トップへ

インテル「COMPUTEX TAIPEI 2019」レポート
AI/IoTの現実社会における取り組み

2019年5月29日、台北国際会議センター(TICC)にてAIoT Sessionが開催されました。セッションではインテル コーポレーションIoTグループ副社長 兼 小売・金融・ホスピタリティ・教育部門ゼネラルマネージャーのJoe Jensen氏が、インテルによるAI/IoTの現実社会における取り組みを説明しました。

AIoT Session

立ち見も出るほどの盛況となったAIoT Session

まず数年前までは、IoTで生成されるデータの処理はすべてクラウドで行えばよいのではないかと考えられていました。しかし、Fitbitのような生体センサーやサーモスタットのような軽微なデータならまだしも、高解像ビデオデータのコンピュータビジョン処理には対応しきれません。これはある意味旧来のバッジシステムのようなもので、リアルタイム性や更新性において問題があるとしました。

インテルの取り組みを説明したJoe Jensen氏

一方でAI/コンピュータービジョンとビデオの活用ニーズは年々高まりを見せています。採用が進む小売業では、買い物客の行動分析による顧客満足度の向上に貢献。また、都市生活の安全性を向上させるスマートシティーの実現にも導入されつつあります。

今後もAI/コンピュータービジョンのマーケットは増え続ける

さらに製造現場における品質管理に対しても有効で、Jensen氏はすでに中国の90カ所以上の工場に導入されていることを紹介しました。一方で200万カ所以上ある旧来の工場ではデータ分析もITの導入も進んでいないことを示し、この分野に積極的に投資していくことを表明しました。

製造現場に導入されているインテルのITソリューション

そして製造業における、現場から管理部門への垂直統合された各段階におけるコンピューティングパワーを最適化する解決策を提示しました。この解決策は、ある特定の企業で利用できるわけでなく他の企業においても再利用できることが重要であるとしました。

特にAI/コンピュータービジョンをエッジで利用したい要求に対して、従来のGPUを使った方法だけでは費用や現実への展開に課題があると指摘。この課題に対し、インテルはプロセッサー単体からFPGAへの搭載までの幅広い対応策を示すとともに、導入済みのコンピュータービジョンのソリューションに対しても OpenVino ツールキットにより、ソフトウェアの更新だけで大幅な処理性能の向上を提供できることを示しました。

AI/コンピュータービジョンを加速する OpenVINO ツールキット

具体的な適用例として、センサーが接続できない工場の機器にあるメーターをコンピュータービジョンによりデジタル化することができると説明。ここで導入した手法はそのままFPGAを統合したインテル® Xeon® プロセッサー搭載マシンにより、400台以上のカメラを使う小売店への展開までが可能だと述べました。

一方、現実の課題解決をインテルだけで行うことは不可能です。そのためISPやSI、ハードベンダーとの協力が非常に重要だとし、パートナーとともに今後ますます増えるAI/コンピュータービジョンを使ったソリューションに対応していくと話しました。

パートナーとともにエコシステムを築くことを強調

センサーベースのIoTの展開にはそれに対応する機器が必要とされていたのに対し、コンピュータービジョンは旧来の機器でも管理できるようになります。すなわち、これまで導入できなかった“現場”にITが導入され、そこから生まれる市場は非常に莫大な規模になるのです。ある統計によれば、2022年におけるIoT市場規模は最大330億ドルにも達すると言われています。

驚くほどのパフォーマンス向上を可能にする OpenVINO ツールキットのロードマップ

Jensen氏は OpenVino ツールキットの適用によってコンピュータービジョンのパフォーマンスが日進月歩で向上すると解説。その上で、広大なAI/IoT市場をパートナーとともに開拓していく姿勢を新たにしました。

AI/IoT Solutions Demo Zone

COMPUTEX TAIPEI 2019の会期中、TICC 1Fの入口付近では、インテルがAI/IoT Solutions Demo Zoneを展開しました。 OpenVino ツールキットをはじめとするAI/コンピュータービジョン、現実社会で採用されているIoTソリューションにフォーカスしており、幅広い業界のビジネスユーザーが足を運んでいました。

賑わいを見せたAI/IoT Solutions Demo Zone

インテルではパートナー企業と連携したエコシステムにより、インテル® IoT マーケット・レディー・ソリューション ( インテル® IMRS )を推進しています。ブースには「market ready」のステッカーが貼られ、産業界に普及しつつある最新テクノロジーの実例が展示されました。

インテルのIoTエコシステムを示すmarket ready

ブース内は「SMART RETAIL」「SMART FACTORY」「SMART CITIES」のゾーンに加え、 OpenVino ツールキットのデモ、AI Camera、Vision Acceleratorを設置。詳細なソリューションが体験できるSMART RETAILゾーンは小売業の現場改革につながるだけでなく、顧客満足度向上に直結するだけに、多くの注目を集めていました。

海外からのビジネスユーザーも惹きつけたSMART RETAILゾーン

SMART RETAILでは、袋づめされた複数の種類のナッツとその割合を識別し、正しい値札を出力するソリューションや顔認識レジなどを展示。顔認識レジでは顧客の過去の買い物履歴などから自動的に優待を適用するといったシームレスなデータ連動が可能です。

NexCOBOTによる顔認識レジ

SMART FACTORYゾーンでは工場内のIoTデータの流れを展示。AIビジョンを搭載するロボット、ヘテロジニアスコンピューティングのプラットフォーム、装置データゲートウェイの可視化プロセスなど、実際のデータ計測・分析例がひと目でわかる内容となっていました。

IoTデータの流れを示すSMART FACTORYゾーン

AIビジョンを搭載したロボット

SMART CITIESでフィーチャーされていたのは、AI対応のスマート街灯です。AAEONが開発している製品で、各種センサー類やカメラを搭載。クラウドと通信しながら交通量に応じて照度を変更したり、メンテナンス異常を通知したりと、非常に高度なインテリジェント機能を備えています。

SMART CITIESゾーンに展示されたスマート街灯。街灯そのものがインテリジェント機能を持つ

そしてインテルのAI/コンピュータービジョンといえば OpenVino ツールキットです。マルチプラットフォームに対応する柔軟性があり、エッジからクラウドまでハードウェア/ソフトウェア統合を可能にするだけに、係員の説明にビジネスユーザーが熱心に耳を傾けていました。

人の流れが絶えない OpenVino ツールキットのコーナー

インテルのAIoTソリューションにより、システムの継続的な進化と高い投資効果を両立することができる――そんな期待を感じさせるブース展示となりました。