~SaaSの時代が到来~ SaaS推進の鍵を握るのは“変化”と“グローバル化”の視点

2019年2月に新生「HENNGE株式会社」がスタートして約半年が経過した。同社は社名変更と同時にオフィスワーカー向けのIoTサービス「HENNGE Workstyle」もリリース、既に導入済の顧客を獲得している。SaaSのリーディングカンパニーとして存在感を示してきた同社が、新社名に込めた“変化”を体現した新機軸だと言える。その“変化”をキーワードに、HENNGE株式会社 取締役副社長の永留義己氏と、HENNGE製品を販売する豊田通商システムズ株式会社 取締役専務執行役員の渡辺廣利氏が、クラウド活用や今後、顧客に提供する新サービスの方向性について意見交換を行った。

目指すべき方向は
“変化”と“グローバル化”

永留:私たちは2019年2月1日に社名をHDEからHENNGE(へんげ)へと変更して、新たなスタートを切りました。進化し続けるテクノロジーを使って変化を恐れず楽しみたい、日本生まれのIT企業として世界中をワクワクさせたいという思いを込めたものです。

また新しいロゴマークは、上下左右に4つ並べた円の中央に円を重ね、その中心にロゴがおさまるようにデザインしました。円の中心に日本を置き、そこから5大陸(=世界)を目指し、そして皆様とのご縁(=5つの円)が生まれますようにとの思いを表現したものです。始めに我々の新社名を聞かれたとき、どのような感想をお持ちになりましたか。

渡辺:“変化”をキーワードとして掲げられているところに、我々との共通点を強く感じましたね。また“グローバル”をターゲットにされているところも、まさに我々の目指す方向と合致する点です。

永留:御社も2019年4月、会社分割に伴い、社名を豊通シスコムから現在の豊田通商システムズへと変更されたところですね。変化やグローバルにも関係してくると思いますが、新たな社名にはどのような意味が込められているのでしょうか。

渡辺:まず以前の豊通シスコムは、総合商社である豊田通商の営業本部とコーポレート本部の両方が管轄する企業として運営してきました。

しかし、営業本部のメインマーケットのトヨタグループでは自動車産業の100年に1度の変革中大規模な事業再編が実施されています。現在のビジネス環境は、先進性とスピードが要求されます。一方で社内コーポレートシステムには、正確性や堅牢性が求められます。このため、必要となる人材像や人事制度が2つの本部で大きく異なることとなってきます。こうした相反を解決し、トヨタグループの動きに柔軟に対応する必要が発生しました。

そこで我々は各々の顧客の要求に柔軟に応えていくため、トヨタグループをメインユーザーとする豊田通商システムズと豊田通商グループをメインユーザーとする豊通シスコムに会社を分割することで最適化を実施したわけです。

また今年、豊田通商本体は、デジタル化とグローバル化による事業の拡大、促進という方針を出しました。IT会社の我々は既にお客様のデジタル化を現業としており、現在ではさらに上位のデジタルトランスフォーメーションの世界に入っています。

そこはいわばビジネスプロデュースの領域であり、まさに商社系IT会社の機能が求められるところでもあります。

更に、我々は、海外に7社のIT会社を持っています。しっかりと海外のガバナンスも取り、一体になってIT事業をプロデュースしていくという意味で “システムズ”と複数形にしました。

デジタルトランスフォーメーション(豊田通商の商社機能)×グローバルITの一体化(システムズ)=豊田通商システムズという名称としました。

米国企業にITプラットフォームを握られている現状を、
日本から変えていきたい

永留:先ほどお話がありましたが、現在の自動車業界は“100年に一度の変革期”だと言われていますね。

渡辺:おっしゃる通りで、今後“自動車はPC化やスマホ化していく”と言ってもいいかもしれません。そこでは自動車自身がAIを利用した自動運転となり、ソフトウェアのアップデートもOver the Airで行うという世界が生まれるでしょう。

そこには、我々が自動車に付加価値をもたらすソフトウェアを販売するというチャンスが生まれてきます。自動車業界では、自動車メーカーに部品や製品を納入する一次サプライヤーのことを“Tier1(ティアワン)”と呼んでいますが、我々はソフトウェアやプラットフォームを提供するITのTier1になりたいと考えています。今はまさにそのターニングポイントの時期だと言えます。

永留:現在は“変化”が本当に大きなキーワードになっている時代だと思います。そしてもう1つが“グローバル化”ですね。

今世界で成功している一番大きな日本企業はトヨタだと思いますが、産業としては自動車業界であり、ITの世界でグローバルに大成功している日本企業は非常に少ないのが寂しい限りです。グローバルでIT業界のプラットフォームを担っているのは全てGAFA+マイクロソフトに代表される米国の会社ばかりです。

