海外の建築家が高い信頼をおくシューコーの数々の製品群 快適な環境づくりに役立つ製品を日本へ

窓、ドア、ファサードのシステムサプライヤー、独シューコーが、日本に再上陸した。2018年12月、日本法人を立ち上げ、国内建築市場の攻略に向け着々と準備を進める。建築設計者にデザインや機能・性能面で質の高い提案が求められる時代。シューコーのシステムが生み出す製品が、その質の高さを支えてくれそうだ。

 ドイツの老舗であるシューコー・インターナショナルKG(以下、シューコー)が昨年12月、日本法人としてシューコー・ジャパンを立ち上げた。同社で取り扱うアルミニウム、PVC(樹脂)、スチールという3つの素材のうち日本法人はアルミを取り扱う。欧州を中心にグローバルに提供するアルミ製の窓、ドア、ファサードのシステムが、国内でも利用しやすくなる。

 シューコーの歴史は古い。誕生は1951年。アルミ製の窓やファサードのシステム供給から始まった。1980年代初めには日本国内にも上陸。内開き・内倒しのドレーキップ窓や「ヘーベシーベ」と呼ばれる大型引き戸タイプの窓などで市場に衝撃を与えた。

高い断熱性能を誇るサッシの秘密は断面構成の違いにある

 欧州では、多くの建築家が窓やファサードなどの設計に入る前にまず、同社のWebサイトを訪れ設計の基本にしているといわれるほどに、厚い信頼を得ている。建築設計プロセスのデジタル化に対応し、同サイトで各種の図面データを提供していることも、安心感を持って利用されている理由の1つだ。

 システムの一番の特徴は、性能の高さ。窓を例にいえば、断熱性能の高さである。サッシはアルミ製だが、開口部としては住宅・建築物の省エネルギー基準を大幅に上回る熱貫流率(U値)を誇る。

 シューコー・ジャパンで代表取締役を務める河原伸自氏は「サッシの断面構成を見ていただきたい。ほかの製品とは、断熱材や樹脂の挟み込み方が違います」と胸を張る。

 開口部の中でガラス面の占める割合は確かに大きい。しかし、その性能だけに目を向けるのでは十分ではない。河原氏は「ガラスの性能を上げるなら、サッシの性能も上げる必要があります。ガラスをペアガラスにしても結露のおそれがあります」という。

 シューコーのシステムは意匠性にも富む。再び窓を例に言えば、シームレス(パノラマデザイン)への対応力の高さが持ち味だ。

 「欧州ではシームレスデザインが主流になりつつあります。私たちのシステムはそれらに対応し、さらに安全性を高め、自動化により取り扱いが容易な機能も提供しています」と河原氏。大きな開口部を構成できるうえに、それによってサッシの見付け幅がむやみに太くなることはないという。

シューコーの提供するシステムに基づいて生産されたアルミ製サッシの断面。サッシ内部に挟み込まれた断熱材や樹脂が、本体はアルミ製でありながら極めて高い断熱性能を発揮できる理由の1つという。

完全循環型の「C2C」認証が環境意識高まりの中で強みに

 さらに、「Cradle to Cradle®(C2C)」と呼ばれる完全循環型デザイン製品を生み出す。「C2C」とは日本語でいえば、「揺りかごから揺りかごへ」。素材を品質低下なしに製品の生産過程に戻し、リサイクルすることをいう。

 「C2C」のグローバル環境認証制度も既に整備済み。Cradle to Cradle Products Innovation Instituteの基準に従い、シューコーのシステムの多くがシルバーレベル、ブロンズレベルの認証を取得している。その認証試験では、①環境に対する原料の無害性・再利用性②生産中のエネルギー・二酸化炭素(CO2)排出管理③水・排水の適切な管理④生産過程での公平性―が評価される。

 認証取得済み製品は、米グリーンビルディング協会が運営する「LEED」など環境性能の評価・認証制度においてプラスに評価される。「ESG(環境、社会、ガバナンス)投資」や「持続可能な開発目標(SDGs)」といった企業の環境意識の高まりの中で認証取得済み製品は1つの強みになりそうだ。

 シューコーが提供するのはあくまで、これらの特徴を備えた製品を生み出すシステム。メーカーではなく、システムサプライヤーなのである。

 部材はシューコーで認証した工場で製作。それを、やはり同社で認証した約1万2000のファブリケーターに供給し、そこで加工・組み立てを行う仕組みだ。自らは工場を持つことなく、デザインや機能・性能の開発、生産工場や加工・組み立て工場の認証に注力する。

 部材の製作や加工・組み立てはすべて、認証した工場で行うため、部材の仕入れ先や供給先が異なっていても、品質は同じ。市場に送り出す製品としての安定度は極めて高い。

 河原氏は「日本国内でも従来のビジネスモデルでシステムの提供を手掛けていきます。部材の加工・組み立てを担当するファブリケータ―とは現在、協議を続けています」と話す。

 日本国内の市場に具体的に何を投入するかは現在調整中。「シューコーは70年近くの歴史があるだけに、多種多様なシステムを用意しています。その中から厳選し、自信を持って提供できるものを、1つずつ、信頼を得ながら提供していきたいと考えています」。製品開発以来常に改善を重ねてきた進化したヘーベシーベやドレーキップが市場に出回る日が近いかもしれない。

エネルギー効率の向上など課題解決に向けた製品投入へ

 強みはやはり、国内メーカーの製品にはみられないデザインや機能・性能を生み出せる点だ。河原氏は「マーケット、ターゲット、セグメントを見誤らなければ、市場攻略への突破口は必ず開けます」と自信をのぞかせる。

 国内建築市場は既に成熟の域に達している。成長の見込める市場と違って量の確保はとうてい望めない。それでもいま、日本の市場攻略に乗り出すのは、デザインや機能・性能といった質で勝負できると睨むからだ。

 日本国内の市場に具体的に何を投入するか、その考え方の一端を、河原氏はこう紹介する。「エネルギー効率の向上や高齢化への対応など課題解決に役立つ分野を想定しています。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)対応は、その一例です」。また、「国際基準の気密・断熱性能を有する施設を普及させ、快適で健康な環境づくりに貢献したい」。

 成熟期の国内建築市場では建築設計者としても提案の質が求められる。シューコー・ジャパンはその質向上を、強力に後押ししてくれるに違いない。

シューコー・インターナショナルKGの日本法人としてシューコー・ジャパン株式会社を2018年末に設立しました。日本を取り巻く社会環境及び経済環境を考慮すると、今後日本の建築市場において過去経験したような大きな成長を見込むことは難しいでしょう。ではなぜこのタイミングで日本での事業展開に至ったのか疑問に思う方も多くいらっしゃるかもしれません。それは、我々は日本市場には「成長機会」ではなく、「洗練」の機会が多く存在すると考えているからです。建築ストックの再生・活用、建築物のエネルギー効率向上、サステナビリティを考慮した都市および建築計画など、今後日本の建築業界は既存の技術、製品、思考に対する洗練化が求められるでしょう。

シューコーはドイツを中心にシステム開発を行い、その革新的なエンジニアリング力、デザイン性、機能性と高い品質に対して世界的に高い評価を受けています。過去70年間で培った経験と、未来を見据えた継続的なシステム開発は我々の誇りであり、我々の企業理念を体現するものです。日本においては特に、ドイツを含む欧州各国の厳しい建築要件を満たすアルミ高断熱サッシやドア、ファサードシステムの提供および案件ごとのデザイン提案、コンサルテーションサービスを通じて建築業界および建築物の洗練化に貢献することが可能であると確信しています。

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