トップへ 日経 xTech
EXPO 2019

インテルの先進テクノロジーがビジネスを加速する!:IDCフロンティアx富士通事例[後編]
SDS環境を、従来環境の2倍のIOPS性能と
8分の1のコスト削減効果を実現するインテルの
プロセッサーとSSDを搭載した富士通サーバーで実現

2018年11月にインテルプロセッサー搭載の富士通サーバーを採用した「ベアメタルサーバー」をリリースした株式会社IDCフロンティアは、高性能なベアメタルサーバーを高い処理能力と低遅延性能を備えユーザ企業に提供することを実現した(前編参照)。同社はその際に得た知見を自社システムにも応用、さらにインテル® Optane™ SSD DC をストレージ仮想化ソフトのキャッシュとして採用することで、従来のオールフラッシュストレージに比べて高いIOPS性能とコスト削減効果を獲得した。

サービス管理用の社内システムでSDS環境の構築を検討

これまでIDCフロンティアでは、顧客に提供する各種クラウドサービスの管理用基盤として、VMwareベースの仮想サーバーを利用し、ストレージ環境にはオールフラッシュストレージを採用していた。以前の状況について、クラウド本部 クラウドインフラ部の最上恒義氏は、次のように説明する。

「サービス管理用のシステムは社内環境ということもあり、単純にサーバーとハードディスクベースのストレージを繋げるだけの構成を採っていたのですが、パフォーマンスの問題がありました。HDDベースでは、どうしても性能が追い付かない。そこで第2世代としてオールフラッシュストレージを導入し、パフォーマンスの問題は一旦解決したのですが、今回管理用のシステムを拡張するに当たり、オールフラッシュストレージの追加導入と、加えてコスト面での改善を検討したのです」(最上氏)

株式会社IDCフロンティア
クラウド本部 クラウドインフラ部
最上 恒義氏

そこで検討したのが、顧客向けのプライベートクラウドサービス「IDCFプライベートクラウド」で既に利用していたストレージ仮想化ソフト「VMware vSAN」を社内環境にも適用し、SDS(Software-Defined Storage)環境を構築することだ。

インテルの先進テクノロジーを採用して“速い”SDS環境を実現

そこで同社が新たなストレージ環境に求めたのが、“速く”という要件だ。

「VMware vSANを利用すれば、ストレージへの投資コストを最小限に抑えることができます。さらにもう1つ、我々には大きなインセンティブがありました。それが我々の提供するベアメタルサーバーで既に採用していたインテルの先進的なSSDであるインテル® Optane™ DC Solid-State Drive(インテル® Optane DC SSD)を活用することです」(最上氏)

「これによって我々は、お客様により高性能なインフラ環境をご提供できるようになりました。これと同じ環境を社内システムにも導入し、VMware vSANを使ってSDS環境を構築すれば、我々の求める“速く”という要件を満たすことができると考えたのです」(最上氏)

インテル® Optane DC SSDが、
SDS環境のパフォーマンス向上を可能にする

今回同社が構築したVMware vSANベースのストレージ環境は、いわば第3世代に相当するもので、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーとインテル® Optane DC SSDを組み合わせ、VMware vSANを利用することで、従来環境よりも高い性能の実現を目指したものだ。

最上氏は、2018年11月にベアメタルサーバーの高速ストレージタイプをリリースするに当たり、国内外に数多くあるインテル® Optane DC SSDの導入事例を参照し、また自社サービスで利用していたVMware vSAN環境との性能比較も行ったという。

「具体的にチェックしたポイントですが、お客様向けのIDCFプライベートクラウドでは、VMware vSANのキャッシュにSSDを利用していたのですが、そのキャッシュ領域にインテル® Optane DC SSDを適用した場合に、どんな変化が得られるのかを検証しました」(最上氏)

IDCFプライベートクラウドでは、物理サーバー6台を最小構成として顧客企業に提供しているが、この6台構成時のvSANクラスタ(=SDS環境)の性能を、キャッシュにSSDを利用した場合とインテル® Optane DC SSDを利用した場合とで比較したのだ。

