最先端技術の“日本代表”が結集!
感動が桁違いの8KVRを5Gサービスで実現

最先端技術の“日本代表”が結集!感動が桁違いの8KVRを5Gサービスで実現
 アスリート自らがスポーツの抱える課題を解決しイノベーションを創造するプロジェクト「Athlete Port-D」。2019年3月18日、半年間続いた第一期の取り組みがファイナルを迎えた。為末大氏を中心に行われた豪華な2セッションの様子を発言とともにレポートする。
 アスリート自らがスポーツの抱える課題を解決しイノベーションを創造するプロジェクト「Athlete Port-D」。2019年3月18日、半年間続いた第一期の取り組みがファイナルを迎えた。為末大氏を中心に行われた豪華な2セッションの様子を発言とともにレポートする。

データ活用、5G、エンゲージメントに活路あり

 「Athlete Port-D」では、現役アスリートやコーチ、研究者など“スポーツ”に関わる人たちが一同に集い、スポーツの抱える課題を解決しようと取り組んできた。2018年9月に始まったこのプロジェクトはこれまで全12回のセッションを敢行。「スポーツ×テクノロジー」「アスリートのためのスマートスタジアム」「スポーツ×UIデザイン」「スポーツ×エンターテインメント」「スポーツ×身体拡張」など多岐にわたる内容を論じてきた。

 

イベントを通じてモデレーターを務めた為末氏

 2019年3月18日、半年間に及ぶ集大成として「Athlete Port-D 2018 Final」が開催された。ファイナルでは、NTTドコモ、NTTドコモ・ベンチャーズとともに主催してきたDeportare Partners CEOの為末大氏をモデレーターに迎え、「2018年Athlete Port-Dを振り返る」「スポーツの”新”観戦体験を考える〜魅力的な観戦体験を作るには何が必要か〜」の2つをテーマにパネルディスカッションを行った。

 第一部の「2018年Athlete Port-Dを振り返る」には、NTTドコモ・ベンチャーズ 代表取締役社長の稲川尚之氏、NTTドコモ スポーツ&ライブビジネス推進室 室長の馬場浩史氏が参加。冒頭、為末氏が「スポーツ庁が2025年までにスポーツ産業を15兆円市場へと成長させようとしている。しかし依然としてスポーツビジネスは大きくなっていない。これをどうすればいいかを考えていきたい」と述べ、米国での生活が長い稲川氏に“米国のスポーツ観戦スタイル”を聞いた。

左から、第一部に登壇した為末氏、稲川氏、馬場氏

 稲川氏は「米国は伝統的にスポーツ好きの人たちが多い。リビングのテレビでスポーツ観戦することの重要性が大きく、ネット上のシミュレーションゲームとしてファンタジースポーツの人気も高い」と言及。ファンタジースポーツは仮想チームでありながら実在の選手の成績をポイント化して反映するもので、米国では確固たる地位を築いている。

 馬場氏は「日本でもファンタジースポーツの市場ができてもおかしくないが、ソーシャルゲームの始まりのように、まずは一部が熱狂的に入り込む形になるのでは。選手情報を細かく確認する行為は、選手のエンゲージメントが確実に増える。スポーツの人気には必ず貢献するだろう」と指摘。これを受け為末氏は「米国人はデータを分析しながらスポーツ観戦を楽しむ文化がある。アメリカンフットボールがあんなに人気があるのはその好例」と語った。

 観戦のコンテンツとしては試合だけではなく、有名人やYouTuberに解説をしてもらい、それを別売りにしてマネタイズする動きも見られる。「裾野を広げるにはそのスポーツの知識がゼロの人が興味を持つような解説が大事になってくる。試合というコンテンツを中心にどのように体験させるか。周辺のコンテンツもどんどん増えてくるはず」と馬場氏は予測する。

 テクノロジーとの融合例では、稲川氏が紹介した米サンタクララにある多目的スタジアム「リーバイス・スタジアム」が興味深い。アメフトのサンフランシスコ・フォーティナイナーズがホームとする同スタジアムは強力なWi-Fiが整備され、非常に通信環境が快適なのだという。

 「今や媒体はスマホのほうがテレビより強い。加えてモバイル端末は出かけたスタジアムの中でいろんな情報を引き出すことができる。リーバイス・スタジアムでは試合状況を確認できるだけではなく、ホットドッグを頼むと席まで運んできてくれたり、トイレの位置が確認できたりする。スポーツとの組み合わせで、リアルのいろんなビジネスがスマホを介して連携する世界が現実になってきている」(稲川氏)

