ITインフラSummit 2019 夏

DX推進を支えるクラウドへの移行を
最適に進めるためのステップとは

富士通クラウドテクノロジーズ
ビジネスデザイン本部
テクニカルデザイン部
今井 悟志

デジタルトランスフォーメーション(DX)の時代を迎え、企業のITインフラには環境変化にも俊敏に対応できる仕組みへの変革が求められている。既存システムにおけるハードウェアライフサイクルへの依存から脱却するためのクラウド移行は、まさにその前提となるものだ。VMware vSphereを基盤とする「ニフクラ」は、企業が仮想化基盤上で運用するシステムをスムーズかつ安全、確実に移行できるクラウドプラットフォームである。

VMware vSphere環境の仮想マシンを
手を加えることなくクラウドに移行

富士通クラウドテクノロジーズ
ビジネスデザイン本部
テクニカルデザイン部
今井 悟志

ビジネス環境の変化がさらに激しさを増す状況にあって、いま企業にはITシステムの位置づけを今一度見直し、自社のビジネス活動を牽引していくものへと変革していくことが求められている。特に、IoTやAI、ビッグデータといった先進デジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルの創出や顧客との新たな関係性の構築を目指した、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が、企業にとっての重要なテーマとなっていることは周知の通りである。

そうした中、システム基盤の運用にかかわるコストをいかに削減し、新サービス構築に向けたシステムの柔軟性、拡張性をどのように獲得していくかということが、今日の企業に突きつけられた切実な課題となっている。「そのような問題に応えるには、これまで企業において運用されてきた、物理環境上にサイロ化されたシステムを脱し、ITの基盤をクラウド環境へと移行して、ビジネスの急激な変化にも確実に追随していける体制を整えることが不可欠だといえます」と富士通クラウドテクノロジーズの今井悟志氏は強調する。

「ニフクラ」(NIFCLOUD、旧名称:ニフティクラウド)は、まさにそうした企業の要請に応えるクラウド基盤サービスである。その最大の特徴は、今日、多くの企業が仮想化基盤として採用しているVMware vSphereに基づくクラウドプラットフォームを提供していることだ。「vSphereをベースに構築されているお客様のシステム資産を、そのままのかたちで、『リフト&シフト』、ニフクラ上へとスムーズにマイグレーションしていただけます」と今井氏は説明する。

またネットワークに関しても、ニフクラではオンプレミス環境とのL2接続が可能であるため、企業が運用している既存のネットワークセグメントをニフクラの中に構築することが可能。クラウド移行に伴う煩雑なネットワーク設定作業なども不要である。

さらに、基盤の信頼性についても、vSphereが提供する関連機能をフルに活用していることに加え、ハードウェア故障にかかわる予兆検知など独自機能を装備しており、結果、99.99%という高度な可用性を実現。ユーザーに大きな安心を提供している。

一方、ユーザーによる運用管理の面については、「シンプルさ」を徹底追求。「vSphereをベースに構築されたストレージレイヤーからハイパーバイザレイヤー、ネットワークレイヤーにかかわる複雑さを完全にラッピング。直感的なインターフェースを装備したコントロールパネルを使って、お客様が簡便にシステムを運用管理していけるようになっています」と今井氏は紹介する。

仮想マシン1台からの移行が可能
クラウドの評価・体験も容易

以降のセッションでは今井氏が、オンプレミス環境で運用している既存システムを、リフト&シフトのアプローチによって、いかにニフクラ上へと移行していくかを具体的に説明した。

今井氏によれば、移行のプロセスは計5つのステップで構成されるという。すなわち、「仮想化」「クラウドの評価・体験」「業務システムの本格移行」「自動化」「クラウドサービス利用の適正化」である。

まずステップの1つめとなる仮想化。これは、文字通りそれまで物理環境で運用していたシステムを仮想化環境での運用に切り替えるというもの。すでにほとんどの企業がオンプレミス環境において実践済みである。

続くステップの2つめとなるクラウドの評価・体験に関して、ニフクラでは仮想マシン1台からの移行が可能であることが特筆される。「対象となる仮想マシンをovf形式でエクスポート、それをニフクラ上にインポートして、あとはお客様の既存環境とニフクラをL2接続するだけ。移行したシステムを透過的に利用いただける環境ができあがります」と今井氏は言う。もちろん、移行にあたって仮想マシンの中身に手を加える必要もない。

このステップ2によりクラウドに移行することのメリットが実感できたら、3つめのステップである業務システムの本格移行へと進む。要は、ステップ2において、パイロット的に小規模なシステムを移行・運用したことにより習得できたノウハウを使って、より広範な業務システムをニフクラへと移行していくわけだ。

ただし、業務システムを本格的にクラウド上に移すことについては、セキュリティ面での不安を感じるユーザーもいるはずだ。これに関し今井氏は「ニフクラでは、クラウド上に個々のお客様専用の環境を設けており、お客様のシステム同士が互いに影響を受けるということは決してありません。そうした意味でニフクラでは、『真のプライベートクラウド環境』を実現しているわけです」と説明する。

さらに、それでも不安を感じる、ないしはセキュリティポリシー上、外部にシステムをどうしても出すことができないというユーザーに対しては、顧客のデータセンター側に専用のハードウェアを設置し、そこでニフクラのサービスを稼働させるとともに、その管理をニフクラ側に委ねることができる「NIFCLOUD Private Region」というサービスも用意されている。

以上のステップ2、ステップ3が、オンプレミスシステムをリフト&シフトによりクラウドへと移行する際の「リフト」に相当する部分である。

自動化されたシステムの稼働を検証
クラウド利用の適正化につなげる

そうした後、移行プロセスはステップ4、ステップ5の「シフト」に相当する部分へと進んでいくことになる。4つめのステップである自動化についてニフクラでは、211にのぼるAPIをはじめ、各種スクリプトなどエンジニアリングパーツを用意。企業はそれらを利用することで、運用管理や監視をシステム自身が自律的かつプロアクティブにこなしていけるような仕組みを実現できる。

一方、そうしたかたちで自動化されたシステムの稼働状況を検証することにより、5つめのステップであるクラウドサービス利用の適正化につなげていくことが可能となる。例えば、そのシステムがニフクラ基盤上での仮想マシンによる稼働が最適かどうかを見極めて、必要に応じてSaaSの利用に切り替えたり、仮想マシンではなくコンテナとして実装する、また場合によってはオンプレミスの環境に戻すといった対応を検討していくことができるわけだ。

「そうした適正化を図る際にも、既に述べたPrivate Regionをご利用いただいたり、あるいはニフクラ環境にあるコンテナ型IaaS『Hatoba』などの基盤を適宜選択いただけるようになっています」と今井氏は説明する。

DXに向けた施策を加速させていくことが喫緊の課題となっている今日の企業において、重要な前提となるクラウドの活用。それに向けた既存システムの移行に際しては、以上のようなステップを踏み、その成果を検証しながら、着実に取り組みを進めていくことこそが肝要だ。10年の歴史があり日本の企業に寄り添って展開してきたパブリッククラウドのニフクラこそ、企業のそうした取り組みの実践に向けた最適なシステム基盤を提供するクラウドサービスだといっていい。

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富士通クラウドテクノロジーズ

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