我々は自身のチャレンジと変化を通じてグローバル化を図り、こうした状況を日本から変えていきたいと思っています。

HENNGEの製品は、
野球で言えば“三遊間”をカバーしてくれるもの

HENNGEの製品は、
野球で言えば“三遊間”をカバーしてくれるもの

永留:現在御社には、トヨタグループの各企業様にHENNGE Oneを販売していただいていますが、私たちの製品をどのようにご評価いただいているでしょうか。

渡辺:我々のお客様は、国内外に約1,000社以上いらっしゃいます。

そして今、全世界のトヨタグループではクラウドシフトを進めていますが、その中心となるのが Office 365 です。我々は現時点で約50万ライセンスを販売しており、今後は、様々なクラウドサービスを組み合わせて提供していく計画をしています。

例えばHENNGE Oneは、クラウドセキュリティという必須機能の1つのサービス部品となるもので、野球に例えるなら“三遊間”の守備をカバーしてくれるものだと言えます。それが我々のお客様のクラウドシフトをさらに一歩、前に進めることに繋がるのです。

永留:今後 Office 365 に加えて、様々なクラウドサービスを組み合わせてご利用になるシーンが出てきた際には、HENNGE Oneの提供するシングルサインオンの機能が非常に有効になるかと思います。その意味ではまさにHENNGE Oneは、二遊間、三遊間をカバーする製品だと言えます。

現在御社では、グローバルにクラウドシフトを進められているとのことですが、今後我々は本腰を入れて海外展開を進めていきたいと考えています。まさに“グローバル化”という方向が合致しています。日本発のITサービスを世界に広げていくという取り組みを、是非一緒に進めさせていただきたいと強く思っています。

トヨタグループのニーズを把握しながら、
クラウドシフトを支援していく

永留:次に現在トヨタグループで進められているクラウドシフトについて、差し支えのない範囲で、もう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

渡辺:例えば現在よく知られているのは、自動車の走行データをモバイル通信でリアルタイムでクラウド上にどんどん蓄積していき、AIなどを使って分析し、有用な情報に変えていこうという取り組みです。

ただこの仕組みでは、生の走行データをフィルタリングすることなく、まずは一旦全て貯め込む形になるので、クラウドストレージの利用料金だけでも莫大なコストが発生することになります。

そこで生データからノイズデータをリアルタイムで省いていくソリューションがあればコスト低減が実現できます。現在はこうしたソリューションの開発を、自動車メーカーとも連携しながら進めています。

永留:それは先進的な取り組みですね。一方、オフィス関連のクラウドシフトについては、いかがでしょうか。

渡辺:今我々がグローバルにグループ間のお客様に提供したいと考えているのが、PCやタブレット端末を使ったペーパーレス会議の仕組みです。重要な企業データを扱うことになりますので、セキュリティを担保しつつ、グローバル会議の効率化を支援する仕組みの提供ですね。

そうしたソリューションが提供できるのも、トヨタグループのニーズを把握している我々ならではの強みだと考えています。

今後HENNGEとは、
グローバルな人材交流も実現していきたい

今後HENNGEとは、
グローバルな人材交流も実現していきたい

永留:最後に今後、我々に期待したいことなどがありましたら、是非お聞かせいただきたいと思います。

渡辺:繰り返しになりますが、我々のお客様は国内外の企業を問わず、グローバル化が大きなテーマとなっています。そこで我々がパートナー企業に求めるのも、日本国内だけに留まらず、グローバル規模で連携していくことができるかどうか、です。

HENNGEとは既にグローバルでソリューションを一緒に提供しており、こうしたソリューション面でのパートナーシップは、今後より一層、強固なものにしていきたいと考えています。

そして実はもう一つ、是非実現したいと考えていることがあります。それがHENNGEとの人材交流です。

永留:それは面白いですね。インターンシップのようなイメージですか?

渡辺:そうですね。御社ではグローバル採用に力を入れていて、海外の人材をまさにインターンとして受け入れられています。従業員の皆さんの国籍も多様で、個性豊かな人たちがそろっていると聞いています。

そこで3か月間あるいは半年間といったスパンで、我々の海外人材をHENNGEに留学させてもらい、そこでテクノロジーの知識やビジネスのノウハウだけでなく、日本語や日本の文化も吸収してもらいたいのです。

というのも、海外の人間が日本に来て、いきなりトヨタグループの仕事をするというのは、やはり非常にハードルが高いのです。そこで信頼のおけるパートナー企業であり、かつ多様な海外人材を受け入れられてるHENNGEにインターンシップを提供してもらえれば、我々はグローバルな人材を育成することができますし、逆にHENNGEのエンジニアの方にも当社に来ていただくことで、我々のお客様のニーズや新たなビジネスチャンスを獲得していただくことができると思います。あるいは我々の海外販売チャネルにHENNGEの製品を載せてもらうこともできるでしょう。

永留:確かにソリューション面に加えて、人材の交流にまでパートナーシップを広げることができれば、そこから共同ビジネスの企画なども生まれてくることが期待できますね。非常に革新的なご提案です。今後是非一緒に検討させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

CONTACT

豊田通商システムズ株式会社

https://www.ttsystems.com/

HENNGE株式会社

https://www.hennge.com/