日経 xTECH Special

パートナーと共創で価値を創造 OKIから始まるAIエッジコンピューティングで各市場を活性化

研究成果やツールを活用し、AIエッジの技術課題に臨む

 パネリストからはAIエッジの課題も挙げられた。AIの研究開発に従事するOKIの前野蔵人氏は、「AIエッジの応用を広げるには、精度は維持しつつも推論処理の演算量を減らし、消費電力(発熱)を抑える工夫が重要になります」と指摘。発熱が減ればAIエッジ端末の小型化が図れるほか、環境条件の厳しい屋外への設置も容易になる。

 また、「大量の学習データへの依存性、学習や推論の演算コスト、AI特有のブラックボックス化、という3つの課題を緩和していく工夫も必要」と述べた。OKIではこうした課題に対する研究成果を順次公開し、AIエッジの社会実装をバックアップしていく考えだ。

 インテルの土岐氏は、「AIの処理では、マイクロプロセッサー、FPGA(Field Programmable Gate Array)、アクセラレーターなどが混在する、いわゆるヘテロジニアスなシステムを構成する必要があり、ソフトウェア開発の難易度が高まります」と指摘。同社ではワークロードを最適化する「OpenVINO™ ツールキット」などの提供を通じて、開発の課題に応えていく。

 日本マイクロソフトの榊原氏は、「AIに何をさせたいか、そのためにはどういったデータを集めなければならないか、きちんと戦略を立てて取り組むべきです」と指摘。また、プライバシーを含めたデータの扱いにも注意が必要と述べた。

ワクワク感のあるAIエッジ。社会に役立つ取り組みを面白く

 最後に桔梗原氏は、AIエッジの将来像や展望をパネリストに問いかけた。インテルの土岐氏は「AIエッジを生かすにはビジネスのアイデアが重要で、OKIおよびパートナー企業と共に可能性を探っていきたい」と述べた。日本マイクロソフトの榊原氏は「『AE2100』用のソリューションを誰もが提供し活用できるマーケットプレイスを構築するなどして応用を広げ、デジタルトランスフォーメーションを進める一助になっていきたい」と展望した。

 パネルディスカッションを総括する形で坪井氏は、「Jリーグのヴィッセル神戸で活躍するアンドレス イニエスタ選手にOKIのブランドアンバサダーに就任していただくなど、今までのOKIのイメージとは違った取り組みを進めています。AIエッジコンピューティングについても、ワクワク感を伝えられたのではないでしょうか。パートナーの皆様と共に、面白く、かつ、社会に役立つビジネスを展開していきたいです」と述べた。

会場の様子

 創業から138年を数えるOKIは、多くの社会インフラや業務用端末を手掛けてきた実績と技術力を生かし、企業の競争力向上や豊かな生活の実現に向けて、また、労働力不足やインフラ老朽化など社会が抱える課題の解決に向けて、AIを活用した技術、商品、サービスの提供を進めていく考えだ。今後の、同社のAIエッジコンピューティングの取り組みが期待される。