日経クロステック Special

OPENSAUCE代表 宮田人司氏と語る シチズン時計の新たな挑戦/IoTプラットフォーム「Riiiver」の可能性とは

「Riiiver」を活用して地域課題を解決する

 シチズンは、新たな機能の開発・共有によってマイクロコミュニティの形成を促す「Riiiver」の特性を生かし、地域社会の課題解決に取り組んでもらうことを支援している。

 その一環として、2019年8月には札幌市で行われた先端テクノロジーや斬新なアイデアを軸として、新しい価値や文化、社会の姿を提案するコンベンション「NoMaps」に初協賛。「Riiiver」を中心に、学生やビジネスパーソンなど多様な人たちが社会課題解決のための様々なアイデア創出を行うアイデアソンや、プログラマーや起業家がそのアイデアを具体化させるための開発を競うハッカソンを行った。

 大石氏は、「熊の出没情報や積雪情報の知らせ方、過疎地での空き家対策など、北海道ならではの課題がいくつも挙がり、ユニークなアイデアが出されました。地域ごとの課題に応じて、柔軟に機能を創り上げられるのも、『Riiiver』の大きな特徴だと言えます」と語る。

 宮田氏は10年ほど前に東京から金沢に移住し、事業活動の傍ら、地元のITエンジニアやデザイナーなどと連携して、地域課題解決のための仕組みづくりに取り組んでいる。

大石氏/宮田氏

 「金沢に住んでみて驚いたのは、東京に比べてゴミ分別のルールが非常に複雑だったことです。行政がつくった小冊子を読んでもよくわからないし、同じ石川県内でも市町村ごとにルールが異なり、引っ越しのたびに苦労するという声も聞きました。そこで、県内すべての市町村のルールを整理し、色分けすることで、視覚的に理解できるようにしたスマートフォンアプリをつくりました」(宮田氏)

 そのうえで宮田氏は、「『Riiiver』を使えば、同じような仕組みがもっと簡単に、誰でもつくれるようになるはずです。同じ課題を共有する仲間同士で解決に取り組み、それを実現していくことがコミュニティの活性化にも結び付いていくのではないでしょうか」と語った。

大石氏

 大石氏は、「機能が創りやすいという『Riiiver』の特性は、参加の敷居を大きく下げるはずです。IoTプラットフォームは、たくさんの人が参加できるようにしないと成熟しません。今後もPieceの種類や、対応するデバイスをさらに増やして、より多くの人に参加してもらえるプラットフォームに育て上げていきたい」と抱負を語った。

 最後に宮田氏は、「最初は時計メーカーがIoTプラットフォームづくりに取り組んでいるということに意外な印象を持ちましたが、お話をうかがっていて、シチズンは時代の一歩先を行っていると実感しました。次に何に取り組むのかを期待しています」と語った。

機能やおもしろさへの共感が
マイクロコミュニティの創造を促す

Riiiver イメージ

 大石氏は、「Riiiver」で実現する様々な機能が「便利さ」を生むのではなく、「わくわく」や「おもしろさ」をもたらすことが、マイクロコミュニティ形成のカギを握ると考えている。

 「『IoTで便利になる』と言うと、自動化や無人化などを思い浮かべると思いますが、そこには『人』の存在が希薄です。むしろ、『こんなことができてすごい』とか『面白い』といった喜びを感じてもらうことが、思いもよらない機能の創出や、それを誰かに伝え、共有したいというモチベーションにつながり、マイクロコミュニティの形成を促進するのです。わたしたちは、より多くの人に『Riiiver』を活用していただくことで、そんな世界の実現を少しでもお手伝いしたいと考えています」(大石氏)

 「Eco-Drive Riiiver」の正式発売に先駆けて実施したクラウドファンディングや、「NoMaps」などのイベント協賛、オンライン・オフラインによる発表会などを通じて、「Riiiver」に賛同する人、企業、団体の輪は着実に広がっている。大石氏は「宮田氏との対談を通じて、子どもの柔軟な発想を取り入れるなど、可能性は無限に広がっていることを確信しました。時計の枠を超えて、どんどん新たなフェーズを目指していきます」と語った。

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