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EXPO 2019

インテル「COMPUTEX TAIPEI 2019」レポート
データ爆発時代における
コンピューティングの在り方

2019年5月28日(火)〜5月31日(金)にかけ、台湾・台北市において「COMPUTEX TAIPEI 2019」が開催されました。インテルはOpening Keynoteをはじめ、さまざまな発表・出展を行いました。

Opening Keynote

5月28日のOpening Keynoteにおいて、データが爆発的に増加する時代に対してインテルがどのように対応していくかというストーリーをベースに数々の製品を発表。ホストはインテル コーポレーション副社長 兼 クライアント・コンピューティング 事業本部長のGregory Bryant氏が担当しました。

ホストを務めたGregory Bryant氏

冒頭、1971年に多くのアーティスト、エンジニア、技術が結集し、音楽、ディズニーワールドをはじめとするさまざまな革新的な出来事が起きたことを紹介。さらにインテル初の商用マイクロプロセッサー、4004マイクロプロセッサーによって今日のエンドユーザーコンピューティングが幕を開けたと述べました。

そして現在、私たちの扱うデータの50%がここ2年間で生成され、そのうちの2%だけが処理されている「データ中心の時代」、すなわちエッジデバイスで処理する必要のあるデータが急増すると語り、それに対応すべく開発者、ISV、OEMにわたる広いエコシステムが必要になるとしました。

Bryant氏は「データ中心の時代」におけるコンピューティングの在り方として、「Focus」「Create」「Engage」の3つのキーワードを挙げ、第9世代インテル® Core vPro プロセッサー・ファミリー、インテル® Xeon® E プロセッサー、そして新しいCPUである第10世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーがそれぞれのキーワードにどのように寄与するか、順を追って説明しました。

キーワードはFocus、Create、Engage

Focusに関しては今後、5Gの普及などによってリモートワークが増加することで企業内管理の重要性やTCOが増すことに対し、インテル® vPro プラットフォームに対応することが重要だとしました。

今回発表された第9世代インテル® Core vPro プロセッサー・ファミリーは高性能ノートブックPC/デスクトップPC向けとなります。最大8コア/16スレッドを搭載し、デスクトップPCで最大5GHz、ノートブックPCで最大8GHzを達成。インテル® vPro プラットフォームとして過去最高の性能を備え、ストレスのないビジネスユース、リモート管理、ハードなワークロードに応える安定性とパフォーマンスが特長です。

第9世代インテル® Core vPro プロセッサー・ファミリーが販売開始

インテル® vPro プラットフォームの導入により、3年間で150%のTCO削減が可能と説明。壇上では第9世代インテル® Core vPro プロセッサー・ファミリーの搭載例としてDell Precision、HP Elitebook 、Lenovo ThinkPad X1を紹介しました。さらなる上級エンタープライズ用途として、モバイルおよびデスクトップ・ワークステーション向けの新しいインテル® Xeon® E プロセッサーの14製品も発表しています。

壇上に並んだ第9世代インテル® Core vPro プロセッサー・ファミリー搭載のPC群

14製品で展開する新しいインテル® Xeon® E プロセッサー

次のCreateの解説では、AcerのCEOであるJason Chen氏がゲストで登場。「ゲーミングPCを購入したユーザーの15%は一切ゲームをしない。すなわちクリエーターがその用途で使っている」とし、そうしたニーズに対応すべくインテルと協力していると語りました。

その具体例としてAcerでは「Concept D」と呼ばれる新シリーズを紹介。このシリーズはゲーミングPCのパフォーマンスを持ちながら静音性、色再現度のようなコンテンツクリエーターが求める機能を持つPCで、オフィスにも馴染むデザインが特徴です。

Acer によるConcept D。スタイリッシュなデザインが特徴

人気アーティストが音楽のパフォーマンスでCreateを訴求

最後のEngageに関しては、eスポーツをはじめとするゲーム市場の広がりに対し、ノートブックPCでも従来のデスクトップPCに匹敵するパフォーマンスを提供することが重要としました。ゲストとしてDellのClient Solution Group PresidentのSam Burd氏がステージに登場し、同社のゲーミング・ノートブックPCのフラッグシップである新しいAlienwareを披露。著名プロゲーマーのDr.Lupoと共にデモンストレーションを行いました。

第9世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーを搭載したデルのゲーミング・ノートブックPC、Alienwareによる
プロゲーマーのデモ

