少子高齢化に伴う人手不足などを背景に、あらゆる企業の重要テーマとなっている“働き方改革”。その実現に向け、カギを握るのが「テレワーク」の推進だ。必要なルールやツールを整備することで、時間や場所を選ばない柔軟な働き方を実現。介護や育児など、様々な事情を抱える働き手にとって、働きたいと思える企業づくりを進めることが可能になる。テレワークを成功に導く3つのポイントを紹介しよう。
Part 1
「ルール」と「ツール」の両面で
社員の生産性を高める環境を整備
Part 2
無視できない「セキュリティ」
最新のリスク動向に備える方法は
Part1
「ルール」と「ツール」の両面で
社員の生産性を高める環境を整備

テレワークが日本企業にとって不可欠な取り組みに

株式会社富士通マーケティング 商品戦略推進本部 サービス&プロダクトビジネス推進統括部 ICTビジネス推進部長 (兼)ビジネス計画部長 田中 良和氏
株式会社富士通マーケティング
商品戦略推進本部
サービス&プロダクトビジネス推進統括部
ICTビジネス推進部長
(兼)ビジネス計画部長
田中 良和
 あらゆる日本企業にとって、少子高齢化に伴う人手不足は切実な課題となっている。特に、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025年ごろには、介護・医療費などの社会保障費が急増する「2025年問題」も企業経営に多大な影響を及ぼすと懸念されている。これにより、多くの団塊ジュニア世代が介護離職を余儀なくされれば、人手不足はさらに深刻なものとなるだろう。

 「これからの時代、介護や育児と仕事を両立できるような、柔軟な働き方が実現できる仕組みを備えていない企業は、働き手からそっぽを向かれてしまうでしょう。それぞれに事情を抱える働き手と、優秀な人材に活躍してもらいたい企業、それぞれのニーズをマッチングさせる上で、『テレワーク』はもはや必須の取り組みだと考えています」と富士通マーケティングの田中 良和氏は指摘する。

 働き方改革においてもテレワークは“本丸”となるものだ。しかし現実には、着手してはみたが、生産性向上や業務効率化といった成果が上げられずにいる企業は少なくない。その点、富士通マーケティングは、早くからテレワークを推進し、これまで着実に成果を上げてきたという。

 そもそも富士通マーケティングでは、まず2014年に営業担当者向けにタブレット100台を配布して、営業領域でのモバイルワーク推進に着手。その後、デバイスの持ち出しに関するルールなどを順次整備しながら、テレワークに向けた取り組みを本格的にスタートさせた。

 2016年にはサテライトオフィスを設置。そして2017年には、全社がシンクライアントを導入し、育児・介護にあたる社員を対象とした在宅勤務制度を始動した。「現在は在宅勤務の対象を全社員に広げています。活用も進んでおり、私の部署でも、毎日誰か1人は自宅やサテライトオフィスでの勤務を行っている状況です」と田中氏は紹介する。

ルールを明示し、実践することでマネジメントを容易にする

 富士通マーケティングは、そうした自社実践での知見やノウハウを生かし、顧客企業における最適なテレワーク環境の構築支援を行っている。

 同社が、テレワークの導入・運用を成功に導くためのポイントとして掲げているのが以下の3つだ。
働き方のルール化と適切な労務管理
コミュニケーション効率化のためのインフラ整備
セキュリティ対策の見直し
 本稿(Part1)ではこのうち①と②を、Part2では③をそれぞれ紹介する。

 まず、「①働き方のルール化と適切な労務管理」は、富士通マーケティング自身の社内実践の経験に基づき、掲げているポイントだ。同社では、テレワーク制度の導入・開始に合わせ、「始業・終業時のルール」というものを設けた。これは、社員がテレワーク/在宅勤務を行う際の業務報告を、全社統一のルールとして明示したものだ。

 社員は、まず朝の始業時にその日の作業予定を時系列にまとめてマネジャーに申告のメールをする。終業時には、朝申告した予定に対して1日の成果はどうだったか、資料などの成果物と併せて、業務内容をマネジャーに報告のメールをする。

 「明確な運用ルールを示し、それを確実に実践していくことが、顔が見えにくいテレワークの運用においては大切です。マネジャーの部下の業務における進捗管理が行いやすくなることはもちろん、個々人の業務の偏りなども把握しやすくなり、アドバイスやサポートが的確に行えるようにもなります」と田中氏は話す。働く社員にとっても、その日の作業プランなどを予め考えてから仕事を始めるスタイルが身に付くため、ムダの削減、作業効率化に繋げることができる。また、申告・報告メールのテンプレートを用意・配布することで、報告作業の負荷を軽減でき、運用定着に繋げられることも自社で確認済みだという。

