トップへ

加速するデータ中心の世界と迫りくる「2025年の崖」
克服するために必要なIT基盤とは?

現在、地球上で生まれるデータの量は、数年前と比べると爆発的に増加している。オンライン需要が増えるウィズコロナ、アフターコロナの時代はその傾向がさらに強まっていく。さらにIT人材の不足が叫ばれる「2025年の崖」も目の前に迫る。こうした課題に向けて、企業はどのような備えをしていくべきか?インテルのビジネス・マーケティング・ディレクターに話を聞き、その答えを探る。

データの有効活用はわずか2%に
過ぎないという“現実”

2020年5月、調査会社のIDCは全世界の2020年におけるデジタルデータの総量予測を発表した。それによると、データ量は59ゼタバイト(1ゼタバイトは10億テラバイト)を超えるとしている。

背景には、新型コロナウイルス感染症の影響による在宅勤務の増加がある。日本でもビデオ通話を活用したオンライン会議がウィズコロナの日常風景となりつつあるが、これらがデータ量を押し上げる要因となった。

その一方で、2025年までにITシステム上の課題やIT人材不足などに直面する「2025年の崖」が取り沙汰されている。経済産業省は、2025年にはIT人材が約43万人不足し、基幹系システムの老朽化によるリスクが急増すると指摘。将来的な成長、国際的競争力を高めるために、早急なデジタルトランスフォーメーション(DX)が必要だと説く。

インテル株式会社
マーケティング本部
ビジネス・マーケティング・ディレクター
矢嶋 哲郎氏

この巨大な2つの課題を解決するために、次の時代を見据えたIT環境に対応するシステムの構築が急務となる。インテル マーケティング本部 ビジネス・マーケティング・ディレクター 矢嶋哲郎氏は、いかに我々が“データ中心の世界”に生きているかを次のように説明する。

「現在、世の中で取り扱われている膨大なデータの50%以上は過去2年以内に作られたものです。しかし、この膨大なデータのうち、実際に分析され、何らかの用途に使われているものは2%に過ぎません。それゆえ、今後はこのような環境に対応するインフラの整備が求められます」(矢嶋氏)

人類が使い切れていない膨大なデータを活用するための技術として期待されているのが「クラウドコンピューティング」「人工知能(AI)技術」「次世代ネットワーク技術とネットワークとエッジコンピューティング」。矢嶋氏は、それらを実現するテクノロジーやインフラとして、次の3つを具体的なものとして挙げる。

1「あらゆる処理を実現する高性能プロセッサー」
2「高速なデータ移動を実現するネットワーク技術」
3「より多くのデータを保存できるメモリー・ストレージ」

事実、インテルはこのようなニーズに対応する幅広い製品開発を行っている。

インテルはプロセッサーだけに非ず――
データ中心の世界を支える最新テクノロジー

まずは1つめの「あらゆる処理を実現する高性能プロセッサー」について。クラウドコンピューティングが今以上に普及することで、データセンター内で活用されるワークロードが多様化し、対応するプラットフォームが必要になるのは間違いない。そこでインテルではデータセンターで使われる製品開発に注力。ラインアップの核となる製品が、「第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」だ。

インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、高いパフォーマンス性能、優れた拡張性、抜群のセキュリティ性能を誇る。さらにネットワークやクラウドに最適化され、「次世代のIT環境に対応可能なプロセッサー」と呼ぶにふさわしい仕上がりになっている。 

AIの「深層学習(ディープラーニング)」の推論処理を最適化・高速化する「インテル DL(ディープラーニング)ブースト」機能を備えているのも特徴の1つだ。これにより、推論処理性能が前世代のプロセッサーに比べ14倍に進化した。

この機能の恩恵は大きい。現在、ディープラーニングの処理にはGPUが使われるケースが多い。しかし、「インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーはそれに引けを取らないパフォーマンスを発揮できます」と矢嶋氏は言う。汎用的なプロセッサーであることも魅力の1つ。例えば保有データを活用してAIを試す際にインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを使ってシステムを構築すれば、テスト後にAIで思ったような成果が得られないことが分かっても別の用途に転換可能になる。これはユーザーにとってうれしいポイントである。

矢嶋氏は「ディープラーニングのトレーニングではGPGPUの活用例もありますが、AIをこれから広く活用しようという企業にこそインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーをぜひ活用してほしい」と語る。

2つめの「高速なデータ移動を実現するネットワーク技術」については、イーサネットの他、「シリコン・フォトニクス」やHPC向けに「インテル® Omni-Path ホスト・ファブリック・インターフェイス(インテル® OP HFI)」を提供している。これらは、5Gが実用化された後に増加するデータセンター内のデータ移動を高速化できる。

3つめの「より多くのデータを保存できるメモリー・ストレージ」を実現する製品が、「インテル® Optane DC パーシステント・メモリー」と「インテル® Optane DC SSD」だ。

インテル® Optane DC パーシステント・メモリーは、DRAMに比べてスピードは劣るものの、大容量を実現できるメモリー。その特徴を生かして、例えばインメモリデータベースの性能を上げられる。不揮発性メモリーのため、トラブル発生時の復旧時間が短縮できることもメリットの1つになる。

インテル® Optane DC SSDは同様の技術をストレージに用いたSSD製品で、従来製品に比べて最大20倍の容量を実現しているのが最大の特徴である。

第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、「インテル DL(ディープラーニング)ブースト」機能により、「ディープラーニングといえばGPGPU」という常識を覆す処理能力を実現している

データセンターの課題を乗り越えるには
一刻の猶予も許されない!

旧来型から次世代型へ進むには、どのようなアプローチが有効なのだろうか。矢嶋氏は、インテルのIT部門が運用・管理を行ってきた自社のデータセンターの変遷を例に、このように説明する。

「一般的な空調設備を使っていた1990年代に2~1.4だったデータセンターのPUE(データセンターの電気使用効率)は、2000年代の床下空調や暖気分離方式、2010年代の外気空調を経て、現在では熱交換型の水冷システムを導入した結果、1.04になりました。あわせて行った高密度型のサーバーの導入などにより、将来を見据えたデータセンターの統廃合を進めている最中です。こうした取り組みにより、2003年には152カ所あったデータセンター施設の数は、2018年には55カ所にまで削減されました。取り組みの成果は順調に表れています」(矢嶋氏)

また、2000年代半ばからシステム運用の効率化を目的に進めてきたクラウド変革では、各アプリケーションの必要性や置き換えられるクラウドサービスの有無などを合理的に判断するプロセスを導入。これに従ってアプリケーションの移行を進め、2016年時点で85%以上のワークロードで仮想化技術を活用している。

以上2つの事例からわかることは、インフラを整備するにせよ、システムを変更するにせよ、それらを実現するには多大な時間がかかるということだ。例えば、クラウド変革を実現するにしても、社内で使われているアプリケーションを棚卸しして、運用計画を作成し、プラットフォームを構築していかなくてはいけない。

矢嶋氏も「(すべての組織、企業は)すぐにでも取り組みを進めるべき」だと訴えるが、ここで構築する新たなIT基盤は次世代のニーズに応えられるものでなければならない。

それゆえ、ネットワーク、メモリー・ストレージ、そしてプロセッサーといった幅広いラインアップによって、“データ中心の世界”で求められる要求を満たすインテルのデータセンター向け製品群を導入することが最善策であることは間違いない。