日経BP総研の主席/上席研究員が訊く

DIGITAL Foresight 2020 Summer DIGITAL Foresight 2020 Summer

ニューノーマル時代に
立ち向かうDXの新潮流

INDEX
  • DX/日本IBM

生産性向上とレジリエンス強化を
併せ持ったDXで危機を乗り切る

新型コロナウイルスの危機によって、日本の製造業を取り巻くリスクファクターはますます拡大している。今こそデジタルトランスフォーメーション(DX)によってこれらの課題を解決しなければ、生き残ることはできない。では何から、どこから手を付ければよいのだろうか。日本の製造業が取り組むべきDXの3ステップを解説する。

かつてない複合的なリスクが
同時多発的に起こった

日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業本部
コグニティブ推進担当 パートナー
鈴村 敏央 氏

戸川 今般の新型コロナウイルス危機を受け、特に製造業はどのような課題に直面していますか。

鈴村 経済産業省が発刊した2018年版および2019年版の「ものづくり白書」では、人材の量的不足および質的変化への対応の遅れや、取引先の意向偏重や品質への過信など従来「強み」と考えてきたことが逆に変革の足かせとなる恐れなど、経営者による認識不足を含めた様々な課題が示されていますが、新型コロナウイルス危機により製造業を取り巻くリスクファクターはさらに拡大しました。財務的なリスクはもちろん市場環境が激変し、リモートワークへの移行に伴いオペレーションも変化しています。

戸川 かつてない複合的なリスクがグローバルで同時多発的に起こりました。そうした中で製造業は、DXに本気で取り組まないといけないフェーズを迎えているのですね。

鈴村 現時点では従業員の安全・衛生を守るための対策が最優先になりますが、多くの経営者は今回の新型コロナウイルスによる危機を歴史的な変換点と捉えており、今ここで先手を打たないと生き残れないという危機感が高まっているのは事実です。

スマートファクトリーへ向かう
3つの成長ステップ

戸川 とはいえ、製造業のDXはなかなかつかみづらい側面もあります。具体的にはどんなことを目指すのでしょうか。

鈴村 製造業が取り組むべきDXの在り方を、IBMはスマートファクトリーの3つの成長ステップとして提唱しています。ステップ1はデジタルマニュファクチャリングで、業務電子化や間接業務効率化、トレーサビリティー強化などを目的とした製造現場のリアルタイムな可視化を実現します。ステップ2はスマートマニュファクチャリングで、ステップ1で取得したデータを解析して業務を自動化・高度化し、結果として生産性を向上します。そしてステップ3はコグニティブマニュファクチャリングで、AIを活用して熟練工の技能を世界規模で伝承します。

戸川 なるほど。では、DXを推進するためにIBMはどんな形の支援を行っているのでしょうか。

鈴村 各企業の事業特性に合った、生産性向上とレジリエンス(回復力)の強化を併せ持つオペレーション実現のためのソリューションを提供しています。調達、製造、ロジスティクス、マーケットという流れに対し、「機能別テーマ」と「機能横断テーマ」の両面からアクションを支援します。また、ここで言うレジリエンスとは、「サプライチェーン全体を見渡した調整の頻度や機動力を高めていくこと」という意味合いです。

※講演の一部をOn-Demand形式で視聴いただけます。

ITとOTを統合して
現場業務を自動化

戸川 サプライチェーンがうまく回っているときは何も問題がないわけですが、一方でそれが完璧すぎるとバッファがなく、変化への対応力が弱くなってしまいます。

鈴村 その通りで、「柔軟性」がもう1つのキーワードとなります。そこで提唱しているのがインテリジェントワークフローという考え方で、ITとOT(運用技術)を統合して現場業務を自動化します。さらにプロセスとプロセス、部門と部門をつなぎ、データでルールを動的に進化させます。

戸川 加えて、新型コロナウイルス対策にも活用できるソリューションを製造業向けに提供していると伺いました。

鈴村 「IBM Worker Insights」というソリューションがそれで、最新のIoTセンサー技術と分析技術を組み合わせて職場の潜在的リスクを監視します。従業員の安全と健康を守るために、対人距離(ソーシャル・ディスタンス)管理、健康データ管理、収容人数制限管理、立入制限エリアアクセス管理、混雑状況管理、発熱モニタリング、マスク着用状況管理という7つのユースケースを定義し、従業員や監督者に洞察を提供するプラットフォームとなります。

[画像のクリックで拡大表示]
IBMが提供する製造DXソリューション
「機能別テーマ」と「機能横断テーマ」の両面から、各企業の事業特性に合った生産性とレジリエンスを併せ持つオペレーション実現のためのアクションを起こす

戸川 新型コロナウイルス対策という一過性のものではなく、永続的に活用可能なものであることが重要ですね。

鈴村 多様なリスクファクターを抱える中で、いかにして変化への対応力を高めていくかが重要になります。IBMは単にツールを提供するだけでなく戦略策定段階からお客様に寄り添い、一緒にロードマップを策定していきます。

日本アイ・ビー・エム株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業本部
IoT & ビジネストランスフォーメーション

https://www.ibm.com/jp-ja/business-operations


PAGE
TOP