日経 xTECH Special

パートナーと共創で価値を創造 OKIから始まるAIエッジコンピューティングで各市場を活性化

沖電気工業(以下、OKI)は2019年10月3日、ディープラーニングの推論処理をIoT(Internet of Things)のエッジ側で実行する「AIエッジコンピューティング」戦略と、汎用AIエッジコンピューター「AE2100」を発表した。高度IoT社会に向けて、いかにAIエッジを推進し、共創を通じて価値を訴求していくのか。発表会当日に、同社の戦略パートナーであるインテル、日本マイクロソフトを招き行われたパネルディスカッションの内容を概括する。

桔梗原 富夫氏、坪井 正志氏、榊原 彰氏、土岐 英秋氏、前野 蔵人氏 桔梗原 富夫氏、坪井 正志氏、榊原 彰氏、土岐 英秋氏、前野 蔵人氏
(写真左から)

桔梗原 富夫
日経BP総研
フェロー

坪井 正志
沖電気工業株式会社
取締役常務執行役員
情報通信事業 本部長


榊原 彰
日本マイクロソフト株式会社
執行役員 最高技術責任者 兼
マイクロソフト
ディベロップメント株式会社
代表取締役 社長

土岐 英秋
インテル株式会社
執行役員常務
技術本部 本部長


前野 蔵人
沖電気工業株式会社
経営基盤本部
研究開発センター
イノベーション推進室 室長

 パネルディスカッションは「AIエッジコンピューティングの将来像」をテーマに行われた。モデレーターを務めた日経BP総研フェローの桔梗原富夫氏はまず初めに、AIエッジコンピューティングの意義や狙いについて尋ねた。

 OKIでAIエッジコンピューティングの事業責任者を務める坪井正志氏は、「IoTによって大量のデータが集められつつある今、すべてのデータをクラウドに上げて処理させたのでは応答の遅れやネットワークコストの問題が生じます」と指摘。さらに、「当社はエッジ領域にAIを実装し、クラウドと連携させながら、エッジ側でデータを高速に分析し最適に応答する『リアルタイム-インテリジェンス』を実現し、顧客や社会の課題に応えていきます」と述べ、今回発表したAIエッジコンピューティング戦略の狙いを説明した。

 日本マイクロソフトの榊原彰氏は、「クラウド側とエッジ側のそれぞれの特徴を生かして、適材適所で構成することが重要」とした上で、「当社では、『Azure IoT Edge』や『Azure Cognitive Services』のサポートなど、エッジ側のサービス強化に努めていきます」と述べた。

 インテルの⼟岐英秋⽒は、「現在⽣み出されている⼤量のデータのうち、活⽤されているのは2%程度にしかすぎないという話もあります。エッジ側で多くのデータを処理できれば、データ活用が一気に進んで、引いては豊かな社会へとつながっていくのではないでしょうか」との見方を示した。

AIエッジのパートナーを募り、共創を通じて課題解決に取り組む

 OKIはAIエッジコンピューティングを推進するに当たって、AIベンダーやインテグレーターなどのパートナーを募り、課題解決に向けた共創を進めていく考えを明らかにしている。

 新たに発売されたAIエッジコンピューター「AE2100」向けに、「Azure IoT Edge」を提供する日本マイクロソフト、および、AIアクセラレータ・チップ「インテル® Movidius™ Myriad™ X VPU(Vision Processing Unit)」とディープラーニング・ツールキット「OpenVINO™ ツールキット」を提供するインテルを含め、既に30社(2019年10月3日時点)がパートナーとして名を連ねている。

 桔梗原氏は、パートナーに関するOKIの取り組みを尋ね、インテル、日本マイクロソフトの両社にはOKIと戦略パートナーを結んだ狙いを聞いた。

 OKIの坪井氏は「当社はこれまでもさまざまなソリューションでパートナーを募り、共創を通じて顧客に価値を提供してきました。AIエッジに関しても、PoC(概念実証)や社会実装を進めていくにはパートナーの存在が不可欠と考えており、いろいろなベンダーと共創していきたいです」と述べた。

 戦略パートナーの一社であるインテルの土岐氏は「老舗であるOKIの取り組みに、当社と日本マイクロソフトが賛同してできたエコシステムは、日本の市場に大きな安定感と信頼感を与えると思います。今後もパートナー企業が増えていくことで、課題の共有や市場のカバレッジ拡大が期待できます」と語った。

 同じく戦略パートナーの日本マイクロソフト 榊原氏は、「ソリューションを一社だけで提供する時代は終わりです。変化に即応しながら満足度の高いソリューションを顧客に提供するには、OKIとのパートナーシップはとても意義があります」と考えを示した。