RPAで自治体の効率化と地場産業を活性化可能性の最大化に向けた支援を目指す

庁内の業務生産性向上に向けたソリューションとして、自治体でも関心が高まる「RPA(Robotic
Process Automation)」。その導入効果を最大化していくためには、業務プロセス全体の改善、
さらには組織面も含めたグランドデザインを描いて取り組みを進めていくことが肝要だ。KPMGコ
ンサルティングでは、これまで公共分野で培ってきたノウハウを生かし、総合的に自治体のRPA活
用を支援する体制を整えている。

 民間企業において、ここ2~3年の間に急速に普及している「RPA」が、いま自治体においても大きな関心の的となっている。
 日本の社会的課題である少子高齢化に伴う人口減少は、自治体経営という視点で捉えれば、すなわち税収の減少を意味する。さらに、増加する高齢者に対しては、若年層以上に手厚いサポートが必要であり、必然的に自治体の業務量が増える傾向にある。
 そうした外的環境を踏まえたとき、各自治体にとってIT化による業務生産性向上に向けた取り組みは、まさに待ったなしの状況であり、デジタル技術の中でもとりわけ適用が容易、かつ効果が得やすいRPAに大きな期待が寄せられている。
 「特に自治体の場合には、民間企業に比べて、システム間の連携等が十分に進んでいないケースも多く、そうした課題を大きな投資を伴うSIによらず、手軽に導入して直ちにROI上の成果が見込めるRPAは、非常に魅力的なソリューションだといえます」とKPMGコンサルティングの関穣氏は説明する。

豊富な知見とノウハウにより自治体のRPAプロジェクトを支援

KPMGコンサルティング株式会社 執行役員 パートナー 関 穣 氏
KPMGコンサルティング株式会社
執行役員 パートナー
関 穣 氏

 もっともその一方では、RPA導入をめぐる課題も想定される。1つのロボットが対象とする業務範囲は、一般的なシステム化の範囲に比べて圧倒的に小さい。そのため、個々の業務でのRPA化による削減率は70~90%と非常に大きいものとなるが、削減時間で換算すると数十時間から数百時間程度にとどまるケースも多い。自治体においてRPAによる相応の効果を享受していくには、より多くの業務へと適用し、成果を積み上げていくことが前提となる。

 「だからといって既存の業務プロセスに対してやみくもにRPAを適用していくと、効果は限定的になりがちです。また増え続けるロボットを適正に統制、管理できなければ、プロセスのブラックボックス化が進み、セキュリティ上のリスクを抱え込むといった問題も生じてきます」と関氏は指摘する。

 定型業務をRPAに置き換えていくことになれば、業務に携わる職員が、ロボットに業務を奪われるといった抵抗感を抱いてしまうケースも考えられる。これには、よく言われるように、自動化による余剰リソースをより付加価値の高い業務に振り分けていくというアプローチが目指されるが、そうした指針を組織として明確に示すことが重要となる。

 「要するに、RPAの効果を最大化していくには、RPAに限らず、場合によってはAIなどの各種デジタル技術も駆使しながら、エンドツーエンドでの業務の自動化を目指していく必要があります。業務プロセス全体を改めて見直し、必要な改善を施していくことに加え、人的リソースの再配置など組織面も含めたグランドデザインを描いていくことが重要です」と関氏は強調する。

 そうした全体感をもった支援を行える点が、いち早く自治体、大学、独立行政法人などの公共分野におけるRPA活用にかかわる取り組みに参画し、豊富な知見とノウハウを蓄積してきたKPMGコンサルティングの大きな強みとなっている。

庁内の生産性向上にとどまらずRPAを地域活性化の起爆剤に

 石川県加賀市も、KPMGコンサルティングの支援のもとにRPA化の推進に取り組んでいる自治体の1つだ。しかも、同市のプロジェクトは先進的な取り組みとして注目を集める。

 

 というのも同市では、RPAを単に庁内業務の効率化に役立てるという枠組みを大きく超え、庁内でのRPA活用の成果を地場の企業にも横展開。市全体としての生産性向上を図っていこうとしているからだ。

 「さらに加賀市様では、RPAの開発にかかわるトレーニングの機会を企業の方々や住民の皆様に対して提供し、地元企業の競争力の向上、あるいは雇用創出にもつなげていこうとしています。まさにRPAを地域活性化の起爆剤として活用するビジョンが描かれているわけです」(関氏)

 同市プロジェクトの現在までのステータスは、まず2018年2~3月に時間外勤務集計業務など3つの業務を対象にRPAをパイロット導入。翌2019年2月までにさらに1業務を加えた計4業務でRPAが本格稼働を開始している。このとき、RPAの開発自体は、KPMGコンサルティングの監修のもと地場のSIerによって取り組まれている。

 さらに加賀市では、2019年6月に総務省の「革新的ビッグデータ処理技術導入推進事業」(RPA補助)に採択され、2019年9月以降、同事業で支給される補助金を原資の一部としながら、さらに広範な業務へのRPAの適用を進めていくことになる。

 一方、すでに述べたようなRPAの地域への展開にかかわる取り組みにも着手。2019年8月には地場の企業や市民に向けた「RPA開発入門」などの研修・セミナーをKPMGコンサルティングの支援により実施している。

 こうしたプロジェクトが立ち上がったそもそもの経緯は、KPMGコンサルティングが新聞に連載していたRPAの解説記事を読んだ加賀市市長の宮元陸氏が直接同社を訪れたことに端を発しているという。

 「このように首長自らが積極的に動き、求心力をもってリードしていく。この点が、自治体におけるITプロジェクトの領域においても重要なカギを握っているものと思います」と関氏は語る。

地方自治体におけるRPAの展開
地方自治体におけるRPAの展開

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