NTTデータが2013年9月から定期的に開催するオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」。このほど、2019年度の第1回定例会がNTTドコモ・ベンチャーズのイベントスペースにて行われ、華々しくスタートを切った。次世代ビジネスを牽引する有力ベンチャーと大企業が活発に意見を交わしたイベントの様子をレポートする。
 NTTデータが2013年9月から定期的に開催するオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」。このほど、2019年度の第1回定例会がNTTドコモ・ベンチャーズのイベントスペースにて行われ、華々しくスタートを切った。次世代ビジネスを牽引する有力ベンチャーと大企業が活発に意見を交わしたイベントの様子をレポートする。

プレゼンとディスカッションで新たな連携を創出

 NTTドコモやNTTドコモ・ベンチャーズとともに、グループ会社とスタートアップの各社が一堂に会した交流会が、NTTドコモ・ベンチャーズラウンジで2019年7月24日に開催された。このような交流会は以前からも実施されており、今回は「EC(Electronic Commerce:電子商取引)」をテーマに設定。ECにまつわる悩みや課題をお互いに共有するとともに、それらを解決するためのディスカッションを深めることで、新しい企業連携に結びつけようというのが交流会の大きな目的だ。

 また、この交流会ではNTTドコモ・ベンチャーズが出資するスタートアップが複数参加している点が、1つの注目ポイントとなる。そもそも、グループ会社はスタートアップと接する機会がそれほど多くない一方で、新しいテクノロジーを活用したスタートアップの画期的なサービスは、それぞれが抱える課題の解決にひと役買う可能性は高い。そういった背景から、交流会ではNTTドコモ・ベンチャーズが、スタートアップとグループ会社を結び付けるハブ役を担当。それぞれの企業にとって有益となるようなシナジーの創出を狙っている。

会場の様子

 交流会ではまず、参加したグループ会社同士がそれぞれのテーブルで互いの取り組みを紹介するとともに、自社で抱える課題を共有。それから、スタートアップの担当者が登壇し、スクリーンを使って自社サービスの概要や他社と比較した強みなどを、グループ会社に説明した。

 今回参加したスタートアップは「Kaizen Platform」「グラッドキューブ」「Candee」「パロニム」の4社。今回のテーマに合わせ、どのスタートアップもECの課題解決を得意とするサービスを展開している。

●Kaizen Platform

 Kaizen Platformは、近年のインターネット業界におけるエンジニアやデザイナー、ディレクターといった人材不足に着目し、1万人以上の人材を確保することで顧客のデジタルマーケティングの改善を支援する事業を行っている。具体的には、Webサイトのパーソナライズ化に必要なデータ基盤や施策管理、人材などの仕組みをワンストップで提供する「KAIZEN TEAM for X」や、「5分で発注、5日で納品、価格は5万円~」を掲げる動画広告改善プロダクト「Kaizen Ad」などのサービスを展開中だ。

Kaizen Platform Kaizen Ad事業部 セールスグループ兼事業開発グループ アカウントエグゼクティブ兼事業開発担当 大塚宥吾氏

 また、登録制によって確保する1万人以上の人材は、Web上で作業ややり取りをすることから、それぞれの経歴や実績、得意な分野などはデータとしてしっかり蓄積されている。そのため、それぞれの人材の強みを活かした適材適所の業務割り当てができる点も、見逃せないセールスポイントとなる。

Kaizen Platform ソリューション事業部 セールスグループ グループマネージャ  多田朋央氏

●グラッドキューブ

 グラッドキューブは、デジタルマーケティング全般のサービスを提供。2014年からはWebサイトのUI/UXを改善するオールインワンシステム「SiTest(サイテスト)」を、2016年からはスポーツとAI(人工知能)とデータ解析の組み合わせで新しい楽しみ方を提供するスポーツメディア「SPAIA(スパイア)」をスタートしている。

 SiTestはヒートマップやABテスト、EFO(Entry Form Optimization:エントリーフォーム最適化)、AIレポーティング、AIリターゲティングなどの機能を備えており、誰でも簡単に利用できるオールインワンのWebサイト解析改善ツールだ。すでに国内外の約45万サイトが導入し、「Google Premier Partner Awards 2018」では顧客成長部門で1位を受賞。オンラインにおける売上拡大やビジネス成長の支援が、実績として広く認められている。

グラッドキューブ 代表取締役CEO  金島弘樹氏

●パロニム

 パロニムは、動画市場における技術開発とサービス提供を担っており、メイン事業としてインタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を展開している。TIGは動画へのタグ付けを可能にするもので、例えばスマホでファッションショーの動画を観ている場合、画面に映るモデルの服をタッチすることで、その服の詳細を確認できる画面や購入サイトへの誘導を可能にする驚きの技術だ。さらに、観光動画などで行きたい場所をタッチするとQRコードを表示し、外国人観光客のスマホに観光地情報などを提供するといった使い方も見込まれている。

 動画内でタッチした情報は動画右側のストックエリアに保存され、あとからでも確認できるため、動画視聴を極力妨げないのも大きな魅力。また、簡単にタグ付けできる使い勝手の良さや、利用者が動画内でタッチした場所をヒートマップとして可視化・データ化できる機能なども備えている。

パロニム 代表取締役 小林道生氏

●Candee

 Candeeは、「ソーシャルビデオ革命を起こし、新しい産業を創出する」をビジョンに掲げ、映像やSNSでのライブ配信を中心としたプロモーションを支援。ソーシャルライブコマース「Live Shop!」などを展開する「メディア」、3万本以上のライブ配信・動画を制作してきたノウハウをベースとする「マーケティングエージェンシー」、リアルからバーチャルまで幅広い「タレントマネジメント」の3つを、サービスの柱としている。動画やライブ配信などの制作とともに、キャスティングなどにも対応できることから、トータルに一気通貫で支援できる点が強みだ。

 EC分野では、「売り上げや認知度を上げたい」「ブランディングをしたい」などの課題に対して、動画を中心としたプロモーションで対応。得意とするライブ配信とTwitterを組み合わせたパッケージなども用意している。

Candee プランニング&セールスアカウントプロデュースディビジョン シニアアカウントプランナー 平井昭利氏

 各スタートアップのプレゼン後は、グループ会社が気になるスタートアップに個別で相談できる時間が設けられたほか、それぞれのテーブルではスタートアップのサービスを踏まえた解決策などのディスカッションも実施された。このように、グループ会社とスタートアップのマッチングに留まらず、ディスカッションを通じてグループ会社間のつながりも強く意識している点が、この交流会の他にない大きな特徴となる。

スタートアップのプレゼン後に行われたディスカッションの様子

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