この記事はリモート取材で作成されました

提供:シスコシステムズ

シスコ日本法人社長が語る“急増するテレワークの課題と成功の秘訣”

「大切なのは社員を守ること。事業を止めないこと。テクノロジーで社会に貢献する」

シスコシステムズ合同会社 代表執行役員社長
デイヴ・ウェスト

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、在宅勤務に切り替えてテレワークを実施する企業が急増している。しかし在宅勤務の制度やテレワークの環境整備が追いつかず、いまだに実施できていない企業も少なくない。そんな日本企業のテレワーク事情を憂慮し、「テクノロジーを通じて日本社会の役に立ちたい」 ―― そう強く表明しているのが、ネットワーク/セキュリティーベンダーのグローバル大手、シスコシステムズだ。同社はいまの日本の状況をどのようにとらえ、それを解決するためにどのようなソリューションを提供しているのか。日本法人社長を務めるデイヴ・ウェスト氏に話を聞いた。

テレワークが企業の事業継続を可能にする

写真:デイヴ・ウェスト

シスコシステムズ合同会社
代表執行役員社長

デイヴ・ウェスト

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中がかつてない災禍に見舞われています。企業経営者の立場から、この状況をどのように見ていますか。

ウェスト氏 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)については、そのスケールの大きさ、社会全体に与えるインパクトの大きさをかつてなく深刻に受け止めています。世界中でこの状況から抜け出すための努力が続けられていますが、経営者としては何よりも、顧客、パートナーを支援し続けながら、社員、家族の皆さんがウイルスに感染せず、安全な暮らしを確保することが最も優先すべき事項であり、使命だと考えています。

 そのためには、できる限り外出を控え、ソーシャルディスタンス、すなわち人と人との距離を保つことが大切です。もちろんオフィスへの出社も控えなければなりませんが、一方で会社の事業活動を止めるわけにもいきません。出社をしなくても仕事を続けられるようにするには工夫が必要です。そうした工夫の一つが、在宅勤務やテレワークを実施することなのです。

テレワークを導入する企業は確かに増えているのですが、テレワークを実施したものの、うまく機能していないという話も耳にします。企業はどのような点に留意すべきなのでしょうか。

ウェスト氏 企業が第一に考えなければいけないのは、テレワークに切り替えてもオフィスと変わらない生産性を維持することです。在宅勤務では家族が生活している場所、あるいは周囲に同僚がいない孤立した場所で仕事をしなければならないため、生産性を維持することは容易ではありません。そのような離れた場所にいる社員同士が円滑にコミュニケーションを図りながらコラボレーション(協働作業)するには、テクノロジーが大きな役割を果たします。

 企業が生産性を維持したまま事業活動を継続するために重要なのは、経営者がテクノロジーを素早く受け入れてテレワークを率先して実施することです。テレワークをうまく機能させるには、まずはこうした点に留意しなければなりません。

試行錯誤が続く日本のテレワーク事情ですが、欧米各国の実施状況と比べて何か違いはあるのでしょうか。

ウェスト氏 今回のパンデミックでは、米国企業の約85%がテレワークを実施しているという統計データがあります。英国などヨーロッパ各国、オーストラリアなども似たような状況です。それに対して日本の状況は、大企業では利用が加速しつつあるものの、中堅・中小企業ではまだまだ進んでいないのが実情です。

 欧米と日本の一番の違いは、テレワークの文化が社会や企業に根づいているか否かということです。欧米企業の多くは平時から在宅勤務制度を取り入れ、積極的にテレワークを実施してきた経験があります。一方の日本企業では、ようやくテレワークの導入が始まったばかりであり、うまく使いこなす文化が根づくまでには至っていません。

 日本においても、働き方改革や事業継続の手段としてテレワークの重要性は理解されています。2020年夏の大規模イベントを想定して、テレワークの準備を進めていた企業もあります。そうしたなか、パンデミックという予期しない出来事が発生し、なかば強制的にテレワークを実施しなければならない状況になってしまいました。このような違いが欧米と日本の実施状況の差に表れていますが、すぐにテレワークを実施しなければならないことに変わりはありません。

 新型コロナウイルスのパンデミックのなかで企業が事業を継続していくには、テレワークが重要な役割を果たすことは間違いない。しかし日本企業の多くは在宅勤務の制度やテレワークの環境整備が途中段階にあったため、テレワークを導入すると仕事が回らなくなるのではないかと心配する企業も少なくない。とはいえ、いまの状況を乗り切るにはテレワークの実施は待ったなし。躊躇していると企業の存続と成長にも影響します。そのために、まずはテクノロジーを取り入れてテレワークを実施することが先決 ―― ウェスト氏はそう提言しているのだ。

各種テクノロジーの提供を通じてテレワークを強力支援

日本企業がテレワークをスムーズかつ安全に導入・実施できるようにするために、シスコではどんなテクノロジーを提供していますか。

ウェスト氏 シスコは今年4月17日、オンラインで「テレワーク EXPO」を開催しました。このイベントには延べ5000名を超える方々が参加され、テレワークへの大きな関心と期待を感じました。参加者を対象にしたアンケートによると、すでになんらかの形でテレワークを実施あるいは試行している企業が想定以上に増えているという結果が出ましたが、同時に多くの企業が「テレワークに関する懸念・問題点」を抱えていることがわかりました。

