「PoC止まり」を卒業しビジネス変革へ一歩を踏み出せ!

「日立ソリューションズ × 日本マイクロソフト

「― 製造業フィールドサービス デジタル化への具体的解法「リファレンスアーキテクチャー」活用のススメ

日本の製造業、中でもフィールドサービスの領域は属人的な駆け付け保守で顧客満足が得られず、経営からもコストセンター脱却とプロフィットセンター化が求められている。
しかし、製造業のデジタル化にはIoT、AIといった先進技術への理解から始まり、得られたデータをどう活用すればよいのか、どうサービスに生かし、全社的な投資対効果はどう捉えればよいのか、といったさまざまな障壁が存在している。
今回は、そんな製造業のデジタル化への第一歩を力強く後押しする「リファレンスアーキテクチャー」活用のススメを、マイクロソフト 製造業ソリューション担当部長の鈴木靖隆氏と、日立ソリューションズ 中部地区 製造業向けカスタマーエンゲージメントソリューション主任技師の長谷川裕氏に語っていただいた。

製造業フィールドサービス
デジタル化の“理想“と“現実“

―日本の製造業、中でもフィールドサービスにおいてIoT、AIを活用したデジタル化の推進を命題として取り組む企業が増え、先進的なサービス化を実現する企業がいる一方で、多くの企業は思うように進まない現実もあるかと思います。何を実現しようとしていて、どこでうまくいっていないのでしょうか?

株式会社日立ソリューションズ グローバルERPソリューション第一本部 カスタマーエンゲージメントソリューション部 主任技師 長谷川 裕 氏 長谷川 お客様の施設内に設置された業務用冷蔵庫や、自社の製造ラインに保有する工作機械など、持ち込み保守ができない製品に対するフィールドサービスは、これまでは故障したら駆け付ける、いわゆるメンテナンスサービスが主でした。近年のIoTやAIの進化に伴い、それらを活用した状態監視や、障害の予兆を検知しての予防保守などで顧客満足を高めたい、という声が高まっています。

日本マイクロソフト株式会社 エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 製造業ソリューション 担当部長 鈴木 靖隆 氏 鈴木 海外は日本に比べ機器をネットワークにつないでデータを取得し保守に活用する、コネクテッドフィールドサービスの取り組みが進んでいます。駆けつけの移動距離や時間、コストが日本よりもケタ違いにかかるので、何度も訪問していたら赤字になる。そのため事前にデータによって状況を把握し、効率化したい。その結果、イベントドリブンを脱却して、取得したデータ活用によるプロアクティブなサービス化が可能になっています。

具体例を上げれば、グローバル展開するコーヒーショップチェーンでは店舗のコーヒーマシンのデータから豆の自動発注といったサプライチェーンへの活用や、POSレジデータとの連携で顧客の嗜好に合わせた商品開発などに取り組まれています。また、国内でも建機メーカーがリモートモニタリングによるメンテナンスサービス提供を発展させて、エンドユーザーである建設会社に対し安全で生産性の高い現場作業をアシストする、スマートコンストラクションサービスを提供されています。
日本の基幹産業である各種機械、ロボットやプラントなどの製造業も海外市場がメインになっていますから、顧客満足のみならずコスト競争という視点でもやらなければならない時期に来ていますね。

長谷川 そうですね。いわゆるCBM、状態基準保全(Condition Based Maintenance)という観点からもIoTやAIを活用したい、という期待値は高いものがあります。その一方で、フィールドサービス自体を外注委託している企業も多く、IT化がもっとも進んでいない領域と言われています。修理対応履歴などが手書きやFAXでストックされたままでデータとして活用されていない、というケースも少なくありません。ですので、我々の提案はデータの取得や活用に加えて、整形・加工、可視化も含めたものになっています。

鈴木 さらにもう一方で経営層の方とお話しすると、真っ先に上がるのはフィールドサービスを従来のコストセンターから脱却させプロフィットセンター化したい、という声です。異業種からディスラプターが次々と参入する時代には、前述のような付加価値の高いサービスや体験をお客様に提供して、継続安定したビジネスモデルに変革したいと考えられている。現場の課題感とのギャップを感じますね。

長谷川 まさにそうですね。現場のコスト削減、効率化という目の前の課題と、経営層の将来のビジネス変革という期待において、データ活用という手法は共通なのですが、期待効果の点で乖離が感じられます。
加えて、IoT導入、となった際にまずはPoC(概念実証)を行いましょうとなり、その結果データが取得できました、で終わるケースが非常に多いのです。これは従来の提案、アプローチがIT、技術目線のものに終始し、投資対効果や全社としての中長期的メリットをお客様にイメージしていただきにくいことに原因があると感じていました。 (次頁へ続く

左:鈴木氏 右:長谷川氏