特別トップインタビュー 近未来・元年「2020」気鋭の企業に訊く
NXPジャパン

時代に応えるコネクティビティー・ソリューションを提供

あらゆるモノを
安全&セキュアにつなぐ
それこそがNXPの役割

NXPジャパン
代表取締役社長

原島 弘明

あらゆる電子機器を相互接続し、連携させて活用する時代が到来した。ただし、安全&セキュアなコネクティビティーと、円滑なデータのやり取りを実現することは容易ではない。この課題に対する半導体ソリューションの提供において、圧倒的な存在感を示す半導体メーカーがNXP Semiconductors社である。NXPジャパン 代表取締役社長の原島弘明氏に、同社の役割と2020年の注力領域について聞いた。

NXPが注力するビジネス領域をお聞かせください。

原島 NXP Semiconductors社は、2006年にPhilips社の半導体部門が独立してできた半導体メーカーです。その後、2015年にはマイコン事業に強みを持つFreescale Semiconductor社と経営統合。さらに、2019年にはMarvell社のWi-Fi/Bluetooth事業部門の買収を発表するなど、M&Aによって扱う技術と製品の幅を拡大してきました。現在、「オートモーティブ」「インダストリアル&IoT」「モバイル」「コミュニケーション、インフラストラクチャー」の4領域にフォーカスしてビジネスしています。

 これら4領域は市場特性こそ異なりますが、いずれも安全&セキュアなコネクションが求められており、必要となる技術は共通しています。ここに、NXPの「プロセッシング」「コネクティビティー」「安全&セキュリティー」「センシング」といった強いコア技術を生かせます。NXPは、それぞれの応用領域に向けて、単に半導体デバイスを売るのではなく、保有する技術と製品を効果的に組み合わせ、価値を最大化したソリューションとして提供しています。

来るべき時代を見据えて、戦略的に会社の機能を強化し、求められるソリューションを生み出すための基盤を整えてきたことがうかがわれます。

原島 あらゆるモノが相互接続され、データを密にやり取りして活用する時代になりました。今やコネクティビティーは、機器やシステムに必要不可欠な機能だと言えます。また、あらゆる機器が相互接続することにより、これらのデータ量は飛躍的に増加しています。しかし、データを円滑かつ安全にやり取りすることは、実際には簡単ではありません。多様な通信規格に対応し、膨大なデータを遅延なく処理するための高度なプロセッシング技術や、セキュリティー技術が必要になります。こうした技術を幅広く揃えトータル・ソリューションを提供することが、私たちNXPの役割です。

強みはソリューションの競争力

2019年のビジネスの状況はいかがでしたか。

原島 2019年は、世界的に見て市場全体が調整局面にありました。オートモーティブでは新車販売台数が頭打ちの傾向がありましたが、私たちが注力しているCASE向けソリューション市場はこれから本格的な成長期に入ります。先々の戦略の変更が求められる悪影響はありません。インダストリアルの領域では、米中貿易摩擦の影響が色濃く出ました。米中は、世界の製造業をリードする2極です。日本のFAメーカーや工作機械・製造装置メーカーは、とくに中国市場に顧客が多く、余波を被りました。ただし、足元は厳しい状況ですが、現地の製造業自体が衰退したわけではありません。いずれ戻ってくる需要に応えるべく、戦略的投資は引き続き活発に行っていきます。

2020年のビジネス環境について、どのように見ていますか。

原島 オートモーティブでは、自動運転/ADAS、電動化、コネクティビティーというメガトレンドに合わせ、クルマのE/E(電気/電子)アーキテクチャーのドメイン型への刷新に対応したソリューションを提案してきました。その成果が、2020年以降に売り上げとなって表れます。さらに、その先のゾーン・アーキテクチャーへの移行を見据え、高速化する車載ネットワークに対応する製品や、処理能力の高いプロセッサー製品、そして強力なセキュリティー技術を提供しています。これらを組み合わせたNXPのソリューションの競争力は高いと自負しています。クルマのE/Eアーキテクチャーが進化すればするほど、NXPの強みが際立っていくことでしょう。

 インダストリアルでは、この市場をリードする欧州と日本の顧客に向けて積極的にソリューションを開発しています。NXPは、「Industrial Competency Center(ICC)」と呼ぶ開発拠点をドイツに作り、インダストリー4.0を推進するソリューション開発を進めています。そこで開発した最新ソリューションを日本市場へと迅速に投入していきます。

 また、エッジ・コンピューティングを促進するためのソリューション「EdgeVerse」を発表しました。これはインダストリアル、IoT、車載向けの組み込みプロセッサー、ワールドクラスのセキュリティー、コネクティビティーに加え、機械学習ソフトウエア開発環境やオーディオ/ビデオ体験スイート、デバイス管理ソフトウエア・プラットフォームの包括的なポートフォリオで、量産に対応するターンキー・ソリューションを提供します。

 またNXPは、ローエンドのLPC/Kinetisマイコン、リアルタイム動作とプロセッサーレベルの機能を両立するi.MX RTクロスオーバー・プロセッサー、i.MXアプリケーション・プロセッサー、そしてハイエンドのLayerscapeマルチコア・プロセッサーまで、スケーラブルなプロセッシング・ソリューションを用意して幅広いニーズに対応しています。

5GにUWB、ワイヤレスが一変

モバイルや通信の領域はいかがでしょうか。

原島 それぞれの領域で、2020年以降の楽しみな材料が多くあります。モバイルでは、決済やチケッティングなどに用いる近距離無線通信(NFC)ソリューションです。日本市場で必須のFeliCa機能に加え、EMVCo、モバイル・トランジット向けMIFAREを1チップで対応するPN81シリーズをリリースしました。2020年には、その採用がさらに広がることでしょう。

 さらに並行して、2020年には、UWB(Ultra-Wideband)の本格利用が始まると見ています。最初の応用は、クルマのキーです。NXPは、セキュア・カーアクセス市場でNo. 1のシェアを獲得しています(2017年IHS調べ)。カーアクセスにおいて近年問題となっているリレーアタックによるクルマの盗難についても、いち早くUWBによるソリューションを提案しています。

 UWBは対象物までの距離と方向を測ることができるという利点を持っています。その特性を生かした潜在的応用は車載分野だけではなく、極めて広範にわたります。スマートフォンを介した自動決済や入場管理なども効率的かつ安全に行うことができます。NXPは、2019年9月に、UWBにNFCとセキュア・エレメントを組み合わせたソリューションを投入しました。

 一方、通信インフラストラクチャーにおいては、いよいよ本格的な商用サービスが始まる5G関連の需要増が楽しみです。NXPは、この分野にも多くの製品やソリューションを持っています。一例を挙げれば、マッシブMIMO(mMIMO)RFパワー製品による基地局アンテナ向けソリューションです。

 5G基地局では、基地局1局当たりの大容量化が求められており、mMIMO技術が採用されています。mMIMO技術ではRF IC製品の需要が大幅に増加します。またNXPは5Gで割り当てられている周波数帯のサブ6GHz帯、ミリ波帯ともにRF IC製品を提供していることも強みとなっています。加えて日本では5G周波数帯域の一部を通信事業者以外に限定的に割り当てるローカル5Gという新しい市場もあります。工場での利用など産業分野での応用が広がると見ています。

最後に、ユーザー企業の方々にメッセージをお願いいたします。

原島 NXPは、最新技術に積極的に投資をし、時代が求めるソリューションの開発を推し進めています。あらゆるものを安全&セキュアにつなぐためのパートナーとして、期待していただければと思います。

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