ユニファイド・サービス

既存グリッドを活用しながら切り拓く
地産地消マイクログリッド実現への道

先端テクノロジーを駆使して様々な社会問題の解決に取り組むユニファイド・サービス。新電力各社を対象に電力小売事業に必要な主要機能をクラウドで提供するなど、着実に実績を重ねてきた。再エネの健全な拡大を目指す同社が提案しているのが、地産地消マイクログリッドである。既存グリッドを活用しながら、段階的なアプローチで既存グリッドへの依存度を徐々に下げるという考え方だ。

新電力が必要とする主要機能を
クラウドサービスとして提供

廣野 充俊 氏
ユニファイド・サービス株式会社
代表取締役社長
廣野 充俊 氏

 2004 年に設立されたユニファイド・サービスは、先端テクノロジーを活用して様々な社会問題の解決に取り組んでいる会社だ。公共やヘルスケアなどとともに、とりわけ注力しているのがエネルギー分野である。

 2016年に資源エネルギー庁が所管するFIT管理システムの再開発を受託したのをきっかけに、同年に新電力向けの料金計算システムをクラウドで提供を開始した。2019年には新電力各社に向けて、電力小売事業に必要な料金計算や顧客管理、収入管理など主要機能を搭載したクラウドサービスの「Unisrv 電力CIS」をリリースした。

 同社は電力事業の立ち上げ支援などの各種コンサルティングも提供している。ユニファイド・サービス社長の廣野充俊氏はこう説明する。「セールスフォース・ドットコムの『Force.com』と『Heroku』によるハイブリッド構成で、それぞれのサービスを運用しています。クラウドなので迅速かつ低価格でサービスを提供することができます。Unisrv 電力CISに関していえば、すでに100万軒の処理能力を確認しています。お客様からの問い合わせは増えており、担当チームの人員を増強しています」

大規模停電が長期化するケースも
電力系統に依存することのリスク

坪田 幸司 氏
ユニファイド・サービス株式会社
専務取締役
坪田 幸司 氏

 大型台風や洪水などにより、2018年は西日本で、2019年は関東を中心に大規模な停電が発生した。停電した戸数の多さだけでなく、長期間の停電が市民生活に与えたダメージの大きさも注目された。災害に強いエネルギー供給体制の構築は、日本社会にとって切実な課題だ。

 こうした中で、太陽光発電や風力発電などの再エネを主力電源として位置付けようという機運が高まりつつある。

 「再エネの健全な拡大は、当社の掲げる理念の1つです。これを実現するために、私たちは『できるところから始める』ことを提案しています」と語るのは、ユニファイド・サービス専務の坪田幸司氏である。坪田氏はこう続ける。

 「自然災害などによる発電事故が起きれば、大規模な電力系統は末端を切り離すことにより、広域のブラックアウトを回避します。停電のリスクをゼロにすることはできません。そこで、電力系統に頼らない仕組みが求められます。私たちが目指すのは、地産地消マイクログリッドという方向です」

 地産地消の電力なら、価格以外の価値を訴求することができる。停電したとき、すぐにバックアップ電源に切り替えられる安心感は価値の1つである。地球温暖化対策への貢献に価値を見出す需要家も今後増えるだろう。

 ユニファイド・サービスが想定するのは電力系統から独立できる末端の配電範囲だ。坪田氏は「既存のグリッドをうまく使って、徐々に電力系統への依存度を下げ、平常時は系統に頼らないというやり方が現実的だと考えています」と話す。

 既存グリッドはすでに全需要家と接続済みで、希望者はすべてマイクログリッドに参加できる。また設備保守を託送料で賄える点なども、既存グリッドを活用することのメリットだ。需要家1万~2万軒は、ビジネス規模で年商10億円、系統内の電力調整規模で300万kWhオーダーと、事業継続面で妥当なサイズだと坪田氏は見ている。

マイクログリッドの概念図
大電力系統から独立できる末端の既存配電をマイクログリッドと定義
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段階的アプローチで目指す
地産地消マイクログリッドの可能性

 地産地消マイクログリッドを実現するために、同社は段階的アプローチを提唱している。

 フェーズ1は、地域配電線を利用した仮想電池方式である。太陽光発電設備を保有している住宅や事業所は、昼間の発電で余った分をいったん仮想電池に預け、夜に返してもらう。余った分を他の需要家に売ることもできる。

 「Unisrv 電力CISは仮想電池管理機能を備えており、マイクログリッド内の仮想地産地消を実現することができます」と坪田氏は言う。

 フェーズ2では、ここに電気自動車( EV )との連携が加わる。V2H PC(Vehicle to Home PowerConditioner)を設置して配電線に接続すれば、マイクログリッド内の共用蓄電池として機能する。この時、スマートメーターと建物内の機器を結ぶBルートのデータを活用すれば、需要予測に基づくネガワット取引なども可能になる。「EVがマイクログリッドにつながると、電柱が倒壊してもボランティアで個人の電気を届ける事ができます。たとえば、在宅医療家屋にV2Hを設置するだけなので、暴風に備えて大量の電柱を建て直す費用よりもはるかに安いですよ」(坪田氏)

 フェーズ3では、さらに家庭用蓄電池を組み合わせる。これにより、マイクログリッドの安定性は高まる。

 「フェーズ3では、アグリゲーターが家庭に蓄電池を置かせてもらう形でのビジネスも可能です。また、リース会社が蓄電池をリースし、電気を売買するといったビジネスも生まれるでしょう。一方で需要予測は複雑になり、非常に高度な需給管理システムが求められます。Bルート情報や充放電情報、気象情報などを総合的に分析する必要があり、当社ではAIの活用を含めて検討しています」(坪田氏)

地産地消マイクログリッド実現システム(平常時)
V2H PC:Vehicle to Home PowerConditioner
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 いずれは大容量蓄電池や燃料電池自動車を、マイクログリッドに接続することも考えられる。かなりの投資が必要だが、非常時への備えは大きく強化されるだろう。地産地消マイクログリッドの可能性は大きい。

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