 次に為末氏は「これから5Gが出てきて、動画がスタジアム内でどんどん観れるようになったとき、どんなことが可能性としてあるか」と問いかけた。これに対し馬場氏は「AR、VRなどの可能性は大きい。例えば特等席に行かないと走り高跳びの人がどれだけ高く跳んでいるかはわからないが、もしいろんな角度のカメラがたくさんあれば、あたかも特等席にいるかのような視点で視聴体験ができるようになる。それが1つの付加価値になる」と回答した。

注目イベントということもあり、会場は満員の盛況

 “リアルタイム性”もスポーツ観戦の大きな可能性である。是が非でも“生”で感動体験をしたいがため、我々は眠い目をこすって深夜にサッカーやテニスの生中継を観戦するからだ。稲川氏は「そのニーズはいつの時代もある。放送では100メートル決勝の裏で棒高跳びの決勝をやっていたら観れないが、5Gが普及すればカメラの数が増えて多角的に観れるようになる可能性がある。自分で好きなチャンネルを選べるようになれば面白い」と話した。

 また、NTTドコモ・ベンチャーズや為末氏が出資するookamiはスポーツ速報アプリ「Player!」で大学や高校スポーツ、マイナースポーツの情報を発信している。こうした風潮を為末氏は「30年前に比べたら選択肢が細分化してきた。昔だったらマイナーと言われているスポーツが観戦の分野で可能性があると思われるようになってきた」と感じている。続けて馬場氏も「インターネットやアプリケーションの広がりにより多様なコンテンツが生まれ始めている。欲を言えばファンとアスリートとの間でもう1つ架け橋がほしい。例えばプッシュ通知が来るだけでもアスリートに対する関心は増える。興味深い仕掛けをスポーツ業界と一緒にやっていきたい」と述べ、より一層の協創を呼びかけた。

会長自らが規模拡大と変革に奮闘する

 第二部の「スポーツの”新”観戦体験を考える〜魅力的な観戦体験を作るには何が必要か〜」でも引き続き為末氏がモデレーターを務めた。壇上に招かれたのは日本フェンシング協会会長の太田雄貴氏、日本ハンドボール協会会長の湧永寛仁氏、アノマリー代表取締役のカリスマカンタロー氏の3名。陸上、フェンシング、ハンドボール、ダンスと異色の組み合わせとなった。

第二部の登壇者。左から為末氏、太田氏、湧永氏、カリスマ氏

 太田氏は2017年8月に日本フェンシング協会の会長となった。一般的にはフェンシング個人・団体の銀メダリストとしての印象が強いかもしれないが、会長職としても獅子奮迅の働きを見せている。その一例が2018年12月に東京グローブ座で行われたフェンシング全日本選手権の決勝。S席5500円を含むチケットは40時間で完売し、ネットテレビのAbema TV!で生中継。30万人が視聴した。

 「1日で行われる対人型スポーツは午前中が最も人が多い。選手、コーチ、選手の家族や友だち、審判とたくさんの人がいるからだ。しかしトーナメントが進むと人員が不要になり、負けた選手も帰っていく。つまり決勝戦が最も少ない条件がそろっている。

 だから会長になって最初に、6種目の決勝戦のみ切り取って、日曜日に一斉開催するようにした。それで前年の150人から1500人と10倍の集客に成功した。2年めのグローブ座では客席を700席に絞り、質の向上に努めた。かつてはただでも来てくれなかった競技に、お金を払ってでも来たい人たちが増えてきた。じつは価格と集客の相関関係はないことを1つ証明したと言えるだろう」(太田氏)

大胆な改革に着手した太田氏

 為末氏が「太田氏の知名度が作用したのか。行動力だけでは難しいのでは」と問うと、「まず自分たちのポジショニングを明確にした。全速力で走りながら、自分たちの競技団体が上手く回るエコシステムを自分が会長にいる間に作り上げて、私がいなくなっても回るような設計にしたいと考えている」と即答。2018年10月には外から優秀な人材を募るため、ビズリーチと協力して副業・兼業限定で日本フェンシング協会の戦略プロデューサーを公募するなど、常に新しい試みに挑んでいる。「早ければ15分で判断する。ファーストペンギンのポジションを取りに行く」(太田氏)と決意を語った。