ゲームデスクトップPC向けには、2019年第4四半期に第9世代インテル® Core i9-9900KS プロセッサーをリリースすることを発表。すべてのコアがターボブースト時に5GHzで動作するように最適化された、世界最高クラスの性能を誇るプロセッサーです。さらにオーバークロックをインテリジェントに行うためのユーティリティとして、インテル® Performance Maximizer(IPM)を無料で公開。カスタムチューニングが簡単になり、エンドユーザーのゲームパフォーマンス向上をサポートします。

デスクトップ向けのインテル® Core i9-9900KS プロセッサーは2019年第4四半期にリリース

続けて発表したのが、Project Athenaです。これは「これからのモバイル・ノートブックPCに求められる高速復帰・高速起動」「PCならではの高性能」「常時接続性」「長時間バッテリー駆動」などを実現するためにインテルが規格化した画期的な仕様となります。

ノートブックPC用の新たな仕様としてProject Athenaが始動

この仕様を実現するために100以上の企業と協力し、AI技術やバッテリー管理、Thunderbolt 3テクノロジー、インテル®WiFi6 (Gig+)における基準を広めていく考えを示しました。仕様に基づいたノートブックPCとしてLenovoのConsumer Devices部門でSenior Vice Presidentを務めるJohnson Jia氏が試作機のYoga S940を紹介。Project Athenaは今後、ユーザーがノートブックPCを選ぶ新しい基準の1つになっていくと思われます。

そしていよいよ、第10世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーを華々しく紹介しました。第10世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーは10nmプロセス技術、Sunny Coveアーキテクチャー、第11世代のグラフィックス・エンジンを採用。最大4コア/8スレッド、最大4.10GHzのターボ周波数を可能にするインテル® Core i3 プロセッサーからインテル® Core i7 プロセッサーのラインナップとなっています。

第10世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーをアナウンス。ウエハーとともに挨拶するBryant氏

壇上では、最大の特徴の1つであるAIアクセラレーション機能、インテル®ディープラーニング・ブースト(インテル® DL ブースト)を使った、動画の超解像度処理やリアルタイムの姿勢トラッキングの実演を披露。AI性能が約5倍向上し、飛躍的なビジュアル性能の進化により “次世代のPC体験”が実現されることを訴求しました。搭載システムは2019年の第4四半期に販売開始予定です。

第10世代インテル® Core プロセッサー・ファミリー搭載PCによる処理性能のデモ

冒頭に示したように5Gや4K/8Kが普及することでデータ量が爆発的に増えていくこれからの時代、データ処理をエッジ、すなわちクライアントで行うことが必須になってきます。その考え方は、かつて4004マイクロプロセッサーが登場してホストコンピューター中心からパーソナルコンピューター時代へと移行した流れを想起させるものです。このようなニーズに対してインテルがどのように対応していくか――それらを解決する具体的なソリューションが数多く紹介されたOpening Keynoteとなりました。

COMPUTEX TAIPEI 2019における展示

台北南港展示センターホール1、ホール2では、OEM各社がインテルのプロセッサー・ファミリー搭載モデルやビジネスソリューションを展示。第9世代インテル® Core プロセッサー搭載の新型ノートブックPCを始め、ハイエンドなゲームデスクトップPC、マザーボードなどが注目を集めていました。

多くのビジターで賑わうCOMPUTEX TAIPEI 2019の展示ホール

GIGABYTEブース
インテル® Core i9-9900K プロセッサーを搭載したデモPC。
左のディスプレイはクリエーターモード、右のディスプレイはゲームモードのハイエンド仕様

ASUSブース
第9世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーを搭載するASUS ZenBook Pro Duo。
デュアルディスプレイのクリエーター向けPCとして、COMPUTEX TAIPEI 2019でも大きな話題を集めた

MSIブース
インテル® プロセッサー搭載PCが並ぶMSIの展示ゾーン(左)。
インテル® Core i7-9700K プロセッサーを搭載したゲームデスクトップPC

ASRockブース
ASRockブース:ASRockのブースには各種マザーボードがずらりと並ぶ(左)。
IoTソリューション用の小型マザーボードには人だかりができていた(右)

AICブース
インテル®Xeon® プロセッサーを搭載したデータセンター向けソリューション

Acerブース(これのみ台北新光三越A11の特設ブース)
第10世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーを搭載するモバイル・ノートブックPCのSwift 5を先行展示

Acerブース(これのみ台北新光三越A11の特設ブース)
第9世代インテル® Core プロセッサー・ファミリーを搭載するゲーミング・ノートブックPCのNITRO 5は持ち運びもできる軽量サイズ(左)。デザイナーや映像編集などクリエーター向けに開発したConcept Dのモデル群はオフィスにも馴染むスタイリッシュなデザイン(右)