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“データセントリック”の時代を勝ち抜く術
「INTEL DATA-CENTRIC INNOVATION DAY」
開催レポート

2019年5月、東京・目黒のホテル雅叙園東京においてインテル主催による「INTEL DATA-CENTRIC INNOVATION DAY」が開催された。来るべき“データセントリック(=データ中心)”の時代を勝ち抜いていくためには、AIなど最新テクノロジーの活用が必要不可欠だが、その際にはデータを大量に収集し、確実に処理するための高い計算能力が求められる。このイベントでは、データ活用上の課題を解決するためのソリューションとして、インテルのデータセンター向け最新製品が紹介され、併せてインテルテクノロジーを活用する海外企業の事例やインテル自身の取り組みも披露された。

データの移動・保存・処理という3つの視点から、
製品ポートフォリオを構成

イベントの開催に当たり、開会の挨拶に立ったのがインテル株式会社 代表取締役社長の鈴木国正氏だ。鈴木氏は、デジタル・トランスフォーメーションの重要性が高まっている現在のビジネス環境の中で、インテルとして何をするのかについて言及した。

「我々は数十名のメンバーから成るコーポレート戦略チームを立ち上げ、3つの観点から新規事業の創出および開拓のためのフレームワークを作りました。それが、産業ごと、お客様・パートナー様ごと、そして先進的なソリューション・テクノロジーの利用・展開という各視点です」(鈴木氏)

インテル株式会社
代表取締役社長
鈴木 国正氏

インテルでは、これらの観点から新規事業創出のプロジェクトに取り組み、この5か月間でファーストカットを完了させたという。

「高品質な半導体のプロバイダーという立場は、間違いなくインテルのベースとなる価値です。しかし現在のような大きな変革の時代には、より新たな価値をご提供しなければならない。それが“Trusted Advisor(=信頼されるアドバイザー)”という立場です。これから数年をかけてTrusted Advisorとしての価値をしっかりと生み出し、皆様の新規事業の創出に少しでも貢献させていただければと考えています」(鈴木氏)

続く基調講演では、インテルの新たな商品群が紹介された。登壇したのは、米インテル コーポレーション データセンター事業本部 副社長 兼 データセンター・ストレージ製品 マーケティング ジェネラル・マネージャーのジェニファー・ハフステットラー氏だ。

「インテルでは、データ量の爆発的な増加に伴うコンピューティングパワーの需要増加や、AI/アナリティクス/HPCなどワークロードが多様化している状況を受けて、過去2~3年間、3つの視点から投資を行ってきました。それがデータを高速に移動すること、より多くのデータを保存すること、そしてあらゆるデータを処理することです」(ハフステットラー氏)

米インテル コーポレーション
データセンター事業本部
副社長 兼 データセンター・ストレージ製品 マーケティング
ジェネラル・マネージャー
ジェニファー・ハフステットラー氏

そしてインテルは2019年4月、7つの新しいプロダクトを発表した。

まずデータの高速移動を実現する製品としては、1秒当たり最大100GBの速度をサポートするインテル® イーサネット 800 シリーズ アダプターが挙げられる。

またデータ保存の分野では、メモリーとストレージ間の新たな階層としてDRAMの機能を補完する不揮発性のインテル® Optane™ DC パーシステント・メモリー、24時間7日間体制のストレージアベイラビリティを実現したインテル® Optane™ SSD DC P4800X シリーズ、低価格・大容量ストレージのインテル® QLC 3D NAND SSDが挙げられる。

そしてデータ処理の分野では、今回の新製品発表の目玉となる第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーで、同製品にはディープラーニングにおける推論のパフォーマンスを向上させる新機能(インテル® ディープラーニング・ブースト)も搭載されている。また消費電力や設置スペースに制約のあるアプライアンス向けのインテル® Xeon® D-1600 プロセッサー、アクセラレーション機能を提供するインテル® Agilex™ FPGAも紹介された。

