物流のプラットフォーマーへ 日本通運の挑戦

データのサプライチェーン、インテルが提唱するDcX

インテル株式会社 代表取締役社長 鈴木 国正氏

鈴木:「物流データの可視化」という表現がありましたが、インテルではデータ活用を中心に据えたデジタル変革『DcX(データセントリックトランスフォーメーション)』という考えを提案しています。収集されたデータを攻めの経営に活用したり、お客様にベネフィットを生み出したりと、徹底的なデータの利活用を想定しています。このDcXを実現するために、インテルは要素技術を持っています。その技術とは、「Move Faster(より高速な移動)」、「Store More(より大量の保存)」、「Process Everything(全てを処理する)」の3つの動詞に関連づけられます。例えば、HDDとCPU間のデータアクセスも高速化しています。CPUでデータを処理して、処理したデータを素早く移動させて、サーバーに効率よく保存する。これは、まるでデータのサプライチェーンです。これまでうかがった物流業界のお話と照らし合わせていると、私たちインテルはデータのサプライチェーン技術を持っていると言えるかもしれません。

齋藤:確かに、相通じるところを感じますね。

鈴木:インテルは半導体プロバイダーですが、データのサプライチェーン技術を活用したサービスプロバイダーでもありたい。そこで重要視しているのが、中立性です。インテルのCPU、サーバーは、多種多様な業界で採用されています。いわゆるデータに関わるサービスでは、既に多くのお客様にお使いいただいている。しかし、それらのサービスでインテルが前面に出ることはありません。このような形で様々な産業のDcXを支えていきたいと思います。

齋藤:『Pharma2020』でインテル様と協業し、新しいテクノロジーやデータを活用する当事者となったのですが、多くの気づきがありました。我々は医薬品分野でプラットフォーマーを目指していますが、それはほかの産業にも転用できると考えています。そこで重要になるデータ活用についても、是非、お力添えをいただきたいです。今後も、私たちが目指す未来や抱えている課題に対して、最新技術を活用したご提案をいただき、上手くソリューションにつなげたいですね。

鈴木:最新技術では、AI、5G&ネットワークレボリューション、インテリジェント・エッジといった3つの分野に継続投資をしています。例えば、AIでは、学習や推論を行う性能が従来製品よりも最大約1.87倍に向上した『第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー』といったCPUを導入しました。これらの技術分野でも将来的に、日本通運様のプロジェクトに貢献させていただきたいと思っております。

齋藤:我々が掲げる「イノベーションによる新たな価値創造」には、先程うかがったDcXが大切ですよね。それも、ただ導入するのではなく、企業としてのデジタル活用の目的を明確に持つことが必要です。新しいことを知り、既存事業を着実に改善し、新たなサービスを発想していく積み上げ型の発想は日本人が得意とする領域です。日本通運はインテル様の技術を活用することで、テクノロジーが生み出す価値を実践的に回していく役割を担いたい。それによって、社会、皆様の生活に貢献していくことが最終的な使命です。

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