フィジカルとデジタルの世界の融合こそが、新たな価値創造の源泉に DX、デジタルツインで業務変革とビジネスの未来像を勝ち取る

すべての業種業界の企業において、デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入と活用は喫緊の課題だ。そのためにはIoTやAIを用い、現実であるフィジカルの世界とデジタルの世界をシームレスに融合させ、そのうえで、業務やビジネスの礎となる「製品」「プロセス」「人」を繋げていくことが肝要となる。そうした課題に応えるため、PTCはIoTやAI、そしてARを活用した多彩なソリューションを展開し「デジタルツイン」「デジタルスレッド」の実現によってもたらされる、企業が求める新たな価値の創造を支援している。

デジタルツインとデジタルスレッドが企業にもたらす革新とは?

PTCジャパン 製品技術事業部 執行役員 副社長 成田裕次氏

PTCジャパン株式会社
製品技術事業部
執行役員 副社長

成田裕次氏

あらゆる産業において、DXの実現が経営課題になって久しい。DX推進の要となるのはデータだが、IoTに代表されるようなテクノロジーの進化と活用シーンの広がりに伴い、多種多様なデータを容易に、かつ、比較的安価に収集できるようになってきた。また、そこで収集された膨大なデータをAIや機械学習、ディープラーニングを用いて分析し、様々な知見を得ようとする取り組みも多くの企業によって盛んに進められている。

しかし、PTCジャパン 製品技術事業部 執行役員 副社長の成田裕次氏は、「やみくもにデータを集めてAIや機械学習で分析を行ったとしても、業務やビジネスに有益となる知見や洞察を得ることは困難です。また、近年ではデータレイクの活用が進み、膨大なデータを蓄積できるようになりましたが、『必要なデータがどこにあるか分からない』という声も多々寄せられています。まずはデータを収集する目的を明確にするとともに、必要なデータを収集し、かつ、それらをすぐに利用できるように整理しておかなければなりません」と訴える。

目的をもって必要なデータを収集し、いつでも活用できるようにしておくことは、DX推進の第一歩だ。これにより、フィジカルの世界とデジタルの世界のシームレスな融合が可能となり、現実のフィジカルの世界をデジタルの世界で再現する「デジタルツイン」、そして製品やサービスのライフサイクル全体にわたってデータをシームレスに繋ぎ、集約、管理する「デジタルスレッド」を加速させられるようになるだからだ。

デジタルツインとデジタルスレッドは企業の業務やビジネスに、どのような革新をもたらしてくれるのか。製造業で想定されるケースを例示しよう。デジタルツインにより、現実の製品や工場、設備などをデジタル空間に再現することによって、製造やメンテナンスなどの大幅な効率化が図れるようになる。

また、デジタルスレッドの適用により、企画から設計、開発、製造、保守まで、それぞれの過程においてIoTから収集されたデータを集約、統合管理するとともに、必要に応じて繋ぎ合わせられれば、製品のライフサイクル全体をリアルタイムで可視化できることに加え、下流行程の情報をもとに上流工程へと遡り、より優れた製品の設計や開発が実現されるようになるのだ。

製造業でのトランスフォーメーションの機会

製造業におけるDXの機会

3つの「スマートコネクティッド」を推進し、企業のDX活用を支援

このような、DXがもたらすメリットを具現化するため、PTCは自社のソリューションを拡充してきた。PTCは30年以上にわたりコンピュータ支援設計(CAD)、製品ライフサイクル管理(PLM)などの領域で、あらゆる業界のビジネスを大きく変革してきた。そして近年では、企業のDXを支援するため、フィジカルの世界とデジタルの世界の融合に積極的に取り組んでいる。

そうした同社が掲げているのが、「スマート・コネクティッド・プロダクト」「スマート・コネクティッド・プロセス」「スマート・コネクティッド・ピープル」の、3つの「スマート・コネクティッド・ワールド」の実現である。

成田氏は、「スマート・コネクティッド・プロダクトにより、製品の設計から提供まで繋いでいくことで、設計手法の革新や製品、サービスの差別化を生み出せるようになります。また、スマート・コネクティッド・プロセスは、データの活用によりオペレーション全体の改善にブレイクスルーをもたらすもので、工場内での作業効率化や歩留まりの削減を実現します」と説明する。

「そして、スマート・コネクティッド・ピープルは、機械学習や深層学習、AR活用することで、これまで人間が考えて行動していた作業を効率化したり、現場における認知能力を高めたりすることを支援するものです。サイボーグのように人間の能力を高度化することで、生産性、作業品質を飛躍的に向上させられるようになります」(成田氏)