「我々は今回新たにリリースした製品群をグローバルに展開することで、各企業様が保有するデータのポテンシャルを最大限に活用するお手伝いをさせていただきたいと考えています」(ハフステットラー氏)

最新のインテル・プロセッサーを活用し、
AIによる画像診断のパフォーマンスを劇的に
向上させた中国平安保険

今回のイベントでは、最新のインテル製品を活用した海外事例も紹介された。その1つが中国の平安保険における家畜保険での家畜識別の場面だ。

平安保険は、中国で金融や保険、投資などの分野で非常に大きなプレゼンスを示している企業で、2018年の米「Fortune」上位500企業のランキングでは29位、同じく米「Forbes」上位2000企業では10位で、グローバル保険企業では1位となっている。

同社が提供する家畜保険は、例えば農家が飼っている豚が豚インフルエンザなどに感染した場合、保険に加入している農家に当該家畜の体のパーツ写真を撮って画像データで送ってもらい、同社で診断した後、症状に応じた保険料を支払うというスキームの保険商品だ。

中国平安保険 Deputy Chief Engineer and Senior AI DirectorのDr.Jianzong Wangは「この画像診断の処理にAIを利用しています」と説明する。

「豚には耳や鼻、足、尾などに個体ごとの特徴があり、保険加入者の方が飼っている家畜の各パーツの画像を登録して学習させておきます。そしてお客様から損害請求のご依頼があった時には、データベースに登録済みの画像データと照合し、AIで診断することで“確かにこの家畜には問題がある”ということを識別するのです」(Dr.Jianzong Wang)

中国平安保険
Deputy Chief Engineer and Senior AI Director
Dr.Jianzong Wang

ここで送られてきた家畜のパーツ画像が、体のどの部分に相当するのかを迅速に分類するために利用されているのが、最新のインテル® Xeon® Gold 6130 プロセッサーだ。

「インテル® Xeon® Gold 6130 プロセッサーを採用し、さらにインテル® ディープラーニング・デプロイメント・ツールキットとインテル® MKL-DNNによりソフトウェアの最適化を図ることで、パーツを推論する効率は1秒当たり100ピースから600ピースへと大幅に向上しました。インテルのエンジニアの皆様に感謝したいと思います」(Dr.Jianzong Wang)

インテルの最新プロセッサーと
不揮発性メモリーの組み合わせが、
多様なITインフラを支える

今回インテルが発表した製品群の中核を担うのが、先にも触れた第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーだ。前世代から大幅な性能の向上と機能強化が図られている。

分科会で登壇したインテル株式会社 データセンター・グループ セールスディレクターの福原由紀氏は「第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは前世代と比較して平均1.3倍程度の性能向上を達成しており、機能面でもAI活用を支援するインテル® ディープラーニング・ブーストなどを搭載しました。今回も大きな進化を遂げています」と説明する。

「その中でも何といっても一番の特徴は、インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーという不揮発性の新たなメモリーをサポートしたことです」(福原氏)と加えた。

インテル株式会社
データセンター・グループ セールス
ディレクター
福原 由紀氏

インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーは、インテルがマイクロンと共同開発した不揮発性メモリーの新たな技術(=3D XPointテクノロジー)を応用して開発された製品で、メモリーの高速性とストレージの永続性・大容量性を実現した画期的なメモリーだ。まさにメモリーとストレージの“いいとこどり”をした製品だといえる。

「『高速だが高価で容量に制限があるDRAM』と『大容量だが低速なストレージ』の間の溝が埋まり、ニーズに合った容量やスピードを選べるようになることで、コスト効率の大幅な改善が期待されます」(福原氏)とメリットが語られた。

メモリー/ストレージ階層を再定義

ここでインテルのパートナー企業2社が登壇し、インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーが自社製品の中でどんなパフォーマンスを発揮するかについて紹介した。

