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CASE STUDY 02 /メディカル・プリンシプル社(医療関連・従業員数280人)数千枚の書類手入力から解放ICTサービス導入で業務効率化と顧客接点強化を実現

CASE STUDY 02 /メディカル・プリンシプル社(医療関連・従業員数280人)数千枚の書類手入力から解放ICTサービス導入で業務効率化と顧客接点強化を実現

数千枚の手書き書類を、社員が夜遅くまでPCに手入力――。働き方改革を推進するメディカル・プリンシプル社にとっては、書類の手入力は早急に解決すべき問題だった。その解決策として最新のOCRサービスを導入。書類のデータ化をITに任せることで、負荷軽減や業務効率化を実現できた。また、医師や医学生、医療関係者への面談やヒアリング、フォローをこれまで以上に丁寧に対応できるようになり、顧客接点の強化、仕事の質向上にもつながっている。

課題
数千枚におよぶ手書き書類、多種多様な求人シートのデータ化を社員が手作業で行っており、入力作業の負荷削減、業務効率化を迫られていた
解決
AIよみと~る」導入で入力作業が軽減。これまで以上に医師や医学生、医療関係者との面談やヒアリング、フォローに時間を使うことができ、仕事の質が向上

深夜まで手書き書類のデータ入力に
追われていた出張時の夜

菅野 翠 氏
メディカル・プリンシプル社
イベント・サービス事業部
第2セクション セクションリーダー
菅野 翠

 「全国の大学で医学生たちが手書きしたエントリーシートを入力するため、夜遅くまでPCに向かっていました」。メディカル・プリンシプル社イベント・サービス事業部の菅野翠氏は、日々の業務に加え、データ手入力という追加作業で多忙を極めていた。

 同社は、医師・医学生と医療機関を結び付けるサービス事業者。医学生・研修医向けに研修情報を提供する「レジナビ」などを運営しており、登録会員数は合計で12万人に上る。

 そしてレジナビでは、医学生・研修医と研修病院の出合いの場となる研修病院合同説明会(セミナー)も全国各地で開催。その広報のために訪れる全国の大学で医学生に記入してもらう手書きのエントリーシートの処理が問題だった。

多賀井 和行 氏
メディカル・プリンシプル社
イベント・サービス事業部
第2セクション チーフ
多賀井 和行

 特に新学期は、連日のように大学訪問が続くため、冒頭の菅野氏のように出張先のホテルでデータ入力を余儀なくされることになった。回収するエントリーシートは1回あたり20~80枚、年間約3500枚になる。「1件当たりのデータ入力時間は5分程度ですが、本来の業務であるイベントの企画や大学訪問の合間に作業するので大変でした」と菅野氏は振り返る。

 研修病院合同説明会では、出展病院、医学生・研修医を対象にアンケートを実施。「担当者の負担を軽減するために、アンケートのデータ入力は2年前から外注に出していたが、エントリーシートの入力作業は残ったままでした」とイベント・サービス事業部チーフの多賀井和行氏は打ち明ける。

従来のOCRは精度に満足できなかったが
「AIよみと~る」のデモを見て導入を決意

菅宮 一夫 氏
メディカル・プリンシプル社
情報システム部 部長
菅宮 一夫

 アンケートやエントリーシートのほかにも同社で扱う手書きの書類はまだまだある。

 まずはインタビューシートだ。全国各地の拠点にいる担当者が医師や医学生と直接面談して希望を聞き、きめ細かくサポートすることが同社の強みだが、手書きのインタビュー内容を手作業でデータ化しなければならず、その業務負荷も決して小さくない。

 もう一つは求人募集のシートだ。医療機関からの求人票の送付に電子メールの利用が広がっているが、まだ手書きの書類をFAXで送受信することもある。同社が契約する医療機関は約1万3000施設に上る。しかも、やっかいなことに求人票は定型フォームがあるわけではなく、たとえ電子メールの添付ファイルであっても施設ごとに書き方が異なる。そのため、求人内容を読み取って、データは手入力しなければならない。

メディカル・プリンシプル社が扱う主な手書きの書類
書類 枚数(年)
アンケートシート(定型) 約7000
エントリーシート(定型) 約3500
求人募集シート(非定型) 約3000
大槻 真聖 氏
メディカル・プリンシプル社
経営企画部 シニアリーダー
大槻 真聖

 「アンケートやエントリーシートのデータ入力で担当者が大変な思いで作業をしていることは以前から把握しており、OCRを活用してうまく処理できないかどうか、検討を続けてきました」と話すのは情報システム部長の菅宮一夫氏だ。これまでもいくつかのOCRを検討したが、文字の読取精度やデータ出力方法などに満足できず、導入を見送ってきた経緯がある。

