ITモダナイゼーションSummit 2019

COBOLと共に歩む基幹システムの
モダナイゼーションとその未来

株式会社 日立製作所
サービスプラットフォーム事業本部
IoT・クラウドサービス事業部
フローマネジメント本部 基盤ソフトウェア部
五百木 伸洋

日本ユニシス株式会社
プロセスアウトソーシング本部
アドバンスドインフラサービス部
技術イノベーション室 一課
松枝 大輔

社会基盤などのシステムをCOBOLで長年開発してきた日立製作所は、Webテクノロジーとの共存を可能にするCOBOLアプリケーション開発・運用環境「COBOL2002」を提供する。その活用事例の一つが日本ユニシスの「BankVision」だ。COBOL2002の特徴を活かし、かつ、自社開発のミドルウェアと組み合わせることで高信頼性の確保などを実現し、ミッションクリティカルな勘定系システムのオープンシステム基盤での構築を可能とした。

国際規格に対応し、Web対応を可能とする
COBOL開発運用環境「COBOL2002」

株式会社 日立製作所
サービスプラットフォーム事業本部
IoT・クラウドサービス事業部
フローマネジメント本部
基盤ソフトウェア部
五百木 伸洋

現在も世界中でビジネスの第一線で活躍し続けているCOBOLアプリケーション。とりわけ金融業界ではその取引に不可欠な存在となっている。

日立製作所の五百木氏は「COBOLが使われ続ける理由は主に、信頼性の高い豊富なプログラム資産を活用して新たな価値を生み出せること、金額計算に向いていること、データベース・メモリ設計がしやすいことの3つです。今後も基幹業務システムで活躍するでしょう」と話す。

日立製作所はCOBOLで業務システムを長年開発しており、金融機関や公共交通機関、行政機関をはじめ、多くの社会基盤に採用されている実績を持つ。同社が長年蓄積した技術とノウハウの結晶というべき製品が、COBOLアプリケーション開発環境/運用環境「COBOL2002」である。

COBOLは2002年に国際規格が改正され、オブジェクト指向プログラミング用の構文や例外処理など、多くの機能が追加された。COBOL2002はその国際規格に対応しており、柔軟なプログラミングが行える。

加えて、JavaやXMLといったオープン系のWebテクノロジーとの連携機能も提供する。「たとえば、Webアプリケーションを構成する業務システムの一部に、実績のある既存COBOL資産を活用したり、新たにCOBOLで開発するシステムを使ったりできます。そのような連携によって、業務ロジックの信頼性を維持しつつ、Web対応が可能となります。また、ビジネスデータ交換用のXMLデータなどをCOBOLで扱えるので、他システムとの柔軟なデータ連携も行えます」(五百木氏)。

さらには64bitアプリケーションへの対応、操作性のよい開発環境、強固なサポートと保守性などの特徴も備える。「COBOL2002によって、COBOLの資産を活かしながら、高信頼性を確保した上で、国際規格の機能を活かした機能の追加・改善、オープン系との連携などによって、将来に向けてシステムを拡張できます。まさにミッションクリティカルシステムに対してこそ、真価を発揮します」と五百木氏は強調する。

日立製作所はCOBOL2002とあわせ、現行のCOBOLシステムを異なる稼働環境へ移行するマイグレーションソリューションなども提供しており、モダナイゼーションを包括的に支援する。

COBOL2002と独自開発ミドルウェアにより
オープン環境でミッションクリティカルを実現

日本ユニシス株式会社
プロセスアウトソーシング本部
アドバンスドインフラサービス部
技術イノベーション室 一課
松枝 大輔

COBOL2002を採用した金融系のミッションクリティカルシステムの事例が日本ユニシスの「BankVision」である。同社の45年を超える勘定系システムのノウハウとオープン化への十分な準備期間を経て、2007年から提供開始した。

日本ユニシスの松枝氏は「BankVisionではミッションクリティカルな勘定系システムのオープン化を他社に先駆けて実現しました。開発言語には、可読性が高く事務処理に適したCOBOLを汎用機から継続して利用しており、現在も安定稼働しています。将来的には、オンプレミス・クラウド双方のメリットを活かして、サービスを提供する環境を柔軟に選択できるシステムをめざしています」と紹介する。

BankVisionでは、“止まることの許されない”勘定系システムを、いかにオープンシステム基盤で構築するかが問われた。そのための課題のひとつが、ミッションクリティカルシステムの稼働の保証であった。

「解決策として、ミドルウェア『MIDMOST』を自社開発しました。ミッションクリティカル処理をオープン基盤で安全・確実に行うためのミドルウェアであり、トランザクション制御機能や障害波及防止/追及機能などを備えています」(松枝氏)

ミドルウェアと並び、“止まることの許されない”システムの柱となったのが、日立製作所のCOBOL2002である。

「新しい取り組みに対する強固なサポートと保守性から、COBOL2002を採用しました。データベースアクセス・アダプタ、例外発生時のプロセスダンプ出力といったエンハンス機能も高く評価しました。前者はオープン系RDBMSとのシームレスな連携、後者は迅速な障害解析による信頼性向上をもたらし、まさにBankVisionが必要としていた要素でした」(松枝氏)

BankVisionはCOBOL2002とMIDMOSTのコラボレーションによって、高信頼性と共に、将来のアプリケーションの再利用性やサービス拡張性なども実現。その結果、オープンシステム基盤でミッションクリティカルな勘定系システムをCOBOLで構築可能とした。

BankVisionは現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)およびクラウド化への取り組みを進めている。

「DXへの取り組みの一環として、銀行データの業務活用を促進するWebAPI公開機能やオープンAPI公開基盤(Resonatex)を提供しました。クラウド化については、IaaS実機検証においてCOBOLアプリケーションが問題なく動作することを確認済みです。さらにはメガクラウドのメリットであるスケーラビリティやフレキシビリティ等をより享受するための手段の一つとして、コンテナ技術の活用にも取り組んでおり、将来的にクラウドが提供する新技術・新サービスとの迅速な連携や利活用を視野に入れています」(松枝氏)

お問い合わせ

株式会社 日立製作所

サービスプラットフォーム事業本部

https://www.hitachi.co.jp/soft/ask/

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