グループ内統合で基幹業務システムを一本化。将来の成長を支える新たな基盤構築(シーツーエグゼキュート導入事例 東京ガスエンジニアリングソリューションズ)

エービーシー商会 アルウィトラ・シーリング事業部 関東シーリング営業部 部長 高橋 一弘 氏

エネルギー関連のインフラ建設やエネルギーサービス提供を手掛ける東京ガスエンジニアリングソリューションズ。東京ガスグループ2社の統合で生まれ、2019年5月、基幹業務システムの一本化を最後に、統合の総仕上げを終えた。工事管理や調達の業務システムとして導入したのは、建設業向け工事原価管理システム「シーツーエグゼキュート(C2+EXECUTE)」だ。

 「日本電通グループを挙げて基幹業務システムの統合を支援してもらうことができました。同グループとしての総合力に助けられました」——。東京ガスエンジニアリングソリューションズ(以下、TGES)執行役員システム統括の齋藤寛氏は、こう語る。

 日本電通は、基幹業務システムの統合に際して「工事管理」「調達」の業務に導入した建設業向け工事原価管理システム「シーツーエグゼキュート」の開発・提供元だ。TGESでは、自ら作成した提案依頼書に基づくコンペを実施し、システムの機能、担当者の専門性、コスト、納期などの観点で比較検討した末、複数候補の中から同グループを選んだ。

当事者視点のシステムを提案。他社システムともダイレクト連携

 決め手の1つは、エンジニアリングという業態の業務理解度が高い点だった。同社 企画本部経理部長の横山満氏は「日本電通もエンジニアリング業務を手掛ける立場上、当社の要望を汲み取ってもらいやすく、かゆい所に手が届くようなシステムを提案してもらうことができました」と明かす。

 日本電通はITソリューションを提供する一方で、通信設備関連の設計・施工というエンジニアリングをコア事業として手掛ける。つまり、工事原価管理は日常業務の1つ。システム提案にはその当事者視点が生かされた。

 もう1つは、同時に導入した他社の財務会計システムと即時連携できる点だ。「今回の『シーツーエグゼキュート』による新システムでは、現場で入力された工事原価はもとより、経理担当が財務会計システムに入力したデータも、即時に工事原価管理システムへ反映され、現場での工事原価管理がリアルタイムで行えます」(横山氏)。

 TGESは東京ガスグループの2社が2015年4月に経営統合し誕生した会社だ。狙いは、シナジーの発揮。齋藤氏は「この2社はそれぞれ、エネルギー関連のインフラ建設とエネルギーサービス提供を中心に手掛けてきました。統合によってそれらをワンストップで手掛けられるようになるため、シナジーの発揮が期待できます」と説明する。

日本電通が提案する建設業基幹システムの「あるべき論」

カスタマイズは最小限でも1000名以上の大規模企業に対応

 2社はまず、カンパニー制の下で拠点をそろえ、次に組織を一本化。最終仕上げとして、業務の標準化・統合と基幹業務システムの統合・構築に取り組み、将来の成長を支える業務とシステムの新たな基盤構築を目指した。

 そこでは、カスタマイズやアドオンで対応する範囲は最小限にとどめる方針を掲げた。同社 システム統合推進プロジェクト部部長付の川島真史氏はその理由をこう話す。

 「基幹業務システムは、できる限り標準パッケージソフトをそのまま利用することを意識しました。それによって一定の品質を確保できるし、コストがかさんだり、納期が遅れたりするなどのリスクを抑えられるからです」。

 1000名を超える全社員が利用するシステムだけに、構築した基盤は各現場に浸透・定着させなければならない。それには、現場の協力が不可欠だ。

 TGESでは、経営トップをオーナーとする社内体制を組織し、「工事管理」「調達」「販売・在庫管理」「経理」という、4つの業務部門に属する約40人のメンバーを組み込んだ。日本電通を含むパートナーが、業務部門のメンバーとともに、基盤を構築する体制を整えたのである。

統合新システムの概要

管理会計の活用を推し進め、戦略立案やプロセス改善へ

 キックオフは2017年5月。それ以降、要件定義、設計、開発、テストと、基幹業務システムの統合・構築に向けた作業を進めてきた。2019年5月には、それらの作業をひとまず終えた。

 「すべての社員が利用するシステムだけに早めに慣れてもらおうと、本格運用を始めるまでの間に試用期間を設定しました。そのため、この日までにこの機能を仕上げて、このデータを準備して、と無理もお願いしてきました。日本電通にはそうした無理な要望にも柔軟に対応してもらいました」と同社 システム統合推進プロジェクト部マネージャーの三浦佳晃氏は話す。

 一方で、TGESはすべての社員を対象とするシステム教育にも乗り出した。開発当初は、まず社内のパワーユーザーを対象に教育を施し、そこからほかの社員にも広げていく想定だったが、誰もが利用するシステムであることから現場への浸透・定着のさせ方を見直し、日本電通の開発担当者を中心とするメンバーが講師を務めた。

 運用段階でのサポートにも、日本電通の開発担当者が常駐体制で臨む。全社員が混乱なくシステムを利用できるようにと設置したサービスデスクでは、開発担当者がシステムに関する問い合わせに応える。

 「旧システムデータの移行に若干手間がかかったものの、それも終了し、ひと段落ついたところです。今後は、個別案件の収益性を定量的に把握し、それらを経営戦略の立案や業務プロセスの改善に役立てていきたい」と、将来を見すえる齋藤氏。競争力の向上を目指し、管理会計の活用をさらに推し進めていく方針だ。

東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 015年4月、東京ガスグループの東京ガス・エンジニアリングとエネルギーアドバンスの2社が経営統合し誕生した会社。エネルギー関連施設を「作る」ことから、エネルギーを「送る」パイプラインの建設・維持管理、エネルギーを効率良く「使う」ためのエネルギーサービスの提供まで、ワンストップで手掛ける。 写真左から、横山氏、齋藤氏、川島氏、三浦氏、高橋氏
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