働き方に合った多様なコミュニケーション手段を提供

 次に、「②コミュニケーション効率化のためのインフラ整備」については、ITソリューションの活用がカギになる。

場所や時間の制約を受けずに働くためには、当然、作業環境のあるべき形も見直す必要がある。テレワーク環境にマッチするソリューションとして富士通マーケティングが推奨するのが「Microsoft Office 365」である。

 インターネットに接続できる環境であれば、いつでも、どこでもOffice 365の機能を利用できる。これにより、オフィスではデスクトップPC、移動中はスマートフォン、出先や自宅ではモバイルPCを使うといった柔軟な作業環境が構築可能だ。

富士通株式会社 ビジネス企画統括部 プロモーション企画部 部長 丸子 正道氏
富士通株式会社
ビジネス企画統括部
プロモーション企画部
部長
丸子 正道
 「また、インストール型のOffice製品では、1つのライセンスが1台のデバイスに付与されるのに対し、クラウドサービスであるOffice 365では、ライセンスがユーザーID単位で付与されます。そのため、1IDあたり15台を上限に、手元の様々なデバイスで利用できる点がテレワークにおいて大きなメリットとなるでしょう」(田中氏)

 さらに、メールや予定表、タスク管理などが行える「Exchange Online」、組織での文書や情報の共有を円滑化する「SharePoint Online」、その上チャットやオンライン会議などの機能を提供する「Teams」といったグループウェアがオールインワンで提供されるのも注目すべきポイントだ。

 「日常生活でコンシューマー向けチャットツールなどに慣れ親しんでいることもあり、ビジネスにおいても同様の手段でリアルタイムコミュニケーションを行いたいというニーズが高まっています。こうした社員の願いに応えるビジネス向けのツールを企業として用意することが、生産性の高いテレワークを実現するためには不可欠です」と富士通の丸子 正道氏は述べる。

 Teamsでは、コンシューマー向けのチャットツールやSNSに慣れ親しんだユーザーにも受け入れやすいチャット機能のほか、音声会議やビデオ会議といったコミュニケーション機能も用意されている。やりとりの目的に応じ、これらをシームレスに使い分けながらコミュニケーションをとることが可能だ。「プレゼンス機能も搭載されているため、相手の在席状況を把握しながら効率のよいコミュニケーションが可能になることも、テレワークでは重要なポイントといえるでしょう」と丸子氏は言う。

Office 365をさらに使いやすくする独自サービス

 さらに富士通マーケティングは、Office 365に独自の価値を付加したサービスとして、「FUJITSU Enterprise Application AZCLOUD SaaS まるっとOffice 365」(以下、まるっとOffice 365)を提供している(図1)。  このサービスでは、Office 365のライセンスに加え、導入支援およびエンドユーザーサポートサービスのほか、メールや予定表などの情報を1画面に集約し、“コックピット”化できる「まるっとポータル」などの独自オプションも提供(図2)。ユーザーニーズに合わせて、Office 365の使い勝手をさらに向上させることができるという。
図2 まるっとポータル 図2まるっとポータル Office 必要な情報を1画面にまとめることで、作業効率化を図ることができるオプションサービス
※まるっとポータルは、まるっとOffice 365にてExchange Onlineを含むプランの契約をされた方に対し提供するオプションサービス(別途要契約)
 また、特徴的なのが契約形態だ。通常のOffice 365では1年単位のライセンス契約となるが、まるっとOffice 365はそれをより細かく、月額課金サービスとして提供する。「例えば、社員100名の企業が、当初は10ユーザーでテスト導入し、その1カ月後に残り90人に展開するといったケースがあります。この場合、一般の契約では最初の10ユーザーと、後から追加した90ユーザーとでライセンス契約のサイクルがずれるため、契約管理の煩雑化が課題になりがちでした。まるっとOffice 365では、そうした問題を気にすることなく、柔軟に、ユーザー数を増減することが可能です」と田中氏は説明する。IT管理者にとっても、嬉しいサービスといえるだろう。

 以上、Part 1では、富士通が挙げるテレワーク成功の3つのポイントのうち、「ルール」と「ツール」について紹介した。Part2では、同社が最後のポイントとして掲げる「セキュリティ」について解説する。

図3

「パートナー満足度調査2019」において、
富士通は「法人向けPC部門」をはじめ6部門で第1位を獲得

※日経BP社発行 日経コンピュータ2019年2月21日号
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