 最も多い懸念・問題点は「企業のネットワークとセキュリティー環境」に関するものでした。こうした懸念・問題点を解消するために、シスコは多種多様なテクノロジーを提供しています。テレワーク環境から業務に利用するクラウドアプリケーションへVPN(仮想プライベートネットワーク)を経由せずに安全に接続する「Cisco Umbrella」、業務アプリケーションやファイルサーバーなど社内ネットワークへVPN経由で安全に接続する「Cisco AnyConnect」、信頼できるユーザーのデバイスのみ接続を許可する多要素認証「Cisco Duo Security」など、ゼロトラストの考え方に基づくネットワーク/セキュリティーソリューションがそれに当たります。

ビデオ会議の様子

テレワーク環境で必要とされる社員同士のコミュニケーションについてはどのようなテクノロジーがありますか。

ウェスト氏 日本企業にとって、テレワーク環境でも社員同士がコミュニケーションを取りやすいということは非常に重要です。日本には顔と顔を直接突き合わせてビジネスを進めながら互いの関係性を深めるという文化が根づいているため、テレワーク実施時におけるコミュニケーションの取り方に課題を感じている企業も少なくありません。アンケートでも「テレワーク中にチームとコミュニケーションを取る方法」が2番目に多い懸念・問題点という結果が出ています。

 シスコではテレワーク実施時の円滑なコミュニケーションを実現するためのテクノロジーも提供しています。例えばビデオ会議/オンラインミーティングツールの「Cisco Webex Meetings」を使えば、テレワークを実施している社員同士のコミュニケーションを簡単に図ることができます。またコラボレーションツール「Cisco Webex Teams」を使えば、ファイルやホワイトボードを共有しながらの協働作業が可能になります。

 ただし、実際に対面するのとオンラインでは感覚的な違いもあるので、当初は難易度が高いかもしれません。一方で、通勤が必要でなくなったり、プライベートな用事をこなしたり、時間をこれまで以上に有効かつ柔軟に活用できるようにもなります。このような利点にも目を向け、旧来の文化を変えていかないことにはテレワークを定着させることは困難です。

 シスコが注力して取り組んでいるゼロトラストセキュリティーとは、すべてのユーザーやデバイスからのアクセスを信頼できないものであるという前提に立ち、アクセスの前には必ず認証を行って信頼性を確認するという仕組みのこと。シスコのゼロトラストセキュリティーは、不正アクセスの防止や侵害の阻止といったリスクの軽減に役立つソリューションとして高く評価されており、米国の調査会社 Forrester 社が2019年第4四半期に発表したレポート「The Forrester Wave: Zero Trust eXtended Ecosystem Platform Providers」ではマーケットリーダーに認定されている。

テレワークを支援する無償プログラムも実施

すでにテレワークを実施している企業のなかには、初めて本格的なテレワークを実施したために戸惑っているところもあるようです。こうした企業に対して、シスコはどのようなアドバイスをしていますか。

ウェスト氏 実はアンケートで3番目に多かったのが「テレワークにおける知識と経験の欠如」という懸念・問題点でした。こうした懸念・問題点を払拭していただくために、シスコはテレワークのポータルサイトを開設し、自社のテレワーク実践を通じて長年にわたり培ってきたノウハウやナレッジを積極的に公開しています。そこにはツールの使い方、オペレーションの方法に限らず、新しい働き方や仕事の仕方などの提案といったコンテンツも含まれています。もし知識や経験が不足していると感じているのなら、ぜひこれらのコンテンツを参考にしてください。

いまの状況のなか、テレワークに取り組んでいる日本企業に対してメッセージをお願いします。

ウェスト氏 シスコは1992年に日本法人を設立して以来、日本企業に役立つテクノロジーを提供し続けることに全力をあげてきました。今回のパンデミックに際しては、一刻も早くテレワークを実施したいという企業への支援も行っています。日本のあらゆる企業や組織、教育機関や医療機関に対して、各種ネットワーク/セキュリティーソリューションやコミュニケーションツールを利用していただける、さまざまな無償プログラムを提供しています。

 シスコはテクノロジーの提供を通じて、これからも日本社会に貢献していきたいと考えています。

 シスコではテレワークを実施している日本企業向けにオンラインイベントを開催したり、ポータルサイトやウェビナーでツールの活用方法やベストプラクティスなどのコンテンツを配信したりといった取り組みも行っている。業務に必要な情報だけでなく、外出自粛が求められるなか、社員やその家族に対してオンラインでヨガや落語といった心身の健康につながるコンテンツを提供するといった取り組みを行っているのも、シスコならではの取り組みだ。

 ウェスト氏は今回のインタビューを通じて、何度も「日本企業の役に立ちたい」という言葉を述べている。テレワークを実施するにあたって何かわからないことがあれば、シスコに相談してみてはいかがだろうか。

図1●シスコが提供するテレワーク向けソリューション

図1●シスコが提供するテレワーク向けソリューション

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