町田
まずブロックチェーンには大きく2種類あります。あらゆる人が情報にアクセスできる「パブリック型」と、あらかじめ許可したメンバーのみが情報にアクセスできる「許可型」です。
ビットコインなどの仮想通貨はパブリック型を基盤としますが、ビジネス活用においては、ガバナンスやコンプライアンスの点から許可型が適しています。IBM Blockchain Platformは、この許可型ブロックチェーンを支えるOSS「Hyperledger Fabric」をベースとした、ブロックチェーンによるサービスの開発・運用基盤です。
「IBM Cloud」上のSaaSサービスとして提供され、数クリックという簡単な操作でブロックチェーンネットワークを構築したり、アプリの開発・検証から本番環境の運用までを行うことが可能です。
肥後
数年前に比べ、開発環境やインフラレイヤーのサービスが整ってきて、アプリケーション開発者が始める上での技術的なハードルはずいぶん下がりました。こうしたサービスを利用すれば、アイデアを迅速に形にすることができそうです。従量課金型なら初期投資も抑えられ、始める際のハードルも低いと思いますし。
町田
ありがとうございます。さらに、短期間でのプロトタイプ作成を支援する「IBM Cloud Garage」や、IBM Cloudの他のサービスを併用することで、一層迅速かつ効果的なサービスの開発・検証が行えるようにしています。
坪井
私自身は、「IoT・クラウド・ブロックチェーン・AI」を“4種の神器”と呼び、ワンセットで考えています。いずれもデータに関わる技術であり、IoTは収集、クラウドは保管場所、ブロックチェーンは保管方法、AIは活用方法を担います。この数年で、このセットが実用可能なレベルに達しました。
実際、手を動かしてみると分かるのですが、「ブロックチェーンだけ」「IoTだけ」「AIだけ」でサービスを考えても、なかなかうまくいかないものです。常にこの4つを連動して考え、一緒に使うことで何ができるかを考える視点は、これからのアプリケーション開発者に欠かせないと思います。
町田
それは大変興味深い視点ですね。確かに、最終的には多くのサービスが、データをどのように集め、どう蓄積・供給し、活用するかという点は核になります。ユーザーの活用シーンを考えながら、必要な技術を複合的にプラットフォームに組み込むことで、ソリューションが形になっていくのですね。
坪井さんの言う“4種の神器”は、いずれもIBM Cloudが強みとしています。ブロックチェーンやIoT、AIを含め、既に提供済みの様々なサービスを組み合わせることによって、これまでにないまったく新しいソリューションを簡単に、また迅速に構築することが可能になります。