tags on every page of your site. -->
トップへ

“AIがヘルスケアを変える”時代へ
データ活用がもたらす医療改革

医療/医療機器業界向けの「インテル・メディカル・ワークショップ」が、2019年4月12日に開催された。イベントに先立ち、人工知能(AI)の活用などに最適化された「第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」を発表したインテル。このプロセッサーを利用してAI処理のパフォーマンスを最大化するポイントなどについて、事例を交えて紹介された注目のイベントの模様をレポートする。

Math Kernel Library

エッジからクラウドまで
全てのAIインフラを下支え

――AIはヘルスケアを変えた。

イベントの冒頭、挨拶に立ったインテル IoTセールス ヘルスアンドライフサイエンス担当 エド・バフォン氏(Ed buffone)がそう話すように、AIが医療を進化させているという事例は数多い。中でもAIによる画像解析は特に活用が進んでいる分野。例えば患者のレントゲン写真をAIで解析することで、医師が見落としがちな病気の兆候を発見するという具合に――。

インテル
IoTセールス ヘルスアンドライフサイエンス担当
エド・バフォン氏

バフォン氏によれば、「インテルはここ数年、医療に貢献するためのテクノロジーに関する研究開発に注力している」そうだ。そんな同社が、AI活用において標榜しているのが「エッジツークラウド・ビジョン」という考え方。現在、効率的なAI処理を実現するためのアプローチとして、クラウドコンピューティングに加え、エッジコンピューティングを活用する仕組みが注目されている。エッジからクラウド、そしてそれらをつなぐ通信技術までを支えるソリューションを展開していくというものである。

そして、そのようなビジョンの下、次世代型のAI活用を実現する基盤として同社が提供するのが、クラウド上の大量のワークロードをサポートする第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー。「ディープラーニングの推論を以前よりさらに高速化するアクセラレータ機能『ディープラーニング・ブースト』が搭載されている」(バフォン氏)ことからも明らかなように、AIのためのプロセッサーに位置づけられている。

しかし、いくらハードウェアが優れていても、エッジ側で稼働するソフトウェアがハードウェアとうまく連携できなければそのポテンシャルを発揮しきれないのは言うまでもない。

そのような課題を解決するのが「OpenVINO™ ツールキット」。これは、バフォン氏に続いて登壇したインテル IoT 事業部 ヘルスアンドライフサイエンス AIアーキテクトのビシェック・コーワラ氏(Abhishek Khowala)が「AIが作成したモデルから不要な部分を取り除き、最もシンプルなモデルに組み換えることで性能を上げる」と説明したソフトウェアツールキットである。

具体的には、インテルのプロセッサーの性能を最大限に引き出す「インテル® MKL(Math Kernel Library:マス・カーネル・ライブラリー)」やAIのアルゴリズムを最適化する「MKL-DNN」といったライブラリー、USBタイプのエッジデバイス「Intel Movidius™ Neural Compute Stick(NCS)」のSDKなどが用意されているという。

インテル
IoT事業部 ヘルスアンドライフサイエンス AIアーキテクト
ビシェック・コーワラ氏

OpenVINO™Toolkit

エッジ側ソフトウェアをプロセッサーに最適化
AI処理性能はどのくらい向上?

コーワラ氏は、講演の中で、脳梗塞検知の処理時間を400%削減させたmaxQやCTスキャンのパフォーマンスを5倍向上したシーメンスの事例など、第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーとOpenVINO™ ツールキットを使った事例を紹介。

中でも印象的だったのがGE HealthcareとPhilipsの事例である。

GE Healthcareは、アキシャルCTの分類でディープラーニングとインテルのアーキテクチャーを活用。導入にあたり、4台の第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを使って1秒当たり100枚の画像処理を性能目標に設定したところ、最適化をしない場合は1秒当たり58枚という結果に――。そこで、OpenVINO™ ツールキットを使って最適化したところ、パフォーマンスは1秒当たり598枚と10倍以上に向上したという。

Philipsのユースケースでは、骨年齢が実年齢よりも高いか低いかによって栄養失調などの成長不全を特定する、小児患者向けの骨年齢推測モデルを紹介。こちらの事例ではディープラーニングトポロジーで第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーだけでもともと1.42画像/秒だった処理性能が、OpenVINO™ ツールキットを使って最適化することで74.8画像/秒まで向上。さらに48コア搭載の第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーのコアを、2コア1組とした24のインスタンスとしてOpenVINO™ ツールキットで処理したところ、パフォーマンスは267画像/秒になり、当初に比べて約188倍のパフォーマンス向上に成功したという。

さらにコーワラ氏は、デモンストレーションとして、脳腫瘍のセグメンテーションを実施。ここではOpenVINO™ ツールキットで最適化すると正確性はそのままに、処理時間が半分以下になることが実証された。

話は遡るが、イベント冒頭のバフォン氏の挨拶で「ハードウェアとソフトウェアのテクノロジーを組み合わせることで、AI処理において成果を上げられる」旨の発言があったが、第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーとエッジ側のソフトウェアを最適化できるOpenVINO™ ツールキットで、それが実現できるという訳だ。

今後は「日本においても数多くの組織でOpenVINO™ ツールキットを利用してもらい、多くの課題や事例を出してほしい」とコーワラ氏。日本におけるAIプレーヤーと積極的に協調していきたいという考えを明らかにした。

本イベントでは、インテルのテクノロジーがエッジからクラウドまですべてをフォローしていること、そしてそのことが医療の進歩を支えていることを印象付けることとなったが、それも、同社が「医療への貢献がより大きな社会への貢献につながると考えてきた」(コーワラ氏)からこそなのだろう。

「今後も世界中でさまざまな成功例を生み出し、より良い結果を世界にもたらしていく」(バフォン氏)という同社の動向から、これからもますます目が離せなくなりそうである。

インテル医療向けAIについての詳細はこちら
OpenVINO™ ツールキットの詳細はこちら
インテル® Xeon®プロセッサーについてはこちら