高品質と高信頼、最大容量256GB
車載業界をリードする半導体2社の取り組み
高度化する車載アプリケーションのニーズに応える

自動運転、ADAS、先進インフォテインメントと、目覚ましく進む自動車の高度化。自動車が生成するデータは多様化かつ容量増加の一途をたどり、車載アプリケーションには高速なデータ処理が求められている。次世代の車載環境実現における課題、そして解決策とは――。「R-Car」に代表される車載用SoCで市場をリードするルネサスエレクトロニクスと、車載用ストレージで長年の経験とノウハウをもつウエスタンデジタルに、ともに推進する取り組みを聞いた。

自動車高度化に伴って顕在化する
データ容量、信頼性、品質の課題

ルネサスエレクトロニクス
オートモーティブソリューション事業本部
テクニカルスタマーエンゲージメト統括部
セグメントソリューション第三部課長
大塚 聡

ルネサスエレクトロニクス(以下ルネサス)は、車載半導体のメーカーとして確固たる地位を確立しています。そうしたポジションから、将来に向けた自動車業界のトレンドと課題がどう見えているのか、お聞かせください。

大塚自動車業界では自動運転、ADAS、先進インフォテインメントと、自動車の高度化が目覚ましく進んでいます。これらについての対応はメーカーの競争力を左右する重要なテーマですが、いよいよ普及の時期を見据えて、高い信頼性と品質をどう確保するかが大きな課題になっています。

車載ストレージには、どのような課題があるとお考えですか。

大塚ストレージは車載デバイス組み込み型からクラウドに至るまで、非常に重要な要素です。自動運転やADASの実現には、SoCの性能はもちろん、大量のデータが必要です。必要なデータ容量の平均値は、自動車1台あたり1TBです。車載カメラ・LiDARなどのセンサーデータやダイナミックマップなどのデータ量は加速度的に増えているので、1台あたり4TBという数字もあります。高度化がさらに進めばデータ容量も増えていくことは明らかです。

将来のスマートカ―のストレージ要件に対応する車載用e.MMC5.1組み込みフラッシュドライブ

ルーベン自動車は屋外で使われるので、SoCやストレージなどの車載デバイスは、過酷な環境に耐えられる高い信頼性と品質を確保していることも重要です。

大塚そうですね。車載デバイスには以前から、過酷な環境下で品質を担保するために消費電力、耐久年数など厳しい要件が設定されています。自動運転やADASの時代になっても、求められる条件に大きな変化はありません。今後はデータ量が飛躍的に増え、システムもかつてないほど複雑化していきますので、その条件を満たすシステムとしての信頼性、品質を確保しなければなりません。そのためには、車載品質を担保したデバイスが重要です。今回の車載用の大容量ストレージは、システム設計者にとってとても有効なソリューションです。

自動車業界の技術革新に欠かせない
2社のパートナーシップの意義

ウエスタンデジタル
車載&コネクテッドソリューション
プロダクトマーケティングディレクター
ラッセル ルーベン

自動車開発にとって、車載半導体はますます重要な要素になっていきます。

ルーベン私は、そのキーデバイスとなるのがルネサスのSoCであり、ウエスタンデジタルのフラッシュストレージであると考えています。

大塚同感です。車載に関する技術は飛躍的に進歩していますので、その技術を生かすためにも、関係企業のパートナーシップが欠かせません。そこで弊社は、車載用SoCの名をとった「R-Carコンソーシアム」という団体を設立しています。

ルーベン弊社は2017年に参画しました。この参画によって、ルネサスとの関係は以前にも増して密になったと感じています。R-Carコンソーシアムでは様々な車載デバイス間の相互運用性を検証する活動が行われており、弊社のフラッシュストレージについても、R-Carとの互換性が客観的な立場で確認されています。

大塚R-Carコンソーシアムは、パートナー企業と連携し、市場のニーズにマッチした製品・ソリューションをタイムリーに市場へ投入することが目的です。R-CarスタータキットPremierにウエスタンデジタルのフラッシュストレージが採用されたことも、その成果の一つですね。会員企業の属性もミドルウェア・アプリケーション、エンジニアリング・製造、システムインテグレーターなど実に多彩ですから、事業を素早く立ち上げたいと考える企業にとってもベストな環境と言えるでしょう。

自動車の高度化によって、扱うデータ量は飛躍的に増えています。

大塚その最たるものが、画像を利用したアプリケーションです。昨今はAIの技術を用いて認識処理が使われています。AIの進化には学習用のデータが重要で、そのためにクラウドと連動したシステムが期待されていますが、大容量のストレージも大変重要です。データやプログラムを保持することで、万が一の場合には復旧への対応が求められる可能性もあるでしょう。

ルーベンそのようなニーズに応えるためにも、弊社は車載用に最適化された組み込みフラッシュドライブ製品やSDカード製品を提供しています。

3D NANDで品質と信頼性を向上
次世代車載アプリケーションへの対応

ウエスタンデジタルは、車載向け製品にどのように取り組んでいますか。

ルーベンIATF 16949認証の取得やAEC-Q100の準拠などの業界標準対応はもちろん、一般的な製品とは異なる工程で設計、製造、テストをしています。加えて、幅広い温度域での安定稼働や長期にわたるデータ保持、ヘルスステータス監視などを含む車載向けの拡張機能を搭載しています。メモリー技術も日々革新が続いていますが、世界に先駆けて3D TLC NANDを車載グレードの新製品に採用しました。

2D NANDと3D NANDとでは、何が違うのですか。

ルーベン従来の2D NAND技術は“平面的”なので、容量を増やすにつれて記憶セルあたりの面積がどんどん狭くなっていました。一方、3D NANDは“立体的”に層を増やすことによって、電子の数を減らすことなく大容量が実現できます。

3D NANDのメリットとは?

ルーベン記憶セルに保持できる電子の数が増えるとともに、セル間の隣接干渉が緩和されるので、データ保持の信頼性が格段に向上し、大容量化も可能になりました。新製品の「Western Digital AT EM132 e.MMC EFD」では、64層の構造で記憶セルあたりの情報量を3ビット(TLC方式)に増やし、最大256GBという大容量を実現しました。

大塚SoCベンダーとしては、高パフォーマンスを要求されても安心してデータを利活用できますね。新しいアプリケーションを検討されているティア1などのお客様に、大容量ストレージならではのユースケースをご提案する際に役立ちます。

しかし、アプリケーションが高度化すれば実装や検証も複雑になり、開発現場にはその負担が重くのしかかります。

大塚それこそがR-Carコンソーシアム設立の意義なのです。ベンダー間で協調できれば部品メーカーの開発現場の煩雑さの解消にも貢献できます。開発スピードが向上し、品質の担保にもつながることで、自動車の高度化にさらに拍車がかかります。ウエスタンデジタルとの協業やR-Carコンソーシアムの役割は今後さらに大きいものになっていくでしょう。

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