 そうした中、NTT東日本のAIよみと~るを知る。AI技術を用いて手書き書類を読み取り、データ化するサービスだ。「デモでは二重線で訂正した郵便番号なども正しく読み取ることができ、これなら業務で使えるのではないかと感じました」と、導入の検討を担当した経営企画部シニアリーダーの大槻真聖氏は決め手を振り返る。

AIよみと~るは、人間でも間違えそうな手書き文字を読み取る
こんな文字でも読み取れました
[画像のクリックで拡大表示]
NTT東日本のWebサイトの画像を元に作成
※メディカル・プリンシプル社の実際のデモ内容とは違います

会員登録の業務負荷と時間が大幅に削減

 同社では、2019年5月からエントリーシートのデータ化でAIよみと~るの利用を開始、アンケートに関しても一部利用を開始した。読み取りの流れは、次の通りだ。

 出張先の大学の近くに支社があれば、支社のスキャナーでエントリーシートなどを読み取ってデジタル変換した後、本社に送信。本社のスタッフがAIよみと~るにアップロードする。そして、情報システム部ではCSVファイルを会員データベースに取り込んで登録する流れだ。出張先の近くに支社がない場合、本社に戻ってから処理しているが、それでも、登録スピードは格段に上がっている。

 「AIよみと~るを効果的に利用するためにアンケート用紙のフォーマットを変更しましたが、それも容易にできました。また、AIよみと~るの設定操作も直感的で分かりやすくていいですね」と大槻氏は利便さを語る。

AIよみと~る導入前のアンケート用紙
AIよみと~る導入前のアンケート
[画像のクリックで拡大表示]
AIよみと~る導入後のアンケート用紙
AIよみと~る導入後のアンケート
[画像のクリックで拡大表示]

 では実際、AIよみと~る導入によって、業務は改善されたのだろうか。多賀井氏は「会員登録までのデータ入力の負荷と処理時間を大幅に短縮できました。エントリーシートに関しては、導入前は会員登録までに1週間以上かかっていたのですが、2~3日で対応できるようになり、登録後から医学生にシステムを使ってもらうまでの時間も以前と比べてかなり短くなりました」とその作業効率化の効果を話す。さらに、「担当者は業務負荷が削減された分、医学生との面談時間にも余裕ができ、よりきめ細かな対応ができるようになりました」と、顧客接点の強化、仕事の質向上にもつながり、本業に良い影響を与えていると大槻氏は話す。

エントリーシート登録のフロー(AIよみと~る導入前後で比較)
AIよみと~るの導入によりエントリーシート登録の業務負荷軽減、リードタイム短縮を実現
[画像のクリックで拡大表示]
AIよみと~るの導入によりエントリーシート登録の業務負荷軽減、リードタイム短縮を実現

 すべて入力を外注していたアンケートについても、一部、AIよみと~るに移行を始めており、全面的に切り替えればデータ化の時間短縮と外注費の削減が可能になる。「当社では働き方改革を進めており、業務負荷軽減や業務効率化が実現し、さらに会員登録までのリードタイムも短縮できました。AIよみと~るは、この改革にうってつけのサービスだったと言えます」と菅宮氏は強調する。

 今後については、「担当者が手書きした医師のインタビューシートと、非定型の求人票のデータ化がまだ手入力なので、AIよみと~るで対応していきたいですね」と大槻氏は展望を話す。従来の仕事のやり方を見直し、ITに任せられるものはITに任せる。そして、人でなければできない仕事に注力する。そんな見直しの対象としてまず着目したのが、書類のデータ入力作業だ。この作業を自動化することで、作業時間短縮や業務効率化を実現するだけでなく、医師や医学生、医療関係者への面談やヒアリング、フォローもより深く対応できるようになった。この実現に一役買ったAIよみと~るは同社にとって欠かせないICTサービスと評価されつつある。今後も業務の質を向上させ、働き方改革につなげるサービスとして一層の活躍が期待できそうだ。

株式会社メディカル・プリンシプル社
株式会社メディカル・プリンシプル社

URL:http://www.medical-principle.co.jp
所在地:東京都港区新橋4-1-1 新虎通りCORE
設立:1997年1月
資本金:3億2,975万円
従業員数:280人

C&Rグループに属し、医師、医学生・研修生、看護師、医療機関向けの職業紹介、研修・教育、コンサルティングなど幅広い事業を展開。全国に16拠点を構え、200名を超えるエージェントが医療現場、医療系大学をサポートしている。

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