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配線作業の合理化・効率化で社会の課題に応える/スイッチのリーディングカンパニーIDECがプッシュイン化を推進

産業用スイッチなどで業界をリードするIDECは、作業工数の大幅節減などで注目されるプッシュイン接続方式への対応を表明した。スイッチをはじめ、リレーソケット、スイッチングパワーサプライ、端子台、サーキットプロテクタなどの対応製品を2019年7月より順次発売する。

労働力不足が顕在化するものづくり現場

 「盤」と総称されるユニットは産業や社会の縁の下の力持ちのような存在だ。工場設備、プラント設備、鉄道、道路、船舶、エレベータ、空調(HVAC)などを制御する制御盤、高圧電力系を低圧電力系に変換する配電盤、電力を分配する分電盤など、箱型の筐体に収められたさまざまな盤が産業や社会を支えている。

 こうした盤は、システムや要件に応じて基本的に一品一様であり、専門技術者が設計や組み立てを担っている。日本においてはビルや社会インフラの更新が相次いでいる時流も後押しし、業界は好況を呈している。

 一方で、労働力人口の減少や高齢化の波は業界にも深い影響を及ぼしている。熟練工が担ってきた設計、組み立て、据え付け、現地調整、保守などの一連の技術をいかに効率的に、経験の浅い労働者や外国人労働者へ継承できるかが求められている状況だ。

プッシュイン化を推進するIDEC

 業界の課題を見据えて、スイッチやねじ式端子台で業界をリードするIDECが新たに提案するのが、プッシュイン接続方式である。フェルール端子付電線または単線を配線口に差し込むだけで接続できるため、ねじ締め作業が不要。配線や保守に要する工数を大幅に削減できるとして注目されている接続方式だ。

 IDECは具体的な取り組みとして、端子台、スイッチをはじめ、リレーソケット、安全リレーモジュール、スイッチングパワーサプライ、サーキットプロテクタなど、さまざまな製品のプッシュイン化を進めていく計画を表明した。

 国内の制御機器メーカーも近年はプッシュインに対応した製品を提供しつつあるが、このような幅広い取り組みを明らかにしたのは産業用スイッチで50%のシェアをもつIDECならではといえる。プッシュインのいわば本格導入の火付け役的な存在を目指す。

 プッシュインへの対応が予定されている製品のうち、スイッチとコンタクトブロックの進化は図1のとおりだ。IDECは1958年から、用途やニーズに応じてさまざまなコンタクトブロックを開発してきた。1993年には接続が容易で端子カバー不要などの特徴をもつHW-Gコンタクトブロックを開発。さらに2017年には、国際規格であるIEC 60529が定める保護等級IP20に準拠したHW-Uコンタクトブロックへの統合を行った。

 新たに発売予定のプッシュイン式コンタクトブロックは、これまで培ってきたコンタクトブロックのノウハウと信頼性がベースになる。もちろんねじ式の既存品種の販売も継続される。

 また、プッシュイン対応の端子台については、世界的なシェアをもつドイツのワイドミュラー(Weidmüller)と提携、製品を販売していく。こちらも同様に、ねじ式など既存の端子台も従来どおり提供する構えだ。

※IDEC調べ

図1 IDECのスイッチとコンタクトブロックの進化

ドイツのワイドミュラー社と戦略的パートナーシップを締結

 IDECは、端子台の世界的なサプライヤーである独ワイドミュラー社と戦略的パートナーシップを締結した。プッシュインをはじめとするワイドミュラー社の端子台を国内で販売・サポートするとともに、プッシュイン接続技術を組み込んだ製品開発を行うのが骨子だ。

図2 Partnership