フィジカルとデジタルの融合で価値が生まれる
企業の 3つの領域

フィジカルとデジタルの融合で価値が生まれる企業の 3つの領域

ARを活用し、現場作業の効率化と熟練技術の伝承を促進

これまで説明してきたように、デジタルツインやデジタルスレッドの実現による企業のDX推進に向け、PTCはその礎となるソリューションを展開している。近年では少子高齢化などの影響により、就労人口の不足が経営上の大きなリスクとなっている。働き方改革への対応に伴う労働環境の改善も急務の課題だ。対して、PTCは製品・先に述べたプロセス・人材の高度化により生産性向上をはじめ、作業の安全性向上といった労働環境の改善を支援している。ここでは作業員の技術伝承や、安全安心な作業を実現する、PTCのソリューションの一例を紹介していこう。

Vuforia Studio

Vuforia Studioはコンテンツ作成者向けに幅広い機能を有した、ARコンテンツの作成、共有を可能としたソリューションで、様々なデバイスと併用したARの活用を促進する。

Matterport

Matterportは工場内におけるデジタルツインを実現するソリューションで、現地現物でIoTのデータにアクセスすることで、作業効率を大幅に向上させる。
Matterportを体感する

Vuforia Chalk

Vuforia ChalkはARと、スマートデバイスなどを用いたビデオチャットを統合した遠隔支援ソリューション。遠隔地からエキスパートが現場の技術者と3Dの作業空間を共有しながら、指示内容を提示する。

Vuforia Expert Capture

Vuforia Expert Captureは現場の作業員が業務を迅速かつ正確に遂行するために必要な関連情報を迅速かつ効率的に提供するソリューション。熟練の技術者本人の視点を利用して、すばやく知識・技能を記録し、技術伝承を実現する。

多種多様な業界で活用が進むPTCのソリューション

これまで説明してきたPTCのソリューションは、既に多くの企業において導入・活用が進んでいる。その中の1社が株式会社明電舎で、PTCのAR技術を用いて、メンテナンス作業の効率化、確実性の確保、ノウハウの継承を目指している。

例えば日常点検においてはVuforia Studioにより、ARでタブレット上に点検個所が指示されることで、作業に不慣れな担当者でも熟練者と同じ点検が可能になっている。同様に、定期点検においても、タブレット上に3Dアニメーションで手順や部品などの確認事項が順を追って表示されるため、正確に作業を行えるようになっている。

このほかにも、異常発生時にはVuforia Chalkの利用により、遠隔からメンテンナンス専門家と状況を共有しながら異常原因の特定を行うなど、作業の確実性や効率性を高め、素早い復旧を可能にするとともに、熟練したノウハウの伝承が行えるような仕組みを実現している。

PTCの提供するDXソリューションは製造業だけでなく、様々な業種業界の企業から注目を集めている。「最近では設備産業や建築業界からの引き合いが増えています。明電舎様の事例のようなメンテナンス作業の効率化や、実際の建築物と三次元の設計データARを用いて確認するといった用途などが挙げられますが、このほかにも様々な領域で当社のソリューションが利用されはじめています」と成田氏は話す。

企業のデジタルツインとデジタルスレッドの導入を多彩なソリューションで支援するPTC。成田氏は、「紹介した利用例は、DXが実現できることのほんの一部に過ぎません。私たちはこれからもソリューションを拡充させ、企業のDX推進をサポートしていきたいと考えています」と意欲を見せた。

PTCのソリューションを体感できるスペースとして、PTCジャパンの新宿オフィスに開設されたのが「Japan Experience Center」だ。同施設は、PTC本社(米、ボストン)にある「Corporate Experience Center」の小規模版となるもの。現段階ではIoT・ARを中心にPTCが提供するソリューションに加え、同社のパートナー企業との連携によって実現されたソリューションの展示が行われている。

Japan Experience Center

現在のメインとなっているが、ファクトリーIoTとARを組み合わせた「スマート工場」をテーマにした、現場での活用事例を参照できる展示だ。現場の作業者に的確なタイミングで正確な作業指示を促したり、新しい操作手順や新しいメンバーに対する教育を行ったりする様子のほか、ケアレスミスの防止などの作業工程の「見える化」に留まらず、次の最適な行動に繋がるIoTソリューションを体感することが可能となっている。

「Japan Experience Center」 ソリューションの展示
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