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ニューノーマル時代に
立ち向かうDXの新潮流

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  • 「2025年の崖」問題/コベルコシステム

レガシーシステムの足かせから脱却し
アフターコロナ時代に向けた
DXを加速させる

コロナ危機に直面した企業は、ビジネス環境やビジネスモデルの変化や、顧客ニーズの多様化といった外部環境の変化への対応を求められている。だが、デジタルトランスフォーメーション(DX)は思ったように進められない状況が続いている。急ぐべきは、足かせとなっているブラックボックス化したレガシーシステムからの脱却だ。

企業が「2025年の崖」に陥る
原因はレガシーシステムにある

コベルコシステム株式会社
インダストリーソリューション本部
第1開発部 部長
加藤 健一 氏

戸川 新型コロナウイルスの危機に直面する中、企業にはなぜDXが求められるのでしょうか。

加藤 コロナウイルスへの感染を防ぐためには今後も“3密”を避け、ソーシャルディスタンスを取らなければなりません。これまでのように人の移動や直接的な対面を前提としたビジネスを続けることは困難で、オンライン上でやりとりする場面はさらに増えていくと考えられます。

戸川 あらゆる情報がデジタル化されていないと、そうしたビジネスの新常態に対応できないわけですね。

加藤 ただ、一方で多くの企業がDXを推進する上で課題を抱えており、進めたくても進められない状況が続いています。費用対効果が不明確、有識者の人手不足、予算上の制約、市場環境など様々な障壁がありますが、特に大きいのがレガシーシステムの存在です。日本情報システム・ユーザー協会の調査でも、71.3%の企業がレガシーシステムの存在がDXへの足かせであると感じているという結果が出ています。そうした中で経済産業省が2018年に公開したDXレポートは、レガシーシステムの問題をクリアできない企業は今後危機的な状況に陥ると警鐘を鳴らしました。これがいわゆる「2025年の崖」です。

変化へ追随しやすいシステムへ
条件はスパゲティ状態の解消

戸川 そもそもレガシーシステムの何が問題なのですか。

加藤 多くのレガシーシステムがブラックボックスとなっており、追加・改修に大変な時間がかかります。また、システムとデータのひも付きが不明確で外部とのデータ連携が困難です。要するに現行ビジネスモデルに強くひも付いている基幹システムでは、時代の変化に応じたビジネス変革をスピーディーに実践できません。

戸川 ブラックボックスから抜け出すには何が必要ですか。

加藤 ブラックボックス化したレガシーシステムは、データベース、フレームワーク、業務アプリケーションの階層がしっかり分けられておらず、プログラムとデータが混在していたりします。そこで特に留意すべき点は、「データとコンピュータの処理をきちんと分ける」ことです。

戸川 いわゆるスパゲティ状態の解消が必要なのですね。

加藤 まさにその点が変化へ追随しやすいシステムを設計する上でのポイントとなります。

※講演の一部をOn-Demand形式で視聴いただけます。

ITモダナイゼーションの
5つのステップをトータルに支援

戸川 ビジネス変革といったときに、ともすればRPA化やペーパーレス化、テレワーク化といった取り組みが注目されがちですが、一方でレガシーシステムをしっかり将来を見据えた形に変えていかなければそれは成し遂げられません。どちらが重要というわけではなく、両方をバランスよくやることが大切なのですね。

 では、そうしたDXに対する課題を抱えている企業に対して、コベルコシステムはどんなソリューションを提供しているのでしょうか。

加藤 ITモダナイゼーションを支援するサービスとツールを総称した「FREEKS」というソリューションを用意しています。現行のIT資産を可視化して最適なシステムの道筋をつくる「調査」から始まり、「設計・製造」「テスト」「リリース」「保守・運用」に至る5つのステップをすべてカバーしているのが特長です。

戸川 FREEKSの実践事例を紹介していただけますか。

加藤 ある製造業のお客様では、調査ステップとして資産分析を実施しました。複雑・肥大化した現行資産の量的削減の可能性を探るもので、結果として現行プログラムを約55%削減できることが明らかになり、パッケージ導入および最小限のリライトで再出発するというITモダナイゼーションの方向性を打ち出しました。

[画像のクリックで拡大表示]
事例:プログラム量的分析が導いたITモダナイゼーションの方向性
現行資産の量的分析を実施した結果、レガシーシステムのプログラム量を約55%削減し、「パッケージ+リライト」によるITモダナイゼーションの方向性を見いだした

戸川 利用されていないプログラムは「そのまま放っておけばよいのでは?」と考える人もいますが、無駄を残したままでは機能追加や変更を行うたびに、その部分に引きずられることになります。使っていないプログラムを捨てずにいることがDXの足かせとなるのですね。

加藤 その通りです。まずは現行資産から無駄な部分を断捨離することがITモダナイゼーションの第一歩となります。

コベルコシステム株式会社

https://www.kobelcosys.co.jp/


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