ITモダナイゼーションSummit 2019

“秘伝のワザ”超上流で極めるITモダナイゼーション

コベルコシステム株式会社
産業ソリューション事業部 事業推進部 テクニカルグループ
グループ長
上塘 幸一郎

製造業を中心に、多くのITモダナイゼーションを成功に導いてきたコベルコシステム。同社がITモダナイゼーションにおいて特に重要と考えるのが、超上流プロセスだ。超上流プロセスでプロジェクトメンバー全員が共通認識を持つことで手戻りを減らし、開発生産性が向上する。さらに、同社のノウハウやツールを活用することで、さらなる効率化や開発期間短縮が実現する。

超上流プロセスでの共通認識が重要

コベルコシステム株式会社
産業ソリューション事業部 事業推進部 テクニカルグループ
グループ長
上塘 幸一郎

既存のレガシーシステムを最新のテクノロジーで刷新し、信頼性や多様性、利便性、柔軟性などを高める「ITモダナイゼーション」への期待は依然として高い。その特徴的な傾向として、「新たな企業価値の創出のため、IoTやAIに対応できるIT基盤の必要性が高まっています」と、コベルコシステムの上塘幸一郎氏は指摘する。

とはいえ、ITモダナイゼーションのイメージにはネガティブなものも少なくない。コベルコシステムによる2018年のアンケートでは、ITモダナイゼーションに踏み出せない理由として、「投資効果が見えない」が27%、「何から着手すべきかわからない」が20%、「移行による影響が把握できない」が19%、「現行資産、課題が把握できていない」が12%という結果になっており、必要性は感じながら、踏み出せない様子が見て取れる。その不安を払拭し、ITモダナイゼーションを実現するポイントとして上塘氏は次の2つを挙げる。「1つは、現行資産分析や新旧比較(現行保証)といった、通常の開発と異なる特有のプロセスとポイントをおさえること。そして、もう1つが上流フェーズです」。

実際のITモダナイゼーションに取り組む際の問題として、まず認識の違いが挙げられる。たとえば、“現行踏襲”で再構築するという方針で開発を開始したが、ベンダーが考える“現行踏襲”は「多少の差異は許容範囲」で、ユーザーが「現行と隅から隅まで一緒」だったような場合である。その齟齬の結果、最終的な総合テストで食い違いが露見する。

もう1つは理解不足に起因する問題だ。現行の業務やシステムについて、ベンダー、ユーザーの情報システム部門、現業部門の業務に対する知識や理解のギャップがあると、現行機能からの継承漏れや、仕様の解釈の相違に伴う不具合などが発生しがちだ。「このような課題を解決するには、プロジェクト関係者全員が、上流フェーズで正しい現行業務・現行システムの姿についての“共通認識”を持つことが重要です」(上塘氏)。

業務とシステムのモデル化で共通認識を獲得

では、全員が共通認識を持つためには、どうすればいいのだろうか。上流のフェーズは、7つのプロセスに分解されるが、なかでも超上流フェーズと呼んでいる最初の2つ「現行業務のモデル化」と「現行システムのモデル化」が特に重要だ(図1)。

モデル化とは、複数の関係者が“素早くかつ正確に”共通認識を得るための手段で、上塘氏はその特長とポイントを、「記憶に残りやすく、全体の構造や関係、要素の関連が分かりやすく、関係者間での共通認識を得やすいものでなければなりません。そのために、誰もが読み書きでき、書き漏れや書き過ぎを防ぐことができ、記述レベルが統一できるものである必要があります」と説明する。それを可能にするモデルとして同社が推奨するのが、現行業務は「業務機能階層図」、「業務フロー図」、現行システムは「システム機能階層図」、「システム鳥瞰図」、「エンティティ関連図」である。

現行業務のモデル化は、4つのステップで進める。1.現行業務に関する情報収集、2.現行業務の概要理解、3.現行業務フローの洗練化、4.業務機能化階層図の更新だ。モデル化された業務フローは、現新比較テスト時の“道標”となるため、現行機能を保証するために欠かせないプロセスである。

現行システムのモデル化は、1.現行システムの情報収集、2.情報分析、3.仕様書復元、4.鳥瞰図作成、5.機能階層図作成、6.データモデル作成、7.機能関連図作成、8.機能関連図の網羅性の検証の8つのプロセスで進める。そのなかで特に重要となるのが、2つめの現行システムの情報分析だ。この情報分析を的確かつ効率的に実現するサービスとして、同社が提供するのが「現行資産分析」である。

現行資産分析には、総量やデッドコード、重複や類似コードなどを洗い出し、プログラムの特性を分析する「量的分析」と、システムの全体像を分析する「可視化分析」の2つがある。量的分析によって資産の棚卸が可能になり、プログラムの複雑性や改修頻度などから最適な移行手法を提案可能。可視化分析では、システムの全体像やあるべき姿を関係者間で共有可能になり、Fit&Gap分析時の共通言語も獲得できる(図2)。

独自のノウハウやツールによりITモダナイゼーションを成功へ

コベルコシステムは、現状把握から将来構想までの超上流プロセスを、完全にサポート。ノウハウをまとめたドキュメントやツールをアセットとして提供している。「独自のノウハウを詰め込んだ27のドキュメントで定義し、プロセスとしてまとめています。これを適用することによって、超上流プロセスの品質が均一になり、作業効率も向上します。さらに、ここでできた成果物は、後工程で活用可能。属人化を排除し、QCDに貢献します」(上塘氏)。

同社では、超上流フェーズ以降の各フェーズに関しても、多くのツールやサービスを提供している。そのひとつ「RPG to JAVAコンバージョンサービス」は、既存ソースを自動変換することで開発を効率化。マイグレーションで効果を発揮する。保守性・レスポンスを担保できるところも強みだ。現在、RPG周辺のプログラムに関しても自動変換可能となるよう開発を進めている。また、「半自動生成ツール(SACT)」は、現行DBのデータを自動取り込みし、ユーザー固有の標準やルールを設定することで、設計書やプログラム、テストデータやテストプラグラムを自動生成する。「これを利用することで、約25%の時間短縮を実現します。半自動というところも特徴で、一般的な高速開発ツールと異なり高い自由度があります」(上塘氏)。

最後に上塘氏は、「人はそれぞれ知識や経験が異なり、必ず同じ認識を持つとは限りません。“共通認識”を持つためのポイントを押さえて、ITモダナイゼーションを成功させましょう」と締めくくった。

お問い合わせ

コベルコシステム株式会社

TEL 0120-75-0044

http://www.kobelcosys.co.jp/

メールでのお問い合わせはこちら >> it_modernization@kobelcosys.co.jp

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