「その結果、VMware vSANのキャッシュにインテル® Optane DC SSDを適用した場合には、IOPS性能がオールフラッシュストレージの2倍、コストは約8分の1という大きな成果を得ることができました。まさにより速く、より低コストでSDS環境を実現できるということです」(最上氏)

社内のSDS環境にも活かされた
富士通の性能チューニングのノウハウ

先にも触れた通り、IDCフロンティアでは顧客に提供するベアメタルサーバーの基盤として富士通のPCサーバーを採用したが、その際に富士通から提供してもらったノウハウが、今回構築したSDS環境にも大いに活かされているという。

この点について、クラウド本部 クラウドインフラ部の松山隆昌氏は、次のように説明する。

「そもそもインテルテクノロジーを搭載した富士通のサーバーは、それ自体でも十分な性能を発揮してくれるのですが、我々はお客様により“パワフル”なコンピューティング環境をご提供することを自分たちのミッションだと認識しています。そのため、お客様がサーバー上のOSを自社の要件に合わせて色々な環境でご利用になるベアメタルサーバーでは、最大限の性能アップを図ることのできるチューニングが必要だと考えています。その際にインフラとしてのベアメタルサーバーの性能チューニングはOS側ではなく、全てサーバー側で行う必要がありますが、その中で富士通には、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーの性能と同時にインテル® Optane DC SSDの性能も引き出し、パフォーマンスとコストとの最適なバランスを図るという性能のチューニングをサポートしてもらいました。今回サービス管理用の社内システムでVMware vSANベースのSDS環境を構築するに当たっても、その際のチューニングバランスをそのまま適用しています。富士通のノウハウが、お客様向けのサービスだけでなく、我々の社内環境にも活かされているということです」(松山氏)

株式会社IDCフロンティア
クラウド本部 クラウドインフラ部
松山 隆昌氏

また富士通はシステムの監視管理面でも、IDCフロンティアを強力に支援している。

「富士通は、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)をベースにBMC(ベースボード管理コントローラ)という管理用モジュールを介して、システムの稼働状況を遠隔監視してくれます。万一メモリー故障の予兆などを検知した場合には、監視担当者にアラートを通知してくれるので、我々はシステム停止のリスクを最小限に留めることができています」(松山氏)

インテルの先進テクノロジーの活用が、
新たなサービス展開のスピードを加速する

インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーとインテル® Optane DC SSDの活用により、IDCフロンティアでは顧客向けサービスだけでなく、社内システムのパフォーマンス向上とコスト低減を両立することができた。

今後も同社はインテルとのパートナーシップにより、サービス展開のスピードをさらに加速していきたい考えだ。

「インテルと直接コミュニケーションを図ることのできる関係にあることで、我々は自分たちのサービスにマッチするような最新テクノロジーや製品の情報を、いち早く得ることができます。それはとりも直さず、お客様にご提供するサービスのロードマップをより迅速に描き、展開していくことを可能にしてくれるものです。インテルとのパートナーシップの最大のメリットは、この点に集約されると考えています」(松山氏)

実際に同社では今後、今回構築したVMware vSANのキャッシュにインテル® Optane DC SSDを利用したSDSソリューションの外販も検討していく予定だ。

また最上氏もインテルとのパートナーシップにより、情報収集のスピードが格段にアップしたと強調する。

「今回お話したのは、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーとインテル® Optane DC SSDについてですが、我々はこれらの製品以外にインテル製のNICも使っています。インテルとのパートナーシップにより、様々なハードウェアの最新情報を、いち早く入手できるようになりました。これは本当に大きなメリットです」(最上氏)

さらに最上氏は、それらの情報を俯瞰して眺めることで、ITのトレンドが今後どのような方向に向かうのかの見当も付けることができると続ける。

「それは会社としての選択肢の幅を広げ、最終的に選択した判断の精度を高めることにも繋がります。これからもインテルとのパートナーシップを、より一層強固なものにしていきたいと思います」(最上氏)

今後同社では、メモリーの高速性とストレージの永続性・大容量性を実現したインテルの画期的なメモリー製品であるインテル® Optane DC パーシステント・メモリーも検証し、顧客向けサービスへの採用を検討していきたい考えだ。