製造業にとって商社は、調達の幅を広げるうえで重要な存在。しかし調達は単に商品を入手すれば事足りるわけではない。業界にない新しい商品ほど、確実な入手だけでなく技術的なサポートが必要になる。その機能を併せ持つユニークな商社が創業70周年を迎える福田交易だ。一般的な商社にはない技術力はどのように培われたのか、その力を基にどのようなソリューションを目指そうとしているのか、同社の若手担当者4人が議論した。

根来 侑治 氏
根来 侑治 氏
福田交易
第一営業部
営業一課
主任
宮崎 陽介 氏
宮崎 陽介 氏
福田交易
技術部
技術課
主任
田中 竜太 氏
田中 竜太 氏
福田交易
スピンドル技術部
スピンドル課
主任
小西 悠太 氏
小西 悠太 氏
福田交易
特機部
シール技術課
係長

根来 商社の営業の立場から感じるのは、「日本国内にない商品を提供してほしい」という製造業のお客様の痛切な声です。市場の多様なニーズに応えながら競争力を高めるためには、競合ながら競争力を高めるためには、競合他社が使っていないような商品を使って、製品の付加価値向上を図らなくてはなりません。しかし一般的な商社の機能は基本的に商品の輸入までであり、技術的なサポートは海外の開発元メーカー任せになりがちです。国内に存在しない商品だからこそ、仲介役である商社によるサポートが必要なはずですが、そのノウハウがないのが実情です。
 その点、福田交易は商社ながら「商品専任」と呼ぶセールスエンジニアを擁し、その数は社員の約4分の1を超えます。メーカーとの強いパイプで海外商品を自らサポートできる体制を整えています。それがお客様から評価されている理由ではないかと思います。

宮崎 弊社は日本にまだ紹介されていない優れた海外製品、「Hidden Champion」を見つけ出すべく、海外の展示会などで常に情報収集を図っています。現在、100社に近い海外メーカーの商品を取り扱っています。
多くは日本に独自販売網がないために名が通っていないメーカーですが、ユニークな商品が多いですね。センサーなどはIoT活用のニーズもあって引き合いも多く、取り扱いを増やしているところです。

田中 仕入れ先メーカーから、別の新しいメーカーを紹介されることもありますね。先日もイタリアのある企業を紹介されました。日本進出を目指すにあたって、福田交易との取引を勧められたそうです。

小西 海外メーカーは、日本でまだ見られないような事例を紹介しようとしています。それをいち早く紹介し、日本のお客様に新しい価値をもたらすのも、商品専任スタッフの仕事です。

いいとこどりで
組み合わせて提供

小西 弊社には昔から充実した語学研修制度があり、日々スキルアップに励んでいます。さらに我々商品専任スタッフはメーカーで技術研修を受け、お客様の要望をメーカーの開発・設計部門に直接伝える「橋渡し役」を担っています。こうした背景から自ら商品の適切な組み合わせを考案できるのも強みです。
 私はベアリングを保護するシールの技術サポートを担当していますが、シール単体を提供すれば済む仕事とは思っていません。お客様が望むのはシールではなく、工作機械のベアリングの潤滑性をいかに保つかということです。シールを使っていかにお客様の期待に応えるソリューションを提案するかが、ミッションと考えています。

田中 私が担当するスピンドルも同様です。スピンドルは海外のものをそのまま持ち込むだけでなく、製品を組み合わせてオーダメイドで設計することもあります。メーカーの標準品では対応できないような仕様でも、自ら設計することで対応商品を提供できます。中立的な立場の商社だからメーカーの縛りも受けず、要求仕様のためにあらゆるメーカーの製品をいいとこどりで選べることはアドバンテージと言えると思います。

宮崎 メーカーの製品だと、そのメーカーが在庫を持っていなければ出荷しようがありませんが、福田交易は国内に自社倉庫を持っています。さまざまな海外メーカーの製品を在庫で持っているため、それらの製品を組み合わせてスピンドルなどを作って納めることが可能です。自社で持っているから納期も価格もすぐに回答できます。

根来 国内に在庫を持っていることは、営業としても非常に心強いものです。輸入すれば2週間から1カ月かかる場合でも、千葉県にある在庫管理センターからなら国内輸送の日数だけで済みます。定番的な製品だけでなく、同じ製品でも他のメーカーが持っていないような特殊なサイズのものなどがあり、なじみのないお客様から「福田交易なら在庫があるかもしれないと思って」と問い合わせを受けたりもします。

小西 で、実際に在庫があったりするんですよね(笑)。

修理も国内で
完結するから早い

根来 お客様に製品を使いこなしていただくための、スキルアップのお手伝いを目的に提供しているのが、「トレーニングスクール」による研修サービスです。ケーススタディに基づく生きた事例を中心に紹介するこのスクールは、2019年春までに開催が計122回を数え、大手工作機械メーカーのエンジニアを中心に、約2000人の方に受講いただいています。
 ニッチな分野の講義は特に好評ですね。あるメーカーでは自社の研修プログラムにトレーニングスクールを組み込んでいただくなど、お客様との関係強化に役立っています。

製造業技術者向けに研修を行うトレーニングスクールでは、これまでに約2000人が受講している
自社設計スタッフにより、ニーズに応じたカスタムスピンドル設計が可能だ

宮崎 また、スピンドルの生産や修理などの機能を担うテクニカルセンターも2019年7月に新施設がオープンしました。新しいテクニカルセンターでは加工機や試験機器など生産や修理に使う設備が増強され、海外のスピンドルメーカーに近いテストや修理が可能になりました。これまで当社では対応できず、海外のメーカーに送り返さないと不可能だった修理も、国内にあるテクニカルセンターで完結できる範囲が広がり、アフターサービスがさらに強化された形です。

生産や修理の機能を担う「テクニカルセンター」。2019年7月に新しい施設が稼働した

小西 お客様が困った時に支援するアフターサービスと同様に原因を事前につぶすようなプロアクティブな対応を実現し、お役に立てる存在を目指したいですね。

よりよいものを
世界から

 福田交易は、単なる商社とは異なるベクトル志向で、世界からユニークでよりよいものを提供、それを根付かせることで日本の製造業に貢献してきた。その姿勢に磨きをかける同社の動向から、ますます目が離せない。

お問い合わせ先
福田交易株式会社
東京都中央区明石町11-2