 湧永氏は「キヨーレオピン」で有名な湧永製薬の社長と日本ハンドボール協会会長を兼任している。2017年に会長となった湧永氏は「協会に入ったとき、最も衝撃だったのはビジネスとして成立していないということ。協会員は競技出身者や学校の先生、そして事務局の担当者が中心。ビジネス的に協会を見て運営する人はいなかった」と振り返った。

湧永氏はビジネスの視点を協会に持ち込む

 この状況を打破するため、湧永氏は「私が目指しているのは、仮にオリンピックに出られなくてもしっかりと収入があるビジネスモデル。まずはそこをしっかりと構築したい」と言う。また「お客様に対するニーズを踏まえた上でマーケティングをしていかなくてはならない。いまのマーケティングは魅力があるから来てくれと売り込んでいるだけ。そうではなく、顧客のニーズとは何かをしっかりと見極めて活動していきたい」とも。ビジネスの視点を入れて改革を進めている最中だ。

 2012年から中学校で必修化されるなど、近年のダンスには追い風が吹いている。ライトな層を含めれば660万人のダンス人口がいるとされ、最近ではアプリ「TikTok」の影響もあって小中学生がダンスに親しむようになってきた。

 このTikTokやヒップホップカルチャーを例に出すまでもなく、ダンスはストリート生まれのイメージが強い。そのため「こんなに人口が多いのに、これまではダンスをやりたいときのわかりやすい窓口がなかった。ストリートカルチャーや遊びの感覚が強いため誰も業界を意識していなかったのだろう」とカリスマ氏は指摘する。

ダンスの自由さとコンテンツの魅力を力説するカリスマ氏

 振り付けを競うダンスコンテストの時代を経て、いまではフリースタイルのダンスバトルが人気を博している。カリスマ氏が10年以上前からプロデュースを手がけるダンスバトル大会「DANCE ALIVE」も好調だ。カリスマ氏はダンスの観戦コンテンツとしての魅力を次のように語る。

 「サッカーは90分で、最大の見どころはゴールの前後。しかしダンスは2分間がっつりと没入できる。そこはほかのスポーツにはない強み。その短さもあってSNSに適している。理想はダンスを踊らない人たちがダンスを楽しめるような状況を作ること。仮想現実の世界では何でもあり。普段運動しない人が仮想世界ではスーパーダンサーだったりしたら面白い」(カリスマ氏)

 この流れから話題は観戦の可能性へと進んだ。太田氏は「会場に来てまでVRやARのグラスをつけるのはトゥーマッチ。むしろ現場に行かないと得られないインセンティブをどのようにするかを考えたい」と話す。いま注力しているのはオリンピックの正式種目であるフルーレ、エペ、サーブルに続く“4種目め”の開発だ。「ルールがシンプルでわかりやすく、顔がある程度見えるものにしたい。例えばAmazonでセットを注文して翌日に親子ですぐに競技が始められるような。安全性を担保しつつ、この領域まで持っていけたらフェンシングの導入という意味ではかなり大きい」(太田氏)。

新種目の追加を目指す太田氏のビジョンは壮大だ

 湧永氏は最新テクノロジーの導入に乗り気だ。2019年2月に開催された日本選手権大会決勝(男子の部)では、国内初となる無人AIカメラ「Pixellot」による自動追尾の生中継を行った。「テクノロジーによっていろんなことができるようになってきたのは事実。いずれは好きな選手だけを追いかけることもできるようになるだろう。これからのワントゥワンマーケティングを考えると、それを有償コンテンツとして提供することも考えられる」(湧永氏)。その上で、まずはコアなファンのニーズをしっかり満たすことから始めたいとした。

 カリスマ氏は「そもそも人が集まらないと話にならないが、教育に組み込まれたあたりから潮目が変わった。いずれにしても観に来たときに感動体験を与えることが大事。そこにはテクノロジーが必要な場合もある」と答えた。さらに彼は「2024年のパリオリンピックにブレイキン(ブレイクダンス)が選ばれるかどうか審議中だが、もともとオリンピックはアートとスポーツの祭典だった。ブレイキンはアートを取り戻す意味でも画期的な試み。さらにここから時代が変わる予感がする」と期待を寄せた。

 第一部、第二部ともに濃い内容となったファイナル。最後に挨拶した馬場氏は「スポーツ業界を変えていく意思、個の力とコミュニティの力の重要性を確認できたのは大きな気づき。NTTドコモとしてもスポーツの成長、産業の拡大に向かっていく」と締めくくった。馬場氏の言うようにスポーツ界の“中の人”の意識が変われば、これまでにないアプローチがきっと出てくるに違いない。

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