まず壇上に上がったのが日本マイクロソフト株式会社 クラウド&エンタープライズ本部 プロダクトマネージャーの佐藤壮一氏で、Windows Serverにおける実際の活用事例を紹介、米国本社と米インテルの開発チームが公開前の製品を使って共同で行ったベンチマークの結果を披露した。

「インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーを含むサーバー12台を組み合わせ、Azure Stack HCIと呼ぶHCI構成でベンチマークを走らせた結果、1379万8674IOPSという数字を得ることができました。これまでフルフラッシュストレージが数十万~数百万IOPSの単位でパフォーマンスを争っていたところに文字通り、桁違いのパフォーマンスを発揮しました」(佐藤氏)

日本マイクロソフト株式会社
クラウド&エンタープライズ本部
プロダクトマネージャー
佐藤 壮一氏

佐藤氏は、Windows Server 2019単体をHyper-VのホストOSとし、その上に構築した仮想マシンでテストした時の計測結果も紹介した。

続いて登壇したSAPジャパン株式会社 プラットフォーム&テクノロジー事業本部 SAP HANA CoE シニアディレクターの椛田后一氏は、同社が提供するインメモリーデータベース「SAP HANA」の利用を支援するインテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーのパフォーマンスを紹介した。

「SAP HANAでは、データ更新用のメモリー領域には従来のDRAMを使っていますが、今回リリースされた第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを採用し、読み込み専用のメモリー領域にインテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーを適用することで、これまで1プロセッサー当たり2TBしか使えなかったメモリーを4TBまで増やすことができました」(椛田氏)

SAPジャパン株式会社
プラットフォーム&テクノロジー事業本部
SAP HANA CoE シニアディレクター
椛田 后一氏

またデータベースを再起動した時のレスポンスタイムについても、従来に比べて12.5倍の性能を獲得することができたとのことだ。

最新のストレージ技術が、
データ処理のパフォーマンスも大きく向上させる

今回インテルはプロセッサー製品に加えて、ストレージ領域にも新製品を2つ投入した。1つめがSSDのパフォーマンスを向上させるインテル® Optane™ SSD DC、そしてもう1つが低価格・大容量のストレージという位置付けのインテル® QLC 3D NAND SSDだ。

インテル株式会社 NVMソリューション・グループ・セールス 事業開発マネージャーの佐藤義和氏は「今日特にご紹介したいのが、インテル® Optane™ SSD DCです」と前置きした上で、「これはインテル® Optane™ DC パーシステント・メモリーとインテル® QLC 3D NAND SSDのギャップを埋めるようなメディアです」と続けた。

インテル株式会社
NVMソリューション・グループ・セールス
事業開発マネージャー
佐藤 義和氏

インテル® Optane™ SSD DCは、クロスポイント構造のためにビット単位の上書きが可能で、さらにこの構造は3D NAND同様に積み上げることができ、ダイ当たりの容量を上げる事が将来的に可能だ。インテル® Optane™ SSD DCは3 DWPD 3D NAND に比べて、耐性が約20倍高く、1日に60回ドライブ全て書き換えても5年間保証するという。

「読み込みと書き込みを同時に行こなうワークロードで超低レイテンシーを実現でき、システム全体のパフォーマンス向上に寄与します。先程の高耐性特性も含めてキャッシュとして使用してもらうと大変効果的で、特にVmware vSANのキャッシュとしてインテル® Optane™ SSD DCを使用するとIOPS性能が向上し、TCOを削減することが可能です」(佐藤氏)

インテルは4つの要件に応じて
最適なデータセンターを配置していく

インテルでは、自社のIT部門が培ってきた経験やノウハウを製品に組み込んでいくプロセスがあります。第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーにもIT部門からの経験が生かされている機能が搭載されています。ここではインテルIT部門がどのようなデータセンターとクラウド戦略で運用されているかにフォーカスして紹介する。

現在インテルは世界23の事業所で合計55か所のデータセンターを利用している。サーバー台数は26万台で、PC台数の約1.7倍だ。インテル株式会社 マーケティング本部の矢嶋哲郎氏は、こうしたデータセンターに求める要件として、4つの項目を提示した。

1つめが、CPUやチップセットなどの設計時に利用するよりハイパフォーマンスなコンピューティング、2つめが、電子メールなどオフィス汎用のアプリケーション開発などを支援するコンピューティング、3つめが、製造や組み立てを支援するコンピューティング、そして4つめが、ERPやeビジネス系のアプリケーションをホスティングするためのコンピューティングだ。

「インテルでは、この4つの要件に合わせて、データセンターの設計を進めており、各分野ごとに必要となるSLAやサポート機能を踏まえた上で、データセンターの配置を決めています」(矢嶋氏)

インテル株式会社
マーケティング本部
矢嶋 哲郎氏

またデータセンターの変革戦略においても、基準となる要件を3つ、設定している。その1つめがQoS(SLA)だ。社内ユーザへのサポートレベルを3段階に分け、各レベルに応じてデータセンターの配置を決めている。

2つめの基準となるのが資産(使用率)で、サーバー当たりの使用効率50%以上を基準にサーバーの運用を進めている。

そして3つめが単位コストで、MIPS当たり、もしくはCPUのOS当たりという基準で、ハードウェアだけでなく、周辺のサポートコストも含めて削減していく取り組みも進めている。

「こうした変革戦略に基づいて、インテルでは可能な限り、理想的なデータセンターの環境を実現できるように活動しています」(矢嶋氏)

参考までにインテル IT部門のベストプラクティスは「IT@Intel」(http://www.intel.co.jp/IT/)のページにまとめられているので、併せてご参照いただきたい。

インテルのテクノロジーが、
金融サービス業界のデジタルシフトを支援する

最後に登壇したのが、米インテル コーポレーション 金融サービス業界担当 ジェネラル・マネージャーのMike Blalock氏だ。

同氏は自身の専門分野である金融サービス分野について、現在の金融業界が抱える課題と、その課題解決に向けたインテルの取り組みについて紹介した。

まず現在の金融業界が抱えている悩みとして挙げられるのが、コンプライアンスや規制への対応だ。リーマンショック以降、規制違反やコンプライアンス違反に関する莫大な金額の罰金がこの業界に課せられており、グローバルな基準にも準拠する必要がある。また規制準拠のために、限られた時間で数多くの計算をするためのコンピューティング能力も必要だ。

次に現在では顧客の行動や企業に対する期待が大きく変わってきており、企業側にはそうした期待により速く適応していくことが求められている。

さらに現在では、新規参入企業の増加と競争の激化が顕著になってきている。新興企業はレガシーな資産を持っていないので、新しい機能やサービスをより速くできるようになっている。

「金融企業は、このように目まぐるしく変化している現在の環境の中で、顧客に新たな価値を提供し続けていくことが求められています。そこで必須となるのがデジタル・トランスフォーメーションへの取り組みです」(Blalock氏)

米インテル コーポレーション
金融サービス業界担当
ジェネラル・マネージャー
Mike Blalock氏

こうした場面に対して、インテルはまず最新のデータセンターを提供する。

「レガシーなインフラがイノベーションを阻害する最大の要因です。特に金融業界にとっては深刻な問題で、インテルは最新のデータセンターをご提供することで、お客様がデジタルシフトの基礎を構築することをご支援します」(Blalock氏)

またインテルは、リアルタイムデータに最適化されたアーキテクチャを提供することで、ユーザ企業がAIによるデータ分析により差別化を図っていくことも支援する。

「まさに今、金融サービスの将来に向けて準備を開始する必要があります。そこでは新たなアプローチによるテクノロジーが優れた価値を提供します。インテルのテクロジーが、金融サービスの未来に向けたデジタルシフトをご支援します」(Blalock氏)

インテルの革新的な新製品群と活用事例が紹介された今回の「INTEL DATA-CENTRIC INNOVATION DAY」。来るべき“データ中心”の時代を勝ち抜いていくためのヒントになれば幸いだ。