日経 xTECH Special

パートナーと共創で価値を創造 センシングやネットワークを強みに、AIエッジを推進

パートナーと共にAIソリューションを提供

 OKIでは、AIエッジソリューションの提供と価値向上を促進するために、AIベンダー、インテグレーター、セット・ベンダー、および販売会社を中心に、パートナーを募っていく考えだ(図3)。

図3
図3

AIエッジを対象にしたパートナーシップ(エコシステム)の概要

 「AIやIoTを活用して価値を創出していくには、センサーデバイスなどのハードウェアから上位のアプリケーションまで、さまざまな層のテクノロジーやソリューションを組み合わせる必要があります。OKIでは、これまでも数多くのパートナーとの『共創』によって、IoTや『SmartHop』に関連したソリューションを共同で提供してきました。AIエッジについても同様にパートナーとの共創を進めていきたいと考えています」と山本氏は狙いを述べる。

 「AE2100」シリーズを構成するインテル® Movidius™ Myriad™ X VPUを提供するインテルや、Azure IoT Edgeを提供するMicrosoftなどが、既にOKIのAIエッジパートナーとして名を連ねていて、共同でAIエッジのアプリケーション拡大を進めていく計画だ。

 また、パートナーの輪を広げるために、OKIでは「AE2100」シリーズのモニターキャンペーンを実施する予定である。「AIエッジとして何ができるかを試していただきたいと考え、ご評価を目的として、ご興味のあるAIベンダーやインテグレーターに『AE2100』シリーズを1台無償で提供していきます。パートナーの皆様が開発されたディープラーニングモデルを処理するのに十分な性能が得られるかどうか、『AE2100』シリーズの実機を使ってぜひ検証を行っていただければと思っています」(島田氏)。

 ちなみに、以前から取り組んでいる「SmartHop」のパートナーシップ(エコシステム)では、パートナー企業同士が自発的に交流し、時には新たなビジネスを展開するなど、どのパートナー企業にとってもWin-Winの関係として活動が進められているそうだ。「AE2100」シリーズを用いたAIエッジのパートナーシップでもそうした価値創造をしていきたい考えで、展示会やセミナーなどのOKIブースでも気軽に声を掛けてほしいと山本氏は述べる。

ライブラリーを拡充し顧客課題に速やかに対応

 OKIでは、同社が強みとする交通、建設/インフラ、防災、金融・流通、製造、海洋などの分野を中心に、AIエッジの価値を提供していく考えだ(図1の上段)。「AE2100」シリーズ、「SmartHop」、センサーデバイス、センシング精度を高める信号処理技術、ディープラーニングに関する基礎技術、およびIoTソリューションの構築実績などをベースに、必要に応じてパートナーが提供する製品やサービスを組み合わせながら、顧客が抱える課題の解決に当たっていく。

 島田氏は、「21世紀はAIの時代であり、開発したAIエッジコンピューターに『2100』という型番を付けたのもそのためです。汎用性に加えてOKI製品ならではの信頼性の高さを兼ね備えた『AE2100』シリーズを、さまざまなアプリケーションのいわばAIプラットフォームとして活用していただきたいと思っています」と述べる。

 そうした取り組みの端緒として、「AE2100」シリーズ用のソリューション・ライブラリーの拡充を図っていく。第一弾となるのが、映像から顔や物体を認識する「AISION」、振動データおよび音響データを分析して設備の異常や異音を検知する「ForeWave」、加速度データの分析によるインフラモニタリングソリューションの三つである(図4)。いずれも実績のある既存のソリューションをAIエッジアーキテクチャーに最適化して提供する。

図4
図4

OKIが提供する「AE2100」シリーズ向けソリューション・ライブラリー

 今後はこうしたソリューション・ライブラリーをOKI単独だけではなく、パートナーとの共創も通じて増やしていく考えだ。

 最後に山本氏は、「パートナーと共に市場を盛り上げながら、時にはお客様も交えた『共創』を通じて、価値あるソリューションを生み出していきたいと考えています」と展望する。

 現場や社会インフラなどに特化したさまざまなソリューションを手掛けてきたOKI。「SmartHop」やセンシング技術と、数多くのソリューション実績を強みに据えながら、来るべきAI時代に臨む。