図るには最適なタイミングだと思います。

佐藤実は、Windows Server 2019搭載のサーバーで、お客様の課題を解決するソリューションがもう1つあります。それはWindows 10 PCの運用管理の改善です。今、多くの企業ではWindows 7からWindows 10への移行が急ピッチで行われています。Windows 10ではセキュリティ問題や製品の不具合を修正するため、毎月1回の品質更新プログラムと、半年に1回の機能更新プログラムを提供しています。Windows Updateと呼ばれるこれらの更新プログラムを従業員が一斉に社内ネットワークで走らせてしまうと、ネットワーク帯域が圧迫され、業務に支障をきたしてしまうことがあります。

こうしたことを避けるために利用が進んでいるのがWindows Server 2019の標準機能であるWSUS(Windows Server Update Services)です。オフィス内にWSUSサーバーを立てると、そのサーバーだけがマイクロソフトのサイトから更新プログラムをダウンロードし、ネットワークを圧迫せずに従業員のPCに配信する仕組みが構築できます(図2)。また管理者は、月末は営業部門が受発注処理を行うから更新は月初にしようといった形で、社内のグループごとに更新プログラム適用のタイミングを制御することも可能です(図3)。数十人規模のオフィスでも、クライアントPCの運用管理は大変な作業になるので、ぜひこの機能を活用していただきたいですね。

図2 Windows Server 2019の標準機能であるWSUSのイメージ

図2 Windows Server 2019の標準機能であるWSUSのイメージ

通常のWindows Updateでは一斉アクセスで社内ネットワークがダウンする可能性がある。だがWindows Server 2019のWSUS機能を利用すれば、WSUSサーバーだけが更新プログラムをダウンロード。ネットワークを圧迫せず、適用を自由に制御できる

図3 WSUSの管理画面

図3 WSUSの管理画面

管理者はWSUSサーバーの管理画面を通じ、任意のタイミングで更新プログラムを配信できる。管理するWindows 10 PCごとに適用状態が把握できるほか、更新プログラムの差分更新機能によって高速インストールも可能だ

森側実際に中堅・中小企業では、ITの問題を1人で引き受ける“ひとり情シス”や、IT専任者さえいない状態が多いわけですから、そうした負担軽減策はうれしいですね。

渡辺多くの仕事を抱えているIT担当者様を支援するには、サポート体制の充実も欠かせません。そこでDell EMCは、PCとサーバーのワンストップ保守体制を提供しています。例えば、今、佐藤様からお話があった、PCとサーバーの両方にかかわるWSUSサーバーのようなインフラに障害が発生した場合、サポート窓口がPCとサーバーの2つに分かれていたら、解決するために複数の問い合わせ窓口に対応を依頼しなくてはならなくなってしまい、非常に煩雑です。最悪双方のサポートセンター間をたらい回しにされ、いつまでも状況が改善しない危険もあります。そういった不便が生じないように、Dell EMCは川崎のグローバルコマンドセンターと宮崎のカスタマーセンター、2つの国内拠点で専門のサポートスタッフがPCとサーバー双方のトラブル受付から解決までを一貫して行っており、お客様から高い評価をいただいています。

森側確かにデルさんは日経コンピュータ「顧客満足度調査 2018-2019」でも官公庁・自治体対象のサーバー部門でNo.1を獲得しています。そうしたサポート体制の手厚さも、サーバー製品を選ぶ際の重要な選択肢の1つになるでしょうね。

国内サポートで高い評価を受け、官公庁・自治体で満足度調査No.1のPowerEdge

佐藤Windows Server 2008/2008 R2のサポート終了は、お客様のシステムを次世代のプラットフォームに進化させ、業務効率や生産性をさらに高める絶好のチャンスになります。これからもマイクロソフトはDell EMCと一緒に様々なソリューションを通じて、お客様のデジタルトランスフォーメーションを推進していきます。

森側使い慣れたタワー型サーバーを継続的に利用したいと考えているユーザーに、非常に有益なお話がたくさんお聞きできました。中堅・中小企業の課題を解決する新たな製品やソリューションをこれからも期待しています。本日はどうもありがとうございました。


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