tags on every page of your site. -->
トップへ

データ中心の世界を勝ち抜く
「2025年の崖」を克服するために
必要なインフラとテクノロジー

現在、地球上で生まれるデータの量は、数年前と比べると爆発的に増加しているのは紛れもない事実だ。その傾向がますます強まっていくと予想されるこれからに向けて、企業はどのような備えをしていくべきなのか? 2019年5月22日(水)と23日(木)に愛知県名古屋市の吹上ホールで行われた「名古屋デジタルイノベーション2019」内のセミナー「更なるデータ社会の実現に向けて~データを武器に『2025年の崖』を克服せよ」の内容から、その答えを考察する。

人類はまだデータを使いこなせていない?

現在、世の中で取り扱われている膨大なデータの内の50%以上は過去2年以内に作られたものである――

セミナーの登壇者を務めたインテル マーケティング本部 ビジネス・マーケティング・ディレクター 矢嶋哲郎氏はこう語り、現代社会がまさに「データ中心の世界」になっていることを説明した。しかし、この大量のデータのうち、実際に分析され、何らかの用途に使われているものは2%に過ぎないというのだ。そして、そんな「人類が使い切れていない膨大なデータ」を活用するための技術として期待されているのが「クラウドコンピューティング」「人工知能(AI)技術」「次世代ネットワーク技術とネットワークとエッジコンピューティング」という訳である。

インテル株式会社
マーケティング本部
矢嶋 哲郎氏

それ故、今後はこのような環境に対応するインフラの整備が求められるのは言うまでもない。具体的には「高速なデータ移動を実現するネットワーク技術」「より多くのデータを保存できるメモリー・ストレージ」、そして「あらゆる処理を実現する高性能プロセッサー」の3つが必要になると矢嶋氏はまとめるが、インテルではこのようなニーズに対応する幅広い製品開発を行っている。

インテルでは、データ社会に求められるインフラとして、あらゆる処理を実現する高性能プロセッサーの開発だけではなく、ネットワーク技術やメモリー・ストレージの開発なども注力しているという

インテルはプロセッサーだけに非ず――
データ中心の世界を支える最新テクノロジー

クラウドコンピューティングが今以上に普及することで「データセンター内で活用されるワークロードが多様化し、対応するプラットフォームが必要になる」という予測を背景に、インテルではデータセンターで使われる製品開発に注力している。そして、そのラインアップの中で核となる製品が、「第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」だ。

今年発表されたばかりのこのプロセッサーは、高いパフォーマンス性能、優れた拡張性やセキュリティ性能が特徴。さらにネットワークやクラウドに最適化されており、「次世代のIT環境に対応可能なプロセッサー」と呼ぶにふさわしい仕上がりになっている。 またAIの「深層学習(ディープラーニング)」の推論処理を最適化・高速化する「インテル DL(ディープラーニング)ブースト」機能を備えているのも特徴の1つ。これにより、推論処理性能が前世代のプロセッサーに比べ14倍になったという。

現在、ディープラーニングの処理にはGPUが使われるケースが多いが第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーはそれに引けを取らないパフォーマンスを発揮できるのだ。また汎用的なプロセッサーであることも魅力の1つで、例えば手持ちのデータを活用してAIを試す際にこのプロセッサーを使ってシステムを構築すれば、テスト後にAIで思ったような成果が得られないことが分かっても別の用途に転換可能なのはユーザーにとってはうれしいポイントである。

「ディープラーニングのトレーニングではGPGPUの活用例もあるが、AIをこれから広く活用しようという際に第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを是非活用して欲しい」と矢嶋氏も、この点を強調する。

さて、先述した「これからのIT環境に求められる3つのポイント」のうち、「あらゆる処理を実現する高性能プロセッサー」という要求を満たすものが、このプロセッサーになるが、インテルでは他の2つのニーズを満たすソリューションも提供している。

「高速なデータ移動を実現するネットワーク技術」について、インテルはイーサネットの他、『シリコン・フォトニクス』やHPC向けに『OMNI-PATH ファブリック』という製品を提供しているそうだ。これらにより、5Gが実用化された後に増加するであろうデータセンター内のデータ移動を高速化できる。

「より多くのデータを保存できるメモリー・ストレージ」に関する注目の新製品が、「インテル® Optane™ DC パーシステント・メモリー」と「インテル® Optane™ DC SSD」。

前者は、DRAMに比べてスピードは劣るものの、大容量を実現できるメモリー。その特徴を生かして、例えばインメモリデータベースの性能を上げられるという。また不揮発性メモリーのため、トラブル発生時の復旧時間が短縮できることもメリットの1つに挙げることが可能だ。

一方、後者は同様の技術をストレージに用いたSSD製品で、従来製品に比べて最大20倍の容量を実現しているのが最大の特徴である。

第2世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、「インテル DL(ディープラーニング)ブースト」機能により、「ディープラーニングといえばGPGPU」という常識を覆す処理能力を実現している

一刻の猶予も許されない!
間近に迫る「2025年の崖」

セミナー後半には、インテルのIT部門が運用・管理を行ってきた自社のデータセンターの変遷について言及。

矢嶋氏曰く、一般的な空調設備を使っていた1990年代に2~1.4だったというデータセンターのPUE(データセンターの電気使用効率)は、2000年代の床下空調や暖気分離方式、2010年代の外気空調を経て、現在では熱交換型の水冷システムを導入した結果、1.04になっているとのこと。あわせて行った高密度型のサーバーの導入などにより「将来を見据えたデータセンターの統廃合を進めている最中」(矢嶋氏)だという。以上の取り組みにより、2003年には152あったデータセンター施設の数は、2018年には55にまで削減。取り組みの成果は順調に表れている。

また、2000年代半ばからシステム運用の効率化を目的に進めてきたクラウド変革についても紹介。このプロジェクトでは、各アプリケーションの必要性や置き換えられるクラウドサービスの有無などを合理的に判断するプロセスに従って、アプリケーションの移行を進め、2016年時点で85%以上のワークロードで仮想化技術を活用している。

以上2つの事例からわかることは、インフラを整備するにせよ、システムを変更するにせよ、それらを実現するには多大な時間がかかるということだ。

例えば、クラウド変革を実現するにしても、社内で使われているアプリケーションを棚卸しして、運用計画を作成し、プラットフォームを構築していかなくてはいけない。現在、2025年までにITシステム上の課題やIT人材不足などに直面する「2025年の崖」という問題が取り沙汰されているが、それまで残り6年。この問題に対応するべく、運用の効率化を目指すにせよ、本稿の前半で紹介したようなデータ中心の世界で求められるIT環境に対応するシステムを構築するにせよ、対策を遅らせる余裕はもはやないと言えそうだ。

矢嶋氏も「(すべての組織、企業は)すぐにでも取り組みを進めるべき」だと訴えるが、ここで構築する新たなIT基盤は次世代のニーズに応えられるものでなければならない。

それ故、ネットワーク、メモリー・ストレージ、そしてプロセッサーといった幅広いラインアップによって、来るべき「データ中心の世界」で求められる要求を満たすインテルのデータセンター向け製品群を導入することが最善策であることは間違いないだろう。

インテルのIT部門が取り組んできたクラウド変革の変遷をまとめた図。
「ここまで順調に進められた」と矢嶋氏は振り返るが、それでも10年以